中村陽子の都会にいても自給自足生活
このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。
いまこそ文科省にお願いしましょう!
日本には食養生の考え方があるので、病気を食べもので治すという歴史があります。貝原益軒、石塚左玄、桜沢如一の教えは今も引き継がれています。
食糧生産の農業の方でも、自然界に人間が手を加えるほど真の生産性が悪くなること、「無為自然」を唱えた福岡正信さんの著書「わら一本の革命」(春秋社)は一斉を風靡しました。日本は有機農業面積は狭いですが、哲学や技術において有機農業の先進国です。
これらを精神基盤に持つ先人たちが最初に体の異変を感じたのは1950年代、戦後登場した化学肥料と農薬を使う近代農法を取り入れた農家たちの健康障害を診療した柳瀬義亮医師です。彼は近代農法を死の農法と呼び、生命の農法を打ち立てました。有吉佐和子さんの「複合汚染」(新潮文庫)の主人公です。この小説は、1974年から朝日新聞に連載され、日本中で話題になりました。私の母も毎日熱心に読んで、食に気を付けるようになりました。その少し前、1970年ころから、子どもたちにアトピーという症状が出はじめました。原因は複合的にあると思います。微量元素を多く含む塩田の塩から、塩化ナトリウムの塩に変わったことや農薬、添加物なども一因、その後も原因は増えることはあっても減ることはありませんでした。
子どもの健康を考えた給食活動の第一期
「いただきます みそをつくるこどもたち」に登場する福岡の高取保育園の西福江園長は、1970年ころから始まった子どものアトピーに向き合い、保育園の給食を、玄米、みそ汁、納豆、無農薬野菜や魚や海藻、吟味した調味料に変えました。すると、毎年数人入園してくるアトピーの子どもたちの症状が1か月ほどで改善したり、全体に元気なのに落ち着いている子どもたちが育つことが分かりました。
この現象は、連絡も取り合っていないのに全国の保育園や幼稚園で同時多発的に見られます。同じころ、東京都武蔵野市の境南小学校では、山田征さんのグループが子どもに安全でおいしいものを食べさせたいと思い、栄養士さんや校長先生を巻き込んで「素性の分かる安全給食」を始めました。ここでも調味料はすぐ良いものに変えました。伊豆大島の塩、味噌、醤油、オイル(NONGMOでノルマルヘキサン抽出していない)などです。調味料は重要なポイントです。1980年代に入ると、今治市の地産地消から有機給食への挑戦がはじまりました。
有機給食を意識して始めた第2期
1970年代の第1期から40年余り、この間の食環境の悪化は著しく、学校給食の改善は自治体レベルではなく、時々現れる栄養士さんの個人的努力に頼っていました。5年ほど前、トップダウンで有機給食に取り組む自治体が現れました。
千葉県いすみ市です。いすみ市が100%有機米給食になったのをきっかけに、全国で有機給食を望む親御さんたちの活動が盛んになりました。2020年9月25日には、世田谷区の学校給食を有機無農薬食材にする会主催で、「子どもたちの給食を有機食材にする全国集会」が開催され全国で活動している保護者や農業者が集結しました。現在有機給食を実行している自治体は14市町村になります。
世界では、イタリアやフランスで有機食材導入50%以上になり、韓国では2021年既にソウル市の全小中高校で、有機給食が教育の一環と位置付けられ無償化されています。
今年から国が有機農業推進と学校給食を目標に挙げました
我が国も有機農業や有機農作物使用を推進する方向を出しており、2022年、農水省が「みどりの食料システム戦略」で有機農地面積を2050年までに25%、約100万ヘクタールに広げる目標を掲げ、そのために公共調達の出口の1つとして学校給食を挙げました。
また、2022年2月25日に環境省のグリーン購入法のなかで、有機農産物の調達が推薦され、金子農水大臣が、農水省の食堂に有機農産物を導入するとの記者会見もありました。
国立の小中高校への導入も推薦されています。https://www.maff.go.jp/j/douga/220225.html
なぜ「生命尊重食」という言葉を使うのかについて
表題に掲げた「生命尊重食」という言葉をなぜ使用するのかの説明をしますと、有機という言葉は、オーガニックという英語の翻訳であり、巷に溢れ、それが本来の生命を尊重するものであるという意味が薄れてしまっているからです。原点回帰の必要を感じ、「人間だけでない、すべての地球の生きものの命を尊重する食」という意味を持つ「生命尊重食」は、持続可能な地球での人間の在り方、SDGsやエシカル消費を満たすものになると思います。
ここからは本丸である文部科学省の出番です。
有機食材導入への環境は整ってきました。
今、これを成就させるのは文部科学省です。あとは子どもの健全育成と教育の機会均等の大義から、学校給食法に現在ある地産地消に加えて有機食材導入をお願いいしたいと思っています。学校給食は、各家庭の事情や状況を超えて全ての子どもたちに本当の栄養を持つ生命尊重食を届けることが出来ます。1日1回、年160回あまりの給食ですが、子どもの体温を上げ脳の発達も促す力があります。
戦後、飢えをしのぐために始まった学校給食。アメリカからの援助であり、余剰農産物の受け皿でもあり、食の欧米化を招いた大本でもあります。77年の間に米飯給食に移行する変化が1度ありましたが、今が学校給食に「生命尊重食」を導入する戦後最大の大転換の時ではないでしょうか!
実はすでに「学校給食に生命尊重食を導入する会」を作り、出来るだけ多くの給食活動をしている市民団体に名を連ねていただいて、文部科学大臣に請願書を出したいと考えています。賛同される方がいらっしゃいましたら、メダカのがっこう中村陽子までご連絡ください。連絡先:npomedaka@yahoo.co.jp
ここに農家や市民団体11が協力して開催する「オーガニック給食フォーラム」をご案内します。申し込みは下記からよろしくお願いします。
https://peatix.com/event/3140493
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過去年 | |
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。
1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。
長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/