中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

2022.04.20(第91回)
食品表示をさせない問題について考える

●無添加の表示が出来なくするのは、誰のため?
 消費者庁が、食品表示のガイドラインを改訂、無添加とか○○不使用とかを商品の表に書けなくなりました。消費者庁の挙げる理由は、無添加は健康に良いというイメージが独り歩きして消費者を誤認させるというもの。確かに商品を選ぶ時、2つ迷ったら無添加と書かれている方を選ぶ人は多いと思いますが、これを誤認というのはヘンです。
 確かに、着色料無添加と書いてあっても、表示を見ると発色剤は使用しているなど、確認する必要はありますが、一つでも添加物を減らした努力はアピールしてよいのではないでしょうか。企業によっては、消費者の要望に応えて、添加物を使わないような努力をしているところもあります。このように努力している企業と、全く考えていない企業の違いを、パッケージの表に書くことは当たり前だと思います。取り締まるべきは、嘘を書くこと、何を添加しなかったのかをハッキリ書くことを指導することではないでしょうか。
「消費者に誤認させる」と言いながら、実際には、消費者の選ぶ権利を奪っています。これにより懸念することは、本当に努力している企業が違いをアピールできずに価格の安いものに負けてしまうこと、またそこまで努力することを止めてしまうことです。
 これにより得をするのは、食べる人の健康などお構いなしに、良くない原料を添加物でごまかして安価な商品を作る企業ということになります。この改訂は、添加物を気にしないで使う企業を増やすためではないでしょうか? 消費者庁が実は企業庁と言われる所以です。

●2023年問題をご存じですか?
 日本はすでに、遺伝子組み換え表示は非常にゆるいです。どうゆるいかと言いますと、商品中にたんぱく質が含まれていないものは、遺伝子組み換えであっても記載しなくてもいいこと、また表示の第3番目以降の材料も遺伝子組み換えであっても記載しなくてもいいのです。ですから、記載の義務があるのは、味噌、豆腐、納豆くらいで、たんぱく質が残らない油、醤油などの義務はありません。また3番目以降の加工品、添加物は、ほとんど遺伝子組み換え作物で作られていますが、そのことは書かなくても良いのです。
 しかし、2023年4月からは、味噌、豆腐、納豆など、今まで遺伝子組み換えでないと表示できていた商品も表示ができなくなります。これが2023年問題です。

●ゲノム編集の表示義務なしの理由。
 2021年から登場したゲノム編集トマト、マダイ、トラフグなどのゲノム編集食品は、初めから表示義務はありません。
 理由は、@ゲノム編集は今のところ、その生物の遺伝子の一部を取り除いただけで、他の生物の遺伝子を入れていないので、組み換えではないということ、Aこういうことは自然界でも起こる突然変異と同じであること。Bゲノム編集されたものかどうか判別不可能であること、の3つです。
 この理由はすべて間違っていて論破している研究論文もたくさんあるのですが、ここでは省きます。仮に@とAを認めたとしても、Bの判別不可能だから表示できないという理由はおかしいです。ゲノム編集は人間の行為であり、研究者も製造者もすべての過程を知っているわけですから、どこをどうゲノム編集したかを記載することは出来ます。政府が調べるのは大変かもしれませんが、企業側が記載するのはあまりにも簡単です。
 ゲノム編集食品を摂取することで起きる問題は、編集過程で出来てしまう抗生物質耐性遺伝子が食品に残っている場合があり、私たちが抗生物質が効かない身体になることです。すでに毎年このことでの死亡者が増えています。いずれにしても、遺伝子が欠損した生物を食料とすることで、私たちの身体はもっとボロボロになるだろうと思います。

●世界のスーパーの棚が空っぽの写真は、何のため?
 これは遺伝子組み換えやゲノム編集で食料増産できるとアピールするためでないかと私は勘ぐっています。食べるものがなくなるという恐怖心を煽り、思った方向へ扇動するためではないでしょうか? 日本のスーパーの棚は商品がいっぱい並んでいるように見えますが、3.11の時のように、物流が停まれば、あっという間に空っぽになります。また、ほとんどすべての原材料に遺伝子組み換えが使用されていることを知って、表示を見て買い物をしようとすると、すでにスーパーの棚は私にとって空っぽに見えます。
 進むべきは、ゲノム編集ではなく、地産地消、日本を有機農業の国にすること、自分で食べるものを作れるようにすること、などです。

●日本は平和? だけど食料は戦場です。
 なぜこのようなことになるのかを考えている暇はありません。日本政府はアメリカに平和を守ってもらう代わりに、すべてを売り渡しているのです。その結果、国民の命の安全も売り渡してしまったので、食料市場は戦場となり、人の体を蝕むもので溢れてしまいました。私の野草料理の師匠、若杉ばあちゃんは、「食料は沈黙の兵器だ」とおっしゃいますが、今やちっとも大げさには聞こえません。

●OKシードプロジェクトが解決できます。
 もう、国は頼りにできません。時間の無駄です。自分の身は自分で守る。国民が賢くなって解決するしかありません。そこで民間から生まれたのがOKシードプロジェクトです。

 遺伝子組み換えでないもの、ゲノム編集でないもの、これら遺伝子操作作物から作られた添加物を使用していないもの、すべてにOKシードマークが貼れます。検査機関は持っていないので、自主表示ですが、これらを避ける努力をしている企業の方たちを世に知らしめる役に立ちます。2023年に間に合うように普及したいので、皆様どうぞご協力ください。

OKシードプロジェクトWebサイト: https://okseed.jp/
5/12「ゲノム編集」食品問題初心者 向けオンライン講座(無料):
 https://okseed.jp/news/entry-120.html
ゲノム編集に関するおすすめ動画『ちゃんと知りたいゲノム編集食品』:
 https://www.youtube.com/watch?v=BpsIuFnt4kE


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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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