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このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2005年12月23日
日本人と中国人

 一昨日(12月21日)に、このホームページ上で『事実を正しく理解しよう』と書いたら「中国とどう付き合うべきか」「中国と中国人を、どのように正しく理解すればいいのか?」というメールが、かなり多く来ました。
 いまの日本人の関心が、よく分ります。
 私は、中国人のことも中国のことも、そんなに正しく知りません。邱永漢さんと『なぜいま中国か』(徳間書店刊)という共著を2002年に出しましたが、正しく知っていると思う範囲内で書いただけで邱さんの三分の一くらいしか発言しませんでした。
 ところで月刊誌『WEDGE』の今月号(2005年12月号)を先週、読んでいました。この雑誌は、『選択』『ぺるそーな』とともに月刊誌では私にとっては非常に参考になる文章が多く、愛読していますが、その巻頭言(羅針盤)に東京外語大名誉教授の岡田英弘さんが「日中親善の幻想を捨て対話より行動で接せよ」という題で、「日本人は中国人と思考方法がまったく異なるからお互いに理解は不可能だということを知って対処するべきだ」・・・と専門家としての論を展開しています。
 5−6回読みましたが、その内容にまったくびっくりしました。長文なので、その中で私のびっくりした、もっとも大事なポイントだけ、ちょっとここへ転載します。

 中国では、よそ者と言えば、まず言葉がまったく違う。昔から中国では、いろいろな異国の人々が北からやってきたが、みんな耳慣れない言葉をさえずり、いきなり白刃を突きつけて、食事を取り上げ、女を奪って行った。そればかりではない。同じ中国人でも油断はならない。官吏はさらに悪質で、都から来ていつまでも居座って、なんだかんだと理屈をつけては、洗いざらい取り上げる。あとには塵っぱ一つ残らない。中国では、官吏といわず、異国人といわず、村にやってきたよそ者は泥棒と同じ、じゅうぶんな警戒に値する者だ、というのが決まりである。
 このことを知れば、中国人でも農民は素朴だろうという思いこみが、どんなに間違っているかがわかるだろう。この、よそ者は悪者だ、少なくとも内心どんな悪意を抱いているかわからない、という、長い歴史でつちかわれた文化は、中国人の夫婦関係にも及んでいる。中国の夫婦喧嘩の壮烈さは日本人にも有名だが、それというのも、女が異姓すなわちよそ者の代表だからなのである。中国では女は結婚した後も姓が変わらない。これは、女の地位が高いからではなく、中国では、女は一生の間、異なった集団の出先であり、ただ子どもを生むために夫と結婚しているだけだからなのである。現代の日本人のように、夫と一緒になりたい、と欲して結婚するのではない。それだから、中国人の夫婦関係は、日本人に比べれば薄情なものである。
 だいたい中国人というものには2種類あって、互いにまったく隔絶している。1種類目の中国人は「文字」を知っている人で、他の種類は「文字」を知らない人である。文字を知って、これを自由に使える中国人は、いまなら共産党の幹部や国営企業の経営者であり、人口の数%にすぎない。その他大勢の中国人は、せいぜい自分の名前を漢字で書けるくらいであって、文字を知っているとはいえない。
 中国における文字は漢字だけであるが、漢字は、もともと話す言葉が違う人々の間で通用するように設計されたもので、紀元前221年に中国を統一した初代の皇帝、秦の始皇帝のときに発音も統一された。当時からすでに、中国人が話す言葉と直接の関係はなかった。だから漢字はどの時代でも、実際に人々が話す言葉と関係なく使われてきた。中国の漢字は、日本の漢字やカタカナ、ひらがなのように、だれにでも使える文字ではない。ここのところも日本人にはわかっていない。
 そればかりではない。中国語には、「本音」に当たる言葉がない。「本音」がないのだから、「建前」という言葉もあるはずがない。これは日本人には絶対理解されないだろうが、中国人が口にする言葉、文字に書く言葉はすべて「建前」であって、「本音」は存在しない。中国では、人間の本心や内面は決して言葉にはならないし、言葉にはしないのである。人間が何を考えているかは、当人だけにしかわからない。言葉は、言葉だけの筋道か通ればいいと考えている。  
 だから、建前だけの言葉をつらねた歴史の文章は、いかに美しくても、いかに本当らしくても、実は本当のことは書いていない。これで「日本人は歴史の教訓に学ばなければならない」という決まり文句の意味がわかってくる。つまり、当の中国人自身が、書かれた「歴史」には本当のことはないと信じているからである(抜粋ここまで)。

 私は岡田英弘さんがどのような人なのか知りませんが、私よりは中国と中国人のことに詳しい専門家であることは、まちがいないと思います。
 いま、この岡田さんの文章を、「中国人をよく知っている人」に見せて問い合わせていますが、ともかくこの文章には、いろいろ教えられました。
 中国人とは、「信用してもらえる関係になってから付きあおう」というのが、いまの私の結論ですが、「ともかく事実を正しく知り、理解し、何ごともやろう」という12月21日のこのホームページ上での私の文章を、もう一度お読みください。そして、いろんな人と上手にお付きあいください。
                                             
                             =以上=

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