“超プロ”K氏の金融講座

このページは、舩井幸雄が当サイトの『舩井幸雄のいま知らせたいこと』ページや自著で、立て続けに紹介していた経済アナリスト・K氏こと
朝倉 慶氏によるコラムページです。朝倉氏の著書はベストセラーにもなっています。

2019.8
新刊『アメリカが韓国経済をぶっ壊す!』(仮題)まえがき

 「加害者の日本が盗っ人たけだけしく騒いでいる。われわれはこの状況を決して座視しない」
 日本の対韓制裁発表を受けて、韓国の文在寅大統領は激しい言葉で日本を罵りました。多くの日本人はこの表現には呆れ返ったと思います。とても国のトップが発する言葉とは思えません。そして文大統領は「われわれは二度と日本に負けない。我が国の企業と国民は困難を克服する力量がある。逆境を跳躍へのチャンスと生かしていく」と韓国国民を鼓舞したのです。文大統領によれば、「韓国が北朝鮮と結んで平和経済を実現できれば一気に日本の優位に追いつくことができる、経済強国として新しい未来が開ける」と言うのです。かつての西ドイツは経済的に遅れていた東ドイツを吸収して多大な犠牲を強いられました。今でもその余波は続いているのです。現在の韓国と北朝鮮との経済格差はドイツが統一した時の数十倍に至っています。仮に韓国が北朝鮮を助けるとなれば韓国側は想像を絶する犠牲を被ることでしょう。とても韓国の人々がそのような膨大な負担を許容できるとは思えません。文大統領は経済音痴を通り越して妄想論者と言えるでしょう。
 日韓の関係は目を覆うほどです。日米韓の軍事的な連携の証であったGSOMIAも韓国が一方的に破棄を通告してきました、日韓の関係悪化はついに安全保障体制まで影響を及ぼしてきたのです。連日のニュースで日本人の多くが韓国に対して嫌悪感を強めているようです。安倍政権による韓国に対しての制裁措置もほとんどの日本人に支持されています。中にはもっと冷静に対応すべきとの論調も見受けられますが、概ね日本政府の韓国に対しての強い姿勢は好感されているようです。

 しかしながらどうしても今回の対韓制裁に対しての日本全体の反応は、大きな視点が欠けていると思うのです。ほとんどの日本人は今回の日韓関係の悪化は単に日韓の問題が予想以上にもつれてこうなったと考えています。ところが今回の日本の対韓制裁措置は極めて強力で、下手をすれば韓国経済を本当に破滅に追い込みかねません。ひいては半導体生産に支障を来たして世界経済に甚大な影響を与えかねないのです。なぜここまで強い措置に日本政府が踏み切ったのでしょうか? これについて一般的には単に韓国への不信感から生じていることとだけ解説されています。
 果たしてそうでしょうか? 韓国は世界の半導体生産の7割も握っているのです。その韓国に大きな打撃を与えることを、そのような大きな決断を米国は許容しているのでしょうか?
 この本は7月20日、大手町で開催された朝倉セミナーの講演をベースにしてその内容を詳細に口述筆記し、更にその後の情勢変化を考慮し追加的な情報をお届けしています。セミナーでは日本の対韓制裁の真の狙いについて私なりの詳細な分析を話しました。そしてそのことに参加者全員が大きな衝撃を受けたようです。
 日本も韓国も大きな国ではありません。基本的に日本も韓国も米国や中国のような大国の影響下から逃れることはできません。人々は意識しようがしまいが、激変する日々の国際情勢の変化から知らず知らずのうちに圧力を受けて過ごしているのです。
 折しも米国と中国の覇権争いは激化する一方です。昨年から始まった米中の貿易戦争は一時的な休戦はあるものの、基本的に解決に向かうはずもありません。米中対立の最前線はファーウェイを巡る通信覇権奪取の戦いです。そしてこの戦いはどろ沼の様相を呈してきています。米中の関税合戦は一向に収まらず、ついには東シナ海や台湾を巡る紛争にまで拡大、今や米中の争いは安全保障の問題にまで拡大しつつあるのです。かような中、好むと好まざるに関わらず日本も韓国も米中の対立激化の真ただ中に引き込まれていくのです。
 そして今回の日韓関係の悪化の大元はこの<米中関係の悪化>が底流にあり、日韓を通して米中の対立の<代理戦争的な争い>が起きている可能性が高いのです。一般的に見れば今回の日韓関係の悪化は文政権による徴用工の問題から発生した対立が予想外に拡大してしまったということでしょう。しかし日韓関係だけの問題であればこれほど激しくこじれていったでしょうか? なぜ米国は日韓を仲介せず傍観を決めこんでいるのでしょうか? 悪化した日韓関係はもう二度とあと戻りできません、日本政府は韓国経済を潰すまで制裁を続けるでしょう、なぜか? それが米国の意志だからです!
 韓国は世界の半導体生産を牛耳っています。言い換えれば韓国は世界におけるハイテク技術に欠かせないキーポイントを握っているのです。その韓国が文在寅大統領のような左派政権に支配されています。中国にすり寄って米国の言うことを聞かない! そのような状態を米国が看過できるはずがないのです! 韓国を通じた無限の半導体供給を中国に与えては、やがてファーウェイはじめ中国企業は更に強大になり米国は通信覇権を中国に完全に奪われるでしょう。米中の争いはもはやお互いを倒すところまでいかないと収まらない、<勝つか、負けるか>の戦いになりつつあるのです。日本は米国側につくしかありません。そしてその日本はまず、半導体の覇を握っている韓国を潰しにいくのです。もちろん決して表には出せない<米国の強い意向>を受けてです。
 またこの本では北朝鮮を巡る動向も詳しく解説しました。北朝鮮に<米軍基地ができる>というとんでもない情報があります。詳細に調べていくとありえない話でないことがわかります。本書全体を読みきれば、読者も「なるほど」とその可能性を感じ取れるでしょう。
 さらに日韓の関係悪化の元となっていると思われる、米国と中国の対立、並びにファーウェイを巡る最新情報もくまなく解説しています。対立激化という意味ではイラン情勢にも言及しています。
 もちろん、株式市場、債券市場、為替市場、金相場、など市場動向についても最後の章で、たっぷり解説しました。またこの段階でどんな投資をすればいいか、具体的な銘柄は何か!! そして投資の心構えまでも解説しました。混乱はますます激化していきます、どうぞ、この本を手にとって先行き不透明な時代を乗り切ってください。

※今回のコラムは、9月中旬にビジネス社より出版予定の新刊『アメリカが韓国経済をぶっ壊す!』(仮題)の前書きになります。

19/12

オリンピックイヤー

19/11

欧州に忍び寄る危機

19/10

ペンス演説

19/09

先進国社会の病理

19/08

新刊『アメリカが韓国経済をぶっ壊す!』(仮題)まえがき

19/07

ここまできた顔認証技術

19/06

動き出した金相場

19/05

ドローンの脅威

19/04

株式投資に目を向けよう

19/03

現代金融理論(MMT)

19/02

米国を襲う<反資本主義>の波

19/01

ユヴァル・ハラリ氏の警告


バックナンバー


暴走する日銀相場『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)に引き続き、『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)が2009年5月に発売。その後 家族で読めるファミリーブックシリーズ『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)が同年5月30日に発売。さらに2009年11月には、船井幸雄と朝倉氏の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)が発売され、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を、2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』 (徳間書店)を発売、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』を発売、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。

★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
★(株)ASK1: http://www.ask1-jp.com/

Profile:朝倉 慶(あさくら けい)

K朝倉慶経済アナリスト。 株式会社アセットマネジメントあさくら 代表取締役。 舩井幸雄が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、その見解を舩井幸雄にレポートで送り続けてきた。 実際、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。 著書『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)がアマゾンランキング第4位を記録し、2009年5月には新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)および『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)を発売。2009年11月に舩井幸雄との初の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を発売。2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』(徳間書店)を、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。

★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
★(株)ASK1: http://www.ask1-jp.com/

数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note