
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

最近「老荘思想」に少し惹かれています。
にんげんクラブHPにも近々載せる予定ですが、そこでは老子の「無為自然」と荘子の「万物斉同」のことを少し書こうと思っています。ところで、私がもっとも気になるのは、道徳経第70章に「吾が言は甚だ知り易く、甚だ行い易し。
天下能(よ)く知ること莫(な)く、能く行うこと莫し」とある文章です。これは気になるコトバです。
これについて五井昌久さんは、つぎのように解説しています(同氏著『老子講義』)。
この節は言葉の通りでありまして、自分の教えていることは、誰にでも判り易いことであり、行い易いことである。それなのに、天下の人々は、こんな判り易いこと、こんな行い易いことを、知らないでいるのだし、行ってもいない、というのであります。
実際に老子の言うことは、道に沿った言葉であり、人として当然なことを教えているのでありますから、そのまま判るのであり、そのまま行えるようなものなのですが、人々は判ろうとしないのであり、行おうともしません。
ここのところが、人間の業(ごう)のしからしむるところなのでしょうが、何んとも人生指導のむずかしいところなのです。世界平和の祈りの運動などでも、一言にして判ることなのですが、判り易いばっかりにかえって、何んだ世界平和運動かというような、空気の中を歩いていて空気の恩恵を感じないような、そんな気分で人々は見過してしまうのであります。
人間は正直がよいのですよ、とか、人間は素直さが第一です、とかいう言葉でも、全くその通りであり、人間にとって一番肝心なことなのでありますが、そのまま当然過ぎて、聞き過ごしてしまうのです。
人間にとって、学問知識も勿論必要なことなのですが、それよりも前に、人間にとって当然行わなければならないような、普通のこと、素朴な行いを、幼年の時から、もっと自然に教えこむようにすることが大事だとしみじみ思います。
正直、素直、勤勉、誠実、柔和、勇気、相手に対する思いやり、こういう基本的な心の持ち方をおろそかにした教育などというものは、その社会やその国家、ひいては人類全体を幸福にする方向にもってゆくことはできません。
しかし、そうした基本的なことは、昔の修身教育のように、形どおりの、きまりきった表面的の面白味のない方法でやったのでは、かえって逆効果になってしまいます(転載ここまで)。
何回もこの文を読みました。皆さんもできれば何回も分るまで読んでください。そしてぜひ、このコトバをかみしめてほしいのです。
何とも味のあるコトバです。
なぜ分りきったことが、人間は知ろうとしないし、分ろうとしないし、行おうとしないのでしょうか?
いま私の気になっていることなので、ちょっと紹介しました。
=以上=

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ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

