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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2015年4月13日
戦争の原因 (※舩井勝仁執筆)

 前回、武装解除について書きましたら、さまざまな反応をいただきました。 1番うれしかったのは民族学の先生とこのテーマについて長時間お話することができたことです。今週は、その観点から気がついたことを記したいと思います。

 今世界はいたるところに争いが起きています。
 歴史的に見ても、近代の世界史には争いが絶えません。その争いをよく見ると、宗教そのものの争いはほとんどありません、実は宗教の争いもつぶさにみますと、「土地」「資源」をめぐる争いであり、いわゆるその部族が生き残るための縄張り争いではないでしょうか。

 たとえばパレスチナ問題もユダヤ人たちがかつて自分たちの住んでいた土地にもどり、自分たちの国を作りたいと住み始めたことに起因します。そこにはイスラム教徒(アラブ人)が住んでいました。「ユダヤ人は、ここは俺の土地だ」「アラブ人は、ここは俺たちが住んでいるではないか」と大変なことになっています。両者の対立は、宗教の違いではなく、領土の争いからおこっています。

 イギリスにも同じ争いがあります。北アイルランドではカトリックとプロテスタントによる血で血を洗う激しい殺りくの争いが起きました。北アイルランドではカトリック系住民がプロテスタント住民から就職や住所などで差別を受けていたのです。それが彼らの独立を求めるきっかけとなったのです。
 宗教の違いが紛争をエスカレートさせているのは事実ですが、その発端は多くの場合、土地や資源の争いであり、大きな枝葉に権力闘争や制度的な差別といった火種があり、その争いの大きなすみわけに宗教の違いがあるのです。

 では、人はなぜ争い戦うのでしょうか。その根底に流れる人間の性(さが)はどのような因子に基づいているのでしょうか。

 その根源的問題について考えてみたいと思います。
 私は、動物も人間も、大きな2つの性があるように思います。動物の世界では、「野生の王国」ではありませんが、常に異種、同族、同類の中でも争い、闘争があります。それは彼らが生きるための捕食を目的とする争い(戦い)および子孫を残すための争いが主なる原因です。
 また彼ら動物は、自らのテリトリーを確保するための威嚇としての戦いの場合は、相手が敗北の退散のサインを出した場合、それ以上相手を追い詰めて、殺すことは原則ありません。

 しかし、人間はどうもこれら動物とは違うようです。人間は「愛」や「復讐」や「憎しみ」といった思いの元に、命を賭けて戦うことをします。

 いったいこの人間と動物との違いは、どこから来るのでしょうか。人間は哺乳類のなかで唯一、子どもを未熟児で出産することに大きな素因があるのではないかという気がします。
 人間は哺乳類のなかで、身体のサイズに比べて大きく発達した脳を持っています。他の動物と比較にならない強固な骨で保護された大きな脳なのです。人間の母親の胎内で(他の動物のように)生まれてすぐに歩けるように育てるなら、出産時に母体を傷つけてしまいます。未完成の状態で出産することになるのです。

 未熟児としての誕生は、人間として一人前になるために出産後の教育が大切であることが間違いありません。生まれたばかりの子どもは未熟な状態ですから、母親は子どもから目を離せず24時間かかりきりです。乳児を育てるには、基本、何もほかの仕事ができません。その母親をサポートするためには、母、子のまわりに集団を形成し、共同で子どもを育てることが最も有利であることを知り、「育児」「教育」「共同作業」「家事の分担」を柱にして生活するという形態が、元来生み出されたわけです。

 現在は、核家族が問題となっていますが、本来はその家族や共同体としての強固な結束がありました。共同体への強い帰属意識が芽生えると、その共同体における不利益な状況が発生した場合、すぐさま争いとなり、戦いとなるのです。

 話は少し飛びますが、この共同体が、民族や国家レベルまでに大きくなると、戦争にまで発展します。共同体の中で培われてきた仲間とのきずなが、強ければ強い程、自分の家族や、共同体(民族)のために命を賭けるという戦いがうまれたのです。
 このような戦いを回避する方策としては、共同体のレベル、サイズを拡大することではないでしょうか。全世界が運命共同体になって同じ方向、次元に向かうしかありません。 そのためにはそれぞれの民族が他との差異を超えて、普遍的な位置を獲得することです。1人1人の意識が他人との差異を認めること、寛容の精神をよしとして自らの中に育てること……やはり父・舩井幸雄が繰り返し唱えた「包み込みの発想」が全方位に生きてくると思います。

 今年の秋の「舩井フォーラム」でも、有意の人々と一日一日をよい意識で積み上げていくようなヒントをたくさんこめた内容にするべくカリキュラムの調整をしたいと思います。
 全世界が運命共同体になって、私たちの意識がいまのままの争いを中心とするレベルにとどまっていると、私はその社会はあまり楽しい社会ではない気がします。でも、実はみんながつながっていて、ただそれが循環しているだけだという本質的なことに気づいた人たちが多い社会なら、大きな共同体はすばらしい共同体になると思っています。

 動物から人間そして神へと私たちは進化していくのだと思います。そんな、理想社会について4月25日(土)大阪、26日(日)東京でトータルヘルスデザインが主宰される美と健康セミナーではせくらみゆきさんと一緒に「新生地球からの伝言」と題して講演をさせていただきます。まだ若干お席はあるようなので、はせくらさんが示してくれる理想社会を体験しに足をお運びいただければと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
                                           =以上=

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2015.04.27:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】日本のウォーレン・バフェット (※舩井勝仁執筆)
2015.04.20:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】本物商品 (※舩井勝仁執筆)
2015.04.13:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】戦争の原因 (※舩井勝仁執筆)
2015.04.06:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】心の武装解除 (※舩井勝仁執筆)
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 -->
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