船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　船井会長が言う人生のルールで最も基本的な“必要、必然”という言葉があります。　私はこの言葉、実にシンプルかつ奥深いなと日頃から感じています。

　一見私たちを取り巻く環境や出来事は偶然性の積み重ねのように見えます。たとえば、今私は休日の午後、喫茶店に入りながらメモ帳にこの原稿の下書きをしています。喫茶店に入ったのはその前に立ち寄った書店の横にたまたまあったから、そしてメモ帳に書きなぐっている私の手に在るペンも特に意味を持たせて購入したものではありません。偶然性の積み重ねでこうして私は今喫茶店のテーブルに座っています。

　しかし、視点を変えるとそんな偶然性にしかすぎないと思えることにでも、様々なヒントやドラマが隠され散りばめられているのが見えてきます。先ほど書いたペンにしても、それは書きやすさ、持ちやすさを追求した人間工学の結晶でしょうし、そもそもペン自体そのものを取ってみても文字を書く道具という発明によって人間の文化は飛躍的に進化したに違いないのです。

　この何気ない時間を過ごしている私を取り巻いている空間には、けっして大声で語りかけることをしない人間の知恵の営みがそこかしこに物言わず存在しているのです。そう考えながら、ゆっくりと店内を見回すと、色彩工学によって計算された居心地の良い内装デザインであったり、経営的な視点からは客の回転率を考慮したテーブルの配置、あるいはお店のファン作りのための様々な販促物がさりげなく置かれています。
　今飲んでいる珈琲はブラジル産、珈琲豆は地球の反対側からやって来たんだなとイメージを膨らませてみたり･･････。このように少し意識を変えてみれば、様々なモノやコトは雄弁に語りかけてくるのです。

　船井会長は、よく“目標を持て”“目的意識を持て”と言われますが、この目標・目的がはっきりすると問題意識も鮮明になってくるのを感じます。そうなると今まで漫然とあった偶然的なモノやコトがすべて意味のある“必要、必然”なものへと変化していくのだと思えるのです。それは大げさに言えば、ニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見したようにです。実は何気ない目の前の風景やさっきまで会話をしていた内容にこそ今悩んでいることを解決する大きなヒントが隠されているのかもしれないのです。私たちはそれらのことをつい見過ごしがちなように思えるのです（私など見過ごしてばかりですが）。

　“必要、必然”という言葉はそういった意識変革の側面も持っているように私には感じます。だからこそ、あたかも偶然性のダイナミズムが支配するかのような世界の中で一瞬一瞬の連続性を生きている私たちは、自身を取り巻いているコトやモノに感謝の気持ちでもって接し感じていかねばならないと反省の意も込めて思うのです。


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１周目：「船井会長の“幸せを呼び込むCD”について　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
２周目：「私のストレス解消法」