“超プロ”K氏の金融講座

このページは、舩井幸雄が当サイトの『舩井幸雄のいま知らせたいこと』ページや自著で、立て続けに紹介していた経済アナリスト・K氏こと
朝倉 慶氏によるコラムページです。朝倉氏の著書はベストセラーにもなっています。

2021.09
新刊『株高、資源高に向かう 世界経済入門』まえがき

※今回のコラムは、9月24日にビジネス社より出版の新刊『株高・資源高に向かう世界経済入門 株がバブルというウソ』のまえがきになります。(※一部、編集箇所あり)

「命を守る行動を取ってください」
 アナウンサーの声が日本中に響き渡ります。もはや年中行事となった集中豪雨ですが、梅雨や台風の時期でなく、夏休み中のお盆の時期にも発生するようになってきました。世界を見渡すと混乱ばかりです。異常気象、収まらないコロナの渦、格差の拡大、そして国家間の対立も激化しています。中国は各種規制を強化、中国のIT企業は軒並み株価が大暴落中です。一方、米国をはじめとする世界の株価は天井知らずで上げ続けています。

「一体世界はどうなっていくのだろう」
 誰もが先が見えず、不安感ばかり広がっています。かように先が全く見えない時代があったでしょうか? 人々は不安におののいています。
 一連の流れ、異常気象、コロナの波、格差の拡大、米中の激しい対立、そして株価の高騰、これら一つ一つは別の話なのですが、どうも繋がっているような気がします。これらの現象はどの現象も収まることなく、加速していくように感じるのです。異常気象を引き起こしているのは人類であり、本来、世界が結束して脱炭素を一気に進める必要があります。しかしながらエネルギーの転換は一夜で達成できるものではありません。結果、世界を見渡すと、脱炭素の流れは一向に進まないのです。石炭、石油、天然ガスなど化石燃料の需要は高まるばかりで、価格は高騰中です。こうなってはCO2はますます排出され、異常気象は更に激しくなっていきそうです。
 コロナの波は一旦収まるかもしれませんが、今度は次にどんな疫病が襲ってくるか身構える必要がありそうです。テレワーク、オンライン会議、コロナの波から生じてきた新しい流れは更に発展していくでしょう。この新しい流れに乗って収入が増えた人、仕事を失って取り残される人、コントラストが鮮明になってきます。格差の広がりは止まることがなく、その拡大はやがて許容できない水準にまで至りそうです。国際情勢も気を抜けません。米中は激しい覇権争いに突入しています。中国は妥協することを拒否、我が道を進み始めています。これでは米中の対立は今後一触即発となっていくことでしょう。かようにあらゆることに不透明感が増す中、多くの人はやがて株価が暴落すると感じているようです。
 ところがどっこい、株価は天井知らずで上がり続けそうです。コロナが収まった瞬間から日本株も唸りを上げて上昇していくでしょう。とにかく日本株は安い、配当は高い、ゼロ金利の中、資産運用における株式投資の優位性はますます際立ってくるのです。
 現在、どこの国の政府も膨大な資金を必要としています。ところがどこにもまとまった財源がありません。結果、どの政府も輪転機を回して紙幣を印刷し続けるしかありません。とにかくあらゆる意味で資金が必要なのです。
 自分の国、昨今の状況、身の回りをもう一度見つめ直してください。災害対策費、コロナ対策費、社会保障費、防衛費、どの政府も止めどもなく湯水のような資金需要があり、それに答えなくてはなりません。それはどの国も一緒です。そして政府は人気取りのため、再び国民に現金給付を行うかもしれません。こんなことをほぼ永遠に続けなければならない状況なのですから、マネーの価値が減価していくのは当たり前でしょう。膨大に膨らんだ日本の国家の借金が普通に返せると思っている人はいないでしょう。政府は常にインフレを引き起こすことで借金を帳消しにしてきました。
 この本『株高・資源高に向かう世界経済入門 株がバブルというウソ』では幾つかの問題を詳細に分析してきました。
 一つは、日本の変わらないデフレ体質です。かつて高度成長時代、インフレ体質だった日本がなぜ現在の酷いデフレ傾向となっていったのか、賃金が上がって物価が上がってきた時代と、バブル崩壊を経て現在のように賃金が上がらず物価が上がらない現実を対比、検証してみました。
 次に危うい中国の動きを詳細に書きました。今後、習近平政権がどのように動いていくのか、中国の持つ野心と米国との宿命的な対立に至る過程を中国の歴史を紐といてじっくり解説してきました。なぜ今、習近平政権が内向きな政策を行うのか、中国共産党は何を目指しているのか、なぜ自国のIT企業にこれほど厳しく当たるのか、その訳がはっきり見えてくると思います。そして米中の関係がますます危険水域に向かっている現実を認識することでしょう。

 更に地球環境の問題です。昨今の異常気象をみれば、世界は一致協力して早急にCO2の大幅削減に着手する必要があることは明らかです。ところが現実は全く逆方向に進んでいます。CO2削減は全く進んでいないし、今後も進まないでしょう。これはなぜなのか、脱炭素を巡る世界の現実とその動きをあざ笑うような資源価格の高騰という皮肉な実態模様について詳細に書き綴りました。今後、石油や石炭、天然ガス、そして銅やアルミ、ニッケルなどとんでもない価格に発展して行く危険性を感じることができるでしょう。
 そして最後は株価の先行きです。株式市場は世界的にも未曾有の大相場に向かっていくでしょう。世間には現在の株価はバブルだの声が広がっています。これらは完全な的外れな見方で、本当のバブルを知らない人たちの考えです。一体過去のバブルとは何だったのか、この本を読めばバブルを作り出した黒幕がはっきり見えてくるでしょう。そして今、いかに株にお金が殺到する条件が整っているか、株式市場の怒涛の上げが迫っているか知ることでしょう。
 そして今回の本では個別株についてじっくり解説しました。朝倉の基本的な銘柄選別の手法や銘柄に狙いをつけるところのポイントがはっきりわかると思います。株価を見る目や注目するポイントは各々違います。朝倉は独特の嗅覚で銘柄を発掘するわけですが、その手法や考え方の一端もわかってもらえると思います。
 安定して穏やかだった時代は終了しました。真の激動の時代がこれからやってきます。現在起こっている多くの混乱はその序章に過ぎません。今後、あらゆるものが想像を超える事態となってわれわれに迫ってくるのです。見るもの、聞くもの、体験するもの、すべて驚愕の事象が襲ってくるでしょう。これからは国も個人も生き残りを賭けた時代となっていきます。変化点での様々な選択がその人の人生を変えていきます。今起こっているすべての事象を甘く見ない方がいいと思います。この本を手に取った人は時代を作る人となっていくと確信しています。

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暴走する日銀相場『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)に引き続き、『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)が2009年5月に発売。その後 家族で読めるファミリーブックシリーズ『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)が同年5月30日に発売。さらに2009年11月には、船井幸雄と朝倉氏の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)が発売され、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を、2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』 (徳間書店)を発売、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』を発売、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。

★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
★(株)ASK1: http://www.ask1-jp.com/

Profile:朝倉 慶(あさくら けい)

K朝倉慶経済アナリスト。 株式会社アセットマネジメントあさくら 代表取締役。 舩井幸雄が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、その見解を舩井幸雄にレポートで送り続けてきた。 実際、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。 著書『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)がアマゾンランキング第4位を記録し、2009年5月には新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)および『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)を発売。2009年11月に舩井幸雄との初の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を発売。2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』(徳間書店)を、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。

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