中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

2022.09.20(第95回)
子どもたちのために立ち上がったカッコイイ首長さん紹介

 今私は10月26日に開催される全国オーガニック給食フォーラムの資料集造りをしています。その中の1ページに、「子どもたちのために立ち上がったカッコイイトップたち」があり、全国から21自治体の首長さんからオーガニック給食実現へのメッセージを頂いています。経済効率優先の流れを押しとどめ、子どもたちのために安全に生きていける食と農業と環境を残そうと思い切った政策を実行している個性的な首長さんがたくさん出てきています。地方自治体から日本が良くなっていくのが分かります。
 その中で、今回の実行委員長であるいすみ市の太田洋市長のメッセージに感動したので、今日はそれを紹介します。


 

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 次代を担う子どもたちには、なるべく体に良いものを食べさせたい。全ての大人たちに共通する願いです。
 有機農産物を生産する農家はどうでしょうか。安心・安全な農産物が子どもたちの健康に役立つのなら、こんなに嬉しいことはないはずです。
 いすみ市の有機米100%の学校給食は、このような純粋な想いからはじまりました。これには市民も議会も全く反対せず、今では、市民の大きな誇りになっています。

 ながらく私たちは、効率やコストを追い求める社会を築いてきました。これは子どもたちを取り巻く社会にとっても例外ではなく、学校給食や農業分野もまた同じです。現代において、先に述べた理想を現実のものとするのなら、これまで私たちが築いてきた慣例の厚い壁につきあたります。そのため、次世代に向けた責務を果たそうと想いをもった方々が中心となり、国も自治体も市民社会も一体となって、創意工夫のもと、優れた知見に学び、見えた課題を共有しながら、さらには諸外国にも大いに学び、決してあきらめることなくこれを進めていかなければなりません。この度、有志が一堂に会する「全国オーガニック給食フォーラム」は、まさに画期的、歴史的な機会です。

 現在、私たちが直面している課題は、喫緊の課題であると同時に、次代を見据えた課題であり、私たちが導き出す答えは持続可能性に資するものでなければなりません。その重要性を受け止め、決して先延ばしにせぬよう覚悟が必要です。どの道、楽な道は残されていません。国が定めた「みどりの食料システム戦略」は、農村、都市共生のもとにある我が国再興のチャンスと受け止めるべきです。そして、みどり戦略に謳われた「有機公共調達」とその太宗をなす「オーガニック給食」こそが、未来に希望をもたらす大きな鍵であります。諸外国の躍進がそのことを示唆しています。

 オーガニック給食が進むことで、いくつもの希望が見えてきます。第一に、これまで売り先がなかなか見つからず、有機農業に一歩踏み出せなかった人の背中を強く押すことになるでしょう。現代において、頑張る人のチャレンジを応援することが何よりも重要です。
 子どもたちは、どうでしょうか。これまでになく食材と食材の裏側にある農家や田畑、田畑に暮らす生きものに関心を寄せることになるでしょう。これは農業や農家が本来の評価を取り戻す大きなチャンスです。
 親たちはどう思うでしょうか。我が子を大事に扱う姿勢に総じて感心するに違いありません。そして、その関心もまた、子どもたちと同じく、食材や食材を生み出す人、大地に向かっていきます。家庭での食に対する改善も期待され、今までずっとスローガンで終わってきた地産地消にも本格的に取り組めるようになるでしょう。

 私たちが考える「より良き食」があるのなら、それこそ次代を担う子どもたち、みな平等に、しかも毎日のように提供できる、学校給食において実現させるべきです。私たちの社会のどこにも、学校給食以上に最適な機会はありません。労を惜しまず、手間暇かけて取り組む価値がここにあります。
 食べ物は人の体も、そして心も作ります。私たちは今、持続可能性という世界共通の極めて手強い課題に直面しています。これを乗り越えていく次世代を、持続可能性に富んだオーガニック食材で育てることが、私たち現代の大人たちに課せられた使命です。

 東京都中野区において、千人を超える大人たちが歴史的な第一歩を刻みます。この日を大成功させ、次々へとオーガニック給食の輪を全国に広げていきましょう。


全国オーガニック給食フォーラム実行委員会   
実行委員長 太田 洋(千葉県いすみ市長)


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 この首長さんたちが、今日本に2回目の有機の風を吹かしています。1970年代の1回目の有機の風のきっかけは何だったと思いますか? それは、母乳からBHC(※ベンゼンヘキサクロライドC6H6Cl6の略称。有機塩素系殺虫剤の一種)が検出されたことです。農協のトップだった一楽照雄さんが近代農法の間違いを猛反省して日本有機農業研究会を作ったのです。
 今だって、すべての日本人の尿からネオニコチノイドが検出されているし、母乳からも出ているのです。では、昔と今の違いは何でしょう。母乳の事件は日本中のマスコミが書きたてましたが、今すべての日本人の尿からネオニコチノイドが検出されていてもマスコミは書きません。
 それと昔の日本人は今より健全な精神を持っていたので、一大事と受け取れたのですが、今は恐ろしい事実に麻痺して日常に埋没してしまいます。今母と子のために立ち上がった首長さんたちは、政治家として最も重要な仕事をされているので、どんなに大変でも喜びに満ちたお顔をされています。太田市長と一緒にこの風を日本中に吹かせましょう。みんなで参加してください。
 https://organicschoollunchforum-1026.peatix.com

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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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