トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2025年8月4日
もしかして、『繊細さん(HSP)』かも? (※佐野浩一執筆)

※今月より舩井勝仁と佐野浩一の寄稿を昨年までと同様、一週ごとの交互の寄稿とさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 身の回りに「繊細過ぎるんじゃないかな……」「いつも気を使ってばかりいるな……」と感じる方、いらっしゃいませんか?
 そもそも「気遣いが細やか」だったり、「人に合わせるのが得意」な方はいますので、すべてがそうだとは限らないのですが、「繊細さん」(=HSP)というカテゴリーに該当するであろう人は、確実に増えてきている気がします。
 「繊細さん」とは、心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱した「HSP(Highly Sensitive Person)」という概念に基づき、日本で親しみを込めて使われる言葉です。HSPとは「非常に感受性が高く、周囲の刺激に敏感に反応する人」のことを指し、生まれつき神経系が繊細であるという「気質」を持った人のことです。医学的な病名ではなく、あくまで「生まれ持った特性」や「傾向」として捉えられています。
 アーロン博士の研究によれば、HSPの人は全人口の15〜20%程度存在すると言われており、それは何も特別な人ではなく、誰の身近にもいる可能性があります。
 もちろんご自身のことを確認されることも大事ですし、HSPの特徴を理解し、正しく向き合い、対処することで、生きづらさを軽減し、自分らしい生活を築くことができます。
 HSPの特性は、日常の中でさまざまなかたちで現れます。以下は、「繊細さん」が体験しやすい具体的なシチュエーションです。

(1)職場での出来事
 上司が少し不機嫌そうなだけで、「自分のせいかもしれない」と深く悩み始める。周囲の表情や声のトーンの変化に非常に敏感で、空気を読みすぎてしまう傾向があります。
(2)満員電車や人混み
 人の体がぶつかる、他人の香水の匂い、アナウンスの音など、多くの刺激が一度に押し寄せる場所では、極度の疲労感やストレスを感じることがあります。
(3) 他人の感情に同調
 他人が怒られているのを見ると、自分が怒られているように心が痛む。感情移入が強く、共感力が高いため、他人の感情を「自分ごと」として受け取ってしまうことがあります。
(4)映画やニュースに涙
 ドキュメンタリー番組や感動的な映画を観て、感情が大きく揺さぶられることがあります。ポジティブな感動にも、ネガティブな悲しみにも深く共鳴します。
(5)褒め言葉へのプレッシャー
 「よく頑張ったね」と言われると、素直に喜ぶ前に「もっと頑張らなきゃ」というプレッシャーを感じ、心が緊張してしまうこともあります。
 HSPには、以下のような心理的・身体的特徴が見られます。これらは個人差があるものの、複数に当てはまる場合、その傾向が強いとも考えられます。ちょっと挙げてみますね……。
(1)音、光、匂い、肌触りなどに敏感で、不快な刺激を強く感じやすい
(2)他人の気分や雰囲気に影響されやすく、場の空気を読むのが得意
(3)短時間でも人と関わると、ぐったりと疲れることがある
(4)物事を深く考えすぎたり、些細なことが頭から離れなくなる
(5)ミスや批判に対して過剰に自責の念を抱いてしまう
(6)一人でいることに安らぎを感じ、静かな時間を求める
(7)感受性が豊かで、芸術や音楽に強く反応する
(8)急激な変化やスケジュールの詰め込みに弱く、パニックになりやすい

 いかがでしょうか?
 こうした傾向が日常生活や対人関係でストレスや不安を招くことがありますが、HSPは決して「過剰反応してしまう弱い人」ではなく、「感じ取る力が豊かで、慎重で誠実な人」であるとも言えるので、まずは理解することが重要です。
 では、いま一度、今度はもっとシンプルなチェックリストを示してみますね。
 以下のような項目に多く当てはまる場合、HSPの傾向があると考えられます。

□ 他人の感情にすぐ影響を受ける 
□ 些細な物音でも集中力が乱れる
□ 人が多い場所に行くと極度に疲れる
□ 自分を責めがちで、自己否定感が強い
□ 感情を抑えることが苦手で、涙もろい
□ 心地よい環境に強いこだわりがある
□ 緊張しやすく、本番に弱い
□ 一人でいる時間がないと心が休まらない

 チェック項目はあくまで参考指標ですが、自分の特性を知るきっかけになります。

 では、HSPがどのような性質なのかを理解したうえで、自分自身やそれに該当する人が日常生活でどのようなことに留意したほうがよいのかについて、私が学んだことを記してみます。以下のようなケア方法を取り入れることで、繊細さとバランスを取りながら快適に過ごすことができるようです。

(1)一人の時間を確保する
 刺激から解放される時間を意識的に作ることで、神経を休ませ、心身をリセットすることができます。5分の深呼吸でも効果があります。
(2)感情や思考を外に出す
 日記やメモアプリなどに、モヤモヤする感情や不安を吐き出す習慣をつけると、内面にため込まずに済みます。
(3)環境を整える
 照明をやわらかくしたり、静かな音楽を流すなど、五感に優しい空間を作る工夫をしましょう。ノイズキャンセリングイヤホンも有効です。最近リリースした「陽光LED照明『明王』」などを活用されるのもありです。この照明は、太陽光に極めて近い「15種類の波長」を再現し、ブルーライトを過剰に含まず、自然な光のリズムで私たちの生体リズムをやさしく整えます。
(4)マインドフルネスや瞑想
 「今ここ」に意識を集中する練習をすることで、過去や未来への過剰な思考から距離をとることができ、精神的に安定します。
(5)「安心できる人」とのつながり
 理解し合える友人や家族、あるいはHSPのコミュニティとの交流は、心の支えになります。共感されることで、安心感が生まれます。
(6)無理をしない選択
 すべてに応えようとせず、「NO」を言える勇気を持つことも大切です。仕事や人間関係を見直し、自分に合った環境を探ることが重要です。

 HSPの人は、人一倍感受性が豊かで、共感力や観察力に優れています。これは、芸術的な創造性や対人支援の分野で大きな力を発揮する才能でもあります。医療、教育、デザイン、カウンセリング、福祉などの職業に向いている人が多く、相手の気持ちに寄り添うことができる貴重な存在です。
 ただし、その才能を発揮するには、自分を理解し、無理をせず、刺激に対して「距離の取り方」を覚えることが前提になります。過剰に人に合わせすぎたり、自分の感覚を抑え込んでしまうと、燃え尽きてしまう可能性もあるため注意が必要です。
 「繊細であること」は、現代社会のスピードや競争の中では「弱さ」と誤解されがちです。しかし、本当はその「繊細さ」こそが、他人にはない「深い人間力」や「調和の感覚」を持つ証でもあります。
 大切なのは、自分の「繊細さ」を正しく受け入れ、理解し、それを自分らしさとして活かしていくことです。無理に変わろうとするのではなく、繊細な自分を守りながら、健やかに生きる工夫をしていけたらと思います。
 心理を扱っていると、近年、HSPではないかな……という事例が増えてきています。  
 自分自身が該当しなくても、積極的に理解して、配慮につなげられたらと思います。
                          感謝

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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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