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このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2006年2月15日
「経営のコツ」を分りやすく書いた本ができた(そのI)

 私は「経営のプロ」だと言われています。自分でも、ようやくプロになったようだ・・・と思いますが、それは70才を過ぎ、船井総研を辞めてからでした。
 ところで、私がようやく知った「経営のコツ」を、できるだけ早く一冊の本に分りやすくまとめたいと思っていました。
 それについて、このほど地域活性化を実例に『まちはよみがえる』(今月、ビジネス社刊)という題名でようやく、一冊の本にまとまりました。もうすぐ書店店頭に並びますが、本気で「経営のコツ」について書いたこの本の「まえがき」と「あとがき」を、まずきょう紹介します。
 本書では小樽の北一硝子、美瑛の拓真館をはじめ小坂町、岩泉町、富士吉田市、日高市、川越市、川上村、清水町、伊賀市、美馬市、呼子町、由布市、綾町を例題として具体的に取りあげました。白浜のとれとれ市場も参考例としてあげています。
 そして熱海市と河口湖町でしめくくっているのですが、その内容のポイントは来週(2月22日)に本ページにもう一度(そのII)として紹介します。

まえがき
 私は長年、経営コンサルタントを業としてきました。世間では経営のプロといわれています。同時に長年、経営コンサルタント会社の経営も手掛けました。しかしその実績から見れば、経営者としてそんなに優秀だとは思えません。
 私が1970年に創業した経営コンサルタント会社の(株)船井総合研究所(以下、船井総研)は、1988年に経営コンサルタント会社として世界で初めて株式を証券市場に公開しました。大阪証券取引所の市場新二部に上場を認められたのです。いま船井総研は東証、大証の市場一部の上場企業となりました。また、関連会社にも、(株)船井財産コンサルタンツなど株式公開会社もできました。いまではこれらの会社の知名度もあがり業績も好調ですから、船井総研の創業者で大株主という立場の私としては嬉しい限りです。しかし、これは私が経営者として優秀だったわけではなく、優秀な後継者や経営者を得たおかげです。
 船井総研やその関連子会社の経営者としての私には、失敗のほうが多いくらいです。だから経営能力は、そんなにあるほうではなかったと思えます。
 ただし経営コンサルタントとしての私は、実績からいえば、1967年ごろからいままで失敗は皆無なのです。40年ほどにわたり、一日に2、3件の経営アドバイスをしてきました。トータルすると多分、数万件におよぶと思いますが、我ながらびっくりするほどそのすべてに、正しくアドバイスできたのです。
 その理由は、数多くの経験を積んだことと、どんなに小さなアドバイスにも生命を懸けてきたからだと思います。相手があり、失敗が許されない仕事だったからでしょう。ちなみに1966年までは、つまり経営コンサルタントとしての経験が不足していたときにも、私は生命を懸けて経営コンサルタント業にとりくんでいたのですが、よく失敗しました。
 船井総研やその子会社の経営については、失敗しても倒産するような不安全なことは、もともとしませんでした。それに、自己責任の範囲内のことです。それゆえ、どうしても経営に、絶えず生命を懸け続けるほど真剣ではなかったようだと、いま反省しています。
 経営というのは「経営者自身が経験を積み、その上で常に生命を懸けて、考えて、行動して」ようやく失敗しないものだといえそうです。これが、数多くの経営に直接かつ間接に関わってきた私が経験上からいえる結論なのです。

 ところで、最近の10年、このような私がもっとも多くコンサルティングを依頼されたのが、「地域の活性化」と「企業再生」なのです。どちらも100件以上あると思います。いまでは現場に行き、少し調べると、これらにつきましては「どうすればよいか?」がわかるようになりました。「どうすればよいか?」の中には、「どうにもならないから、地域の活性化や企業再生など考えないほうがよい」というのもあります。
私は2004年1月に、熱海に転居しました。川口市雄市長や旅館のご主人たちと親しくなりました。皆、よい人たちばかりです。それで知ったのですが、1965年〜1970年ごろ、熱海には観光客が年間1500万人も訪れ、旅館やホテルへの宿泊客は年間500万人以上にも上ったそうです。1500万人以上の観光客が来た年もあったようです。
 しかしいまは、観光客が年間900万人、宿泊客は300万人程度(?)のもようです。それゆえ「どうすればよみがえるのか?」と多くの熱海の人から質問されます。ただし「コンサルタント料を払うから、活性化策をアドバイスしてほしい」という依頼は、いまのところだれからも受けていません。

 ともかく、熱海に転居して活性化に関する質問を多く受けたこと、相変わらず全国各地から地域活性化に関するコンサルティング依頼が多いこと、さらに今月(1月10日)に73歳となり、経営コンサルティングの第一線から引退したいと思うことなどがあり、今後日本中で大問題となりそうな「地域活性化のポイント」を、ここで一冊の本にまとめようと思いました。私がよく知っている市町村で、よみがえり繁栄している事例を挙げ、活性化のポイントをわかりやすく解説した本を、実務家として書きたいと思ったのです。
 そこで念のため、本書版元の私の担当者である瀬知洋司さんと、私の弟分でもあるフリーライターの太田さとしさんに、それらの市町村を訪ねて取材してもらいました。それぞれの市町村で私の紹介する方々に会って話を聞いてもらい、「よみがえったまち」の状況を確認してきてもらうことにしたのです。第二章の14市町村の現地レポートは、彼らの取材テープや取材メモ、それに写真も参考にして、私の知識や意見とともに書き上げたものです。彼ら二人は約一年かけて取材してきてくれました。よくやってくれました。
 そして出来上がったのが本書第二章の原稿です。

 本日、14市町村についての原稿を、改めて読み直しました。具体的ですぐ参考になる事例が並んでいます。この原稿を第二章とし、これから第一章と第三章を書きます。
本書を上手に御活用ください。
 そして地域の活性化に、少しでお役立てください。
                                       2006年1月1日
 ヒルトン小田原リゾート&スパ 1204号室で記す    船井幸雄

               *  *  *  *  *  *


あとがき
 本書の原稿はこの「あとがき」を除いて、今月(2006年1月)6日に版元の編集担当者に渡しました。その後1月20日に初校が私のところに届きました。今日は1月25日ですが、この間全文を読み返し、加筆・訂正し、いま「あとがき」の原稿を書き始めました。
 実務的でよい本になったと思います。
 地域活性化の実際的な手法の紹介とともに、正しい経営についての基本(経営についての考え方=哲学と、それを担当する人たちのあり方)が、わかりやすく紹介できたと喜んでおります。結論は、すべては「人によって決まる」ということなのです。
 私は経営のプロといわれていますが、それは「船井流経営法」といわれる体系を創り、経営コンサルタントとして成功の連続で来たからだと思います。かつて一年ほどの時間をかけて、船井流経営法を調べたハーバード大学のビジネス・スクールは、「船井流経営法は、収益性よりも社会性と教育性を重視する経営法であり、人中心の経営法であり、長所伸展法によって業績を改善向上させる特性がある」と話しています。そのとおりです。
 そして本書では、その具体的な「答え」が随所に登場しました。ただ、ポイントは「長所伸展法」です。たとえばここ数年、日本国の経営を担当している小泉純一郎さんは、「短所是正法」を採用しています。これでは経営体としての日本国は、経営改善が難しいでしょう。
 現在私は73歳です。先述しましたが、創業した企業(船井総研)などの役員をすべて退き、持株会社といっていい船井本社の代表取締役だけという気楽な立場となりました。それゆえに、いまも毎日、多くの相談を受けますし、年間200回を超える講演もしていますが、言いたいことをはっきり言うようになりました。本書でもそうしました。ただしこれはあくまでも私見であることをご了承ください。

 数日前から、ライブドア・ショックに関するニュースが、国内だけでなく世界中を駆け巡っています。私は堀江貴文という人とは面識がありませんが、いま話題の村上ファンドの村上世彰さん、楽天の三木谷浩史さん、プリヴェチューリッヒの松村謙三さんらとは面識もあり、中には親しい人もいます。
 彼らは若いし、すばらしい才能を持つ人たちです。将来が楽しみな人たちです。
 ただ、私は「情報を利用したり、お金を主要武器にしてお金を稼ぐこと」が、人間の正しいあり方という視点で見て、その経営法に疑問を感じます。私自身がもっともお金儲けと縁遠い経営コンサルタントという仕事を主業としてきたのは、それゆえです。彼らの、そのすばらしい才能を、正しい社会性・教育性の追求に活かしてほしいと思います。
 こんなことを書くのは、1月20日の夜、「六本木ヒルズ族が、熱海を東洋のモナコといえるようなカジノ都市にすればいい、と提案しているのですが?」という質問を、熱海在住のある人から受けたからです。
 私の友人に、國場幸一郎さんという人がいます。沖縄海洋博や沖縄サミットを誘致したキーマンといっていい人で、すばらしい経営者で有力者です。その質素な生活ぶりや豊かな教養で、だれからも好かれる人です。
 その彼が数年前、「年間5000億円以上の生産額を沖縄にもたらすために、カジノを誘致したいのだが?」と相談に見えました。私は「年間500万人の客が沖縄に来るのだから、彼らに一人あたり10万円多く支出してもらえばいい。それなら一つの大きな特産品の小売市場を作るだけで十分じゃないですか」と答えました。加えて「カジノは賭博性の強いゼロサムゲーム。ない方がいいでしょう。株や為替取引ですら、ゼロサムゲームというので問題視されています。カジノはおやめになったほうがいいでしょう」とも言いました。
 これは哲学の問題だと思います。だから、他人さまに強制はできません。これは私からのアドバイスです。
 ただ、私の時流観では、いまのマスメディアの発言とは逆に、マネーゲームやゼロサムゲームは、あと10年も経てば消えてしまう可能性が数十パーセント以上あります(私の近著の『人類と地球のアセンション だからこれからこう生きよう』徳間書店刊、をご参照ください)。
 いま、六本木ヒルズと同じように、ラスベガスやモナコに行くと、頭痛を起こす人が増えつつあるようです。これはそこに集まる人たちの集合意識の問題だと思います。かなり鈍感な私でもこれらのところに行くと、頭が痛くなります。多分、感覚の鋭い若い女性も、同じではないかと思うのです。
 これからは産業観光の時代です。おだやかな文化の時代が来ると思います。また地方の時代でもあります。すべての人が癒され、経済的にも潤う地域(地方)活性化の手法は、いくらでもあると思えます。
 そのためにも、本書を参考にしていただければ望外の幸せです。読者と日本の発展を祈り「あとがき」のペンを置きます。
                                   2006年1月25日 早朝
             熱海市西山町の自宅書斎にて    著者(抜粋ここまで)

                                              =以上=

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