
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

イギリス議会がEU離脱の延期を可決しました。NHKのニュースでは3月20日までに議会が離脱案を承認することを条件につけているので、メイ首相の勝利だと報じられています。まだ予断を許さない状況ですが、とりあえずは最悪の事態は免れる様相になってきました。いまの世界経済の問題の本命の米中貿易摩擦も小康状態で、マーケットはとりあえずホッと一息ついている状態です。
日本は安倍政権が長期政権になっている安定感が強みになっているように感じます。世界情勢を考えると、日本にとっては日米関係をいかにゆるぎないものにするかが最重要ポイントです。長期政権になっていることで弥縫(びほう)策ではなく根本的な改善が図れるのが強みです。国の政策の要はやっぱり国防策だと思いますので、戦後の政権が手をつけられなかった改革に取り組むことがご自身では4選はないと明確におっしゃった安倍総理の残された大事な仕事になると思います。
昨年12月に出版された江崎道朗著『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)は、日本が生き残っていくために大事な提言をしてくれているように思います。必ずしも私が江崎氏の主張を理解できているわけではありませんが、冷戦構造という日本にとっては心地のいい状態が30年も前に終わっていることにそろそろ目を向け、いまの国際情勢、アジア情勢に基づいた国防策を考え実行しなければ、日本の将来はないぐらいの危機感を共有する必要はあるのだと感じたのが、素直な読後感でした。
いつもお世話になっている老師は「人間にとって1番大事なことは畏れだ」ということをよくおっしゃいます。畏れとは、立場や肩書きなどを一切取り払ったところで、目の前にいるお相手を丸ごと認めて謙虚に向き合えるかということだと思っています。そして、それが小さい子どもさんだったとしても、その「魂」に対していかに敬意を払って対峙するか、ということのように理解しています。
「畏れ」を携えることは、私にとってとても自然な事ですが、老師には最近「勝仁さんはいつどこでも人を品定めしない良さがある。これは人間にとってかなりの美点だ」と褒めていただき、襟を正し、意を強くしています。父を一番尊敬できる点は、誰に対しても対応が変わらないことでした。この言葉を聞いて、少しだけ父に近づけたのかなと思いました。確かに、私には人の好き嫌いはほとんどないように思います。皆が悪く言っている人のことも、綺麗事ではなくほとんどピンと来ないことが多いです。
ただ、数少ない嫌いなものの1つに「政治家臭がするもの」があります。この「臭い」だけには、人一番敏感のようで、数年前、尊敬する旧知の超大物政治家の集まりに行った際に、前に会ったその方とは別人のように、理屈っぽく他人事のように都合のいい政治家たちの間でだけ通用する理屈をこねくり回しており、一瞬にして辟易して帰りたくなりました。そこで「ここにいる人は誰も生活者目線の問題意識がないですね」と一刀両断爽やかに言い切った人がいて、とても印象に残りました。
元吹田市議員でイシキカイカク(株)代表取締役の神谷宗幣さんの凄みを感じたエピソードです。それから、人一倍志の高い政治家なのに、政治家特有の臭いを感じさせない神谷さんが大好きになりました。神谷さんなら日本の将来を任せられる政治家になられるのではないかと期待しています。
政治改革を志して、竜馬プロジェクトなるものを立ち上げた神谷さんは、数年で300名近くの政治家を集めて超党派の政治団体に成長させました。現在は伊勢修養団で12月に開催されている「神話を体感する会」も神谷さんが主催されていて、毎年百数十名を超える参加者と真冬の五十鈴川に入るなど、清冽な志で邁進されています。
神谷さんのブログを読んでいましたら、パラオのペリリュー島に行かれていたようでした。私も、昨年旅して、たいへん心に残った場所でした。ご存知の方も多いと思いますが、ペリリュー島は日本軍約1万名が玉砕、米軍の死傷率も史上最も高く「忘れられた戦場」と呼ばれるスポットです。
3日で制圧できると踏んでいた米軍の予想を大きく上回り、戦いは73日に及びました。美しい白珊瑚の海岸が血塗られ、今でも「オレンジビーチ」と呼ばれていることでその戦争の凄惨さが伺えます。神谷さんは私と同じように「心えぐられる思い」がしたことを熱い筆致で書いておられました。また私がその地に立ち、「戦争はまだ終わっていない。英霊はまだここで戦っている。その御魂に畏れを」と厳粛な気持ちで思ったことと、ほぼ同じことを神谷さんも感じられたようです。
今度、神谷さんとこの話題について深く語り合いたいと思いました。そして、最近読んだぺリリュー島の本の話は来週書きたいと思います。もう1週お付き合いください。
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2019.03.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】イシキカイカク (※舩井勝仁執筆)
2019.03.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】静かな中心 (※舩井勝仁執筆)
2019.03.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】あなたが知らないあなたの話 (※舩井勝仁執筆)

ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

