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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2015年9月14日
この国を縛り続ける 金融・戦争・契約の正体 (※舩井勝仁執筆)

 書店に行くと、以前より国際情勢のコーナーが元気がある気がしています。私は情報収集と勉強のために日々お目にかかる専門家の先生に勧められた本を探しによく立ち寄るコーナーですが、大学生くらいの男女が熱心に本を探している姿も珍しくなく、先週も書きましたが、やはり今の若い人は生まれつき「直感力」が養われていて、時代の変化に敏感なのだなと感じます。
 最近、国際情勢のコーナーに平積みされていることも多い大井幸子さんと片桐勇治さんの共著『この国を縛り続ける 金融・戦争・契約の正体〜奇妙な対米属国「日本」の真実』(ビジネス社)という新刊があります。本書ができたきっかけは、大井さんと片桐さんを私が出版社にご紹介させていただいたことでした。私はお二人をとても信頼している政治関係のお仕事をされている方からご紹介いただきました。その後、お二人に船井塾でご講演していただき、舩井メールクラブで舌鋒鋭い文章を書いてくださったことなど、ご縁をいただいています。

 本書は衝撃的な内容が書かれています。吉田茂首相が戦後焼け野原の日本を復興する巨額の借金をアメリカに依頼し、その代わりに、航空権、国防権、電波権を担保にした。だから、日本は戦後ずっとアメリカの言いなりにならざるを得なかった。そして2013年、すべての借金を返して日本はやっと本当の意味での独立を果たしたのだといいます。 あくまでも推論の域を出ないことではありますが、「国際社会の本質は金融・戦争・契約である」というなかなか興味深い視点でした。

 私がびっくりしたのは、国と国との契約は絶対であり、借りたお金の返済は金(ゴールド)ベースに換算してインフレなどの影響を受けない実質的な価値で必ず返済されるということです。例えば、日本が日露戦争で借りたお金を返し終えたのはなんと1986年のことだと言うのです。そして、片桐さんによれば日露戦争に勝てたのは日英同盟があったからではなく、日英同盟を結んだのでロシアと戦争になり、その結果、多額の借金を負わされたと見なければならないのだという驚きの内容が書かれています。

 そして、一昨年に日本は実質的な独立を果たしたので、これからはいままでのようにアメリカに従属するだけの外交ではなく、日本独自の外交姿勢を構築することが求められているというのです。お二人の危惧は、日本は戦後70年近くにわたって国際政治の真実を知ることなく暮らしてきたので、このままではまたシビアな国際政治の世界で新たな貧乏くじを引かされて、また何十年にも渡る新たなクビキをかせられるのではないかということです。
 大井さんはNYのウォール街でヘッジ・ファンドの専門家として長年キャリアがある金融アナリストでご著書もたくさんあります。日本人はヘッジ・ファンドの仕組みを知らないと、いまの金融の仕組みが分からずに、いつまでたっても貧乏な状態から抜け出せないと感じます。ヘッジ・ファンドとは、様々な手法を用いて利益を追求する投機的なファンドのことです。強欲資本主義を代表する存在ですが、それだけに厳しい現実を生き抜く知恵に溢れており、20年以上欧米の金融界の実質的な主役だったにも関わらず、日本の金融関係者でヘッジ・ファンドの実態を知っている人がほとんどいない状態は憂慮すべき事態ではないかと思います。

 大井さんと片桐さんはTPPの問題しかり、集団的自衛権の問題しかり、円安政策しかり、今の日本がどの方向に行くのかたいへん危惧されておられます。いまの社会は「金融・戦争・契約」と3つのキーワードによって動いていると大井さんと、国民新党の元広報を務められた政治評論家の片桐さんは考えられ、それについて存分に語られているのがこの本の趣旨です。
 それから、この本の中では、「歴史を正しく知ることこそが最大の安全保障となる」という第4章に大きく感銘を受けました。自国の歴史を矮小化する「自虐史観」もいい面しか見ない「自慰史観」の二極化が目立つのが、現在の日本史解釈だとお二人は語ります。 そして、司馬遼太郎先生の『坂の上の雲』は典型的な自慰史観だと書かれていました。十数年ぶりに改めて読み返してみました。
 確かに多くの人が歴史を忠実になぞったものと勘違いしているかもしれませんが、やはりフィクションの小説として読むべきものだという認識を新たにしました。戦果に対してはかなり史実に沿って書かれているわけではなく、もちろん戦後のすぐれた日本文学の名作であることは間違いないのですが、この本に限らず、良い意味で史実を多面的に客観的にそして何よりも本質的に勉強するスタンスを忘れてはいけないと思いました。

 明治維新を起点に日清・日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦と数十年ごとに戦争が起きました。その流れにきっちり沿って、自虐でも自慰でもないバランスの良い歴史を学ぶことで、これからの未来を読み解けると思います。多面的な気づきを得られる1冊ですので是非お手に取ってお読みください。
 
 「舩井フォーラム2015」では、このようなシビアな内容のお話をしていただく先生はお呼びしていません。しかし、日本が厳しい国際政治の現実の中でうまくやっていくためには、欧米のやり方に従うのではなく、日本が独自の歴史の中で培ってきた日本の良さをドンドン発揮していくためのお話をいただく先生に多く出演していただきます。厳しい現実については、本書や片桐先生の連載も始まる『ザ・フナイ』をお読みいただければと思っています。
                                            =以上=

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