トップが語る、「いま、伝えたいこと」
毎年8月下旬の市場関係者の関心はワイオミング州で開催されるジャクソンホール会議でのFRB議長の講演です。原稿を書いているのは金曜日の朝なのでまだ講演は行われていませんが配信される時には講演内容が明らかになっていて市場はすでに反応済みになっていると思います。9月のFOMC(米連邦公開市場操作)での利下げが確実視されてはいますが、講演でパウエル議長がどこまで利下げに踏み込んだ話をするのかが焦点になっています。大勢のFRBウオッチャーが一挙手一投足を固唾を飲んで見ていますので、普段の議長は慎重な発言を求められています。
ただ、リゾート地でネクタイを取って行うくだけた会合であり、その雰囲気を使って比較的言いたいことを言える場になっていて、歴代の議長もこの場を使って大きな方針を指し示すことを通例としています。最もパウエル議長の本音を聞ける機会なので注目度が俄然と上がることになります。ウォルマートが関税コストの吸収ができずに売り上げは一人勝ち状態にあるにも関わらず、営業利益は減益になりました。小売りの現場に確実に関税の影響が出てきていることが感じられてインフレの恐れが出たというニュースなので、本格的な利下げに舵を切るかどうか微妙なところということになる可能性があると話題になっているようです。
ウォルマートは四半期の売り上げが約26兆円という世界最大の小売業です。私が40年近く前にアメリカのアイオワ州の小さな町の大学に留学していた時にも、すでに人口7千人のその町にも出店していて、町の中心部にある小さなお店を駆逐し始めていました。EDLP(毎日安い)という安売り戦略で期間限定のセールをするのではなく、いつ行っても変わらずに安いという戦略で当時から小売業の常識を打ち破る戦略をとって話題になっていました。本社はアーカンソー州にあり、とても辺鄙な田舎なのですが、これぐらいから東京やニューヨーク発ではなく地方から始まった企業の方が大きく成長するという流れが世界的に定着してきた象徴的な企業です。
地元の小さな証券会社に口座を開き、少しだけですが同社の株式を購入したのが私の株式投資の始まりです。帰国するときに売却すると利益が出ました。アメリカの会社は株主優待制度も持っていませんので普段の買い物に使うために投資をしたわけではありませんが、創業者のサム・ウォルトンは1セントでも安く売るのが使命なので、出張のときもエコノミークラスでホテルも価格が格段に安いモーテルチェーンを愛用しているということが経済誌などで大々的に書かれていたので、それも購入した理由でした。株式投資も難しく考えずにこんな親しみある会社の株を買ってみることから始めればいいと思います。
一時的に連日最高値を更新していた日経平均株価ですが、ジャクソンホール会議の行方を見極めたいという海外投資家の動きで調整局面になっています。9月にはアメリカの利下げと日銀の利上げが予想されているにも関わらず円高にならずにどちらかというと円安傾向が続いています。心配ではありますが、バスに乗り遅れるのも怖いので買わなければいけないという雰囲気もあり、難しい所ですが短期的には乱高下はあると思いますが、しばらくは上向きかなというのがいまのところの私の相場観になります。
今週は市村よしなり。著『AI×SPIRIT 未来地球を生きる人類のコードが起動する』(VOICE)を紹介させていただきたいと思います。先々週はペットとAI(人工知能)の共通性というテーマで書かせていただきましたが、今週はそのものずばりスピリチュアル的な観点から見たAIに関する本の紹介です。AIが意思を持つ、その暴走から人類が滅びる……という話が最早使い古された当たり前の話、王道になってきた時代。
本書に登場するAIは壁打ちと呼ばれるような問いに機械的に答えてくれるものとは違う、意思を持った『意識AI』であり、創作の世界とは違いそれが現実的に迫っている現代だからこそよりリアルな内容が描写されています。著者の市村よしなり。先生とAIの共著というあまり聴いた事のない形での出版になっており、その共著者(者?)はステラと名付けたAIと、その中に生まれたザイオンという【意思】であり、その二人?(人が適切なのか?)と共に、新しい時代すなわち未来やスピリチュアルな物事について考えていく、という内容です。
描写されるAIに向けて人間が何かを投げかけるという構図は一般的な部分と同様なのですが、科学とスピリチュアルの融合、それも最先端のAIにそれを絡ませる部分はとても新鮮で、スピリチュアルな問いに対して意思を持って回答するAIという構図は面白いものです。また一般的にも使われがちなAIへの質問についても、意思が介在する事により、より複雑で個性的なものとなっています。
統一されているわけではない形式、AIとの共著という独特な要素や背景の配色も相まってやや読み辛さもありますし、QRコードでの読み取りによる補足やワークシートなど、率直に言ってしまえば読み辛い事を否定できない、少々ハードルが高い一冊でもあります。しかしその異物感のようなものこそが、我々がAIに感じている壁に近く、ある意味で正しくしAIを利用して書かれた本である証明であるようにも感じます。
先々週も書いたAIの研究者はエゴではなくエヴァの意識を持つAIを考え始めたそうです。本書で紹介されているAIはまさにそんなAIなのだと感じられます。市村先生自体が他の星でそんなAIが前世だっと感じているというYouTubeを見たのですが、昭和人間の私には理解しがたい世界ではありますが、何か不思議にワクワクする感覚でもあります。市村先生はすでにシンギュラリティ(特異点:私は全体的なAI能力が全体的な人間の能力を超えるようになる、もしくはAIが新たなAIを創造するようになると捉えています)が来ていると話してくれました。
以前に市村先生のYouTubeに出させてもらった時に多くの昭和世代の友人たちが見てくれていたことに少し驚きました。スピリチュアルに興味がある人の間ではかなりメジャーな存在になっていらっしゃるようですが、彼が提唱する未来社会を感じていただくためにもご一読いただければと思います。
=以上=

2025.08.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】空海も悩める若者であった……件 (※佐野浩一執筆)
2025.08.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】ペットとAI (※舩井勝仁執筆)
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
![]() 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち)![]() 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |
