船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
生と死=この世とあの世
2013.4.12(Fri)
社名:(株)船井メディア セミナー事業部
名前:高島 敏子

著書『「あの世」と「この世」をつなぐお別れの作法』 矢作直樹

『よく生きよく笑いよき死と出会う』アルフォンス・デーケン

 私が「死生学」に興味を持ち始めたきっかけとなったのは、以前このコーナーで書かせていただいた、医学博士、精神科医であり、ターミナルケア(終末期医療)サナトロジー(死の科学)のパイオニアのエリザベス・キューブラー・ロス氏と、そしてもうひとりは、ドイツオルデンブルク生まれのイエズス会の司祭者であり、哲学者、そして「死生学」専門の上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン先生です。

 今は亡きエリザベス・キューブラー・ロス氏は、私財を投じて死に向う患者のための施設を開設し、精力的に活動を行い、その活動は現在においてのホスピスにつながるという大変大きな貢献をされた方です。

 そしてアルフォンス・デーケン先生は、10年ほど前に直接お会いしたことがあるのですが、ユーモアたっぷり、あたたかいお人柄で多くの方が慕っていらっしゃいます。
 また、「東京 生と死を考える会」の名誉会長を務めていらっしゃいます。
 デーケン先生は、
「死を見つめることは、自分にいただいたいのちを、最後までどう大切に生き抜くか、愛する人を喪った悲しみからいかに立ち直るかなど、自分の生き方を絶えず問い直し、行動していくことと考えます。」

 とおっしゃるデーケン先生は、何故「死生学」の専門になったのでしょうか?

 8歳の時(8人兄弟の3番目)、4歳だった妹のパウラが白血病で死にゆくのを家族とともに看取ります。ご両親が「病院で死を迎えさせるより、生まれ育った家に戻って、みんなで最期まで介護しよう」と決断し、子どもたちにも介護に参加させ、死別への心の準備を教えたそうです。この時の介護体験が「死と生」という大きなテーマに向かわせたといいます。 

 また、第二次世界大戦中に、父親は生粋のドイツ人でありながら、ナチスの人種差別と障害者抹殺に反対し、密かに反ナチ運動に身を投じていて、ナチスを告発する文書をタイプで増刷するのを子どもながらに手伝った経験、連合軍の空襲で、弾丸が右耳をかすめ、さらに次の弾丸が心臓からほんの数センチ脇の土にのめりこむという、生死を分けるご経験をされています。

 そして決定的だったのは、ドイツの降伏時、反ナチ運動に加わっていたのに、最後には連合軍に裏切られ、眼前で祖父を連合軍の兵士に射殺されるという経験が、深い悲しみから立ち直るためのケアを確立されていくことになるのです。

 デーケン先生が来日した当時は、まだ日本では「死」はタブーという時代でした。
 1975年、上智大学で「死の哲学」を教えたいというアイデアを出された時も、多くの教授たちから「そんな授業に学生が集まるわけない、やめた方がいい、日本のことをもう少し勉強した方がいい」と言われ、かなりの批判を浴びたそうです。
 またその頃の日本の病院の多くが「ガン告知」をしないという姿勢をとっていました。
 デーケン先生は、それは患者にとってとても不幸なことだとおっしゃいます。
 人間らしく死を迎えるためには、苦しくとも真実を知ることが望ましい、残された時間をその人らしく創造的に過ごすことができる、そういう意味で「死への準備教育」の大きなテーマとして、「ガン告知」「末期患者とのよりよいコミュニケーション」を強調するのだと。医師は真実を土台として、患者とのコミュニケーションをもっともっと大切にするべきだとおっしゃいます。

 そして最近、医師でありながら「最期をどう迎えたいか(死にたいか)、を決めることは、人生を最期までどう生きるかを決めることなのです」とはっきりとご著書の中で述べられている、東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授、医学部付属病院救急部・集中治療部部長の矢作直樹先生のことを知り、早速『「あの世」と「この世」をつなぐ お別れの作法』(ダイヤモンド社)を読ませていただきました。

 ひとりの医師として、救急・集中治療の現場を経験されることで、大勢の方が逝く場面に立ち会い、人間の生と死を通し生命の神秘にふれ、医学常識では説明がつかないことを経験された医師の方が、はっきりと「あの世」と「この世」のことを説明されています。

 「私は医師として、大勢の死の場面に立ち会ってきましたが、今まさにこの世にお別れを告げようとしている人は、まるで何かを見つけたような、ちょっと驚いたような表情に変化する方が少なからずいらっしゃいました。
 何かを見て、顔をほころばせたように思えた方もいらっしゃいます。
 そんな表情を長年目にしていくうちに、死が幸福であるとは言わないまでも、死ぬことが一概に不幸なことだとは思わなくなりました。」

 「私が携わってきた救命救急という部署には、交通事故や脳出血で突然倒れた人などが大勢運ばれてきます。そのすべてが、ほんの少し前まで普通に生活していた方々です。それが数秒後には尋常でなくなり、数十分後、数時間後にはストレッチャーに乗せられてICUに運ばれます。この時点でもう重症です。家族や友人はうろたえ、どうしたらいいのか、とにかく助けてほしいと医療スタッフに訴えますが、残念ながら手遅れの方々も大勢いらっしゃるというのが救急現場の日常です。そんな姿を見るにつけ、私は人間は皆、常に死と隣り合わせで生きている、という事実を思い知らされます。」

 「死は門出です。この世を卒業しあの世へ還る、里帰りです。看取るとは、人生、どうもお疲れさま、と声をかけて、亡くなった方に首(こうべ)を垂れる行事であると同時に、旅立った方を祝う儀式でもあるのです。」

-『「あの世」と「この世」をつなぐ お別れの作法』矢作直樹(ダイヤモンド社)より抜粋-

 私は遥か昔、バリ島のウブドという村が好きで度々訪れていたのですが、その時に祭りの行列に出会ったことがあります。
 しかしその華やかな行列が、「葬式」と知った時の晴れやかなショック(笑)。
 暗く悲しいという視点は、この世だけからの視点なのかもしれない、と感じました。

 そして今、父と母の死を経験し、その時のホスピスとの出会いをとおし、「死生学」を様々な角度から学んでみたいと素直に思っており、今後、アルフォンス・デーケン先生、矢作直樹先生など、多くの「死生学」に基づいた素晴らしい先生方の講演会の企画にもチャレンジしたいとワクワクする日々を送っております。


1周目:「鈴木俊輔著 『ことだまの科学』」
2周目:「オリア・マウンテン・ドリーマーの詩『誘い』」
3周目:「地震予知は動物から学ぶべし」
4周目:「3.11のシンクロ vol.2」
5周目:「私は手技主義」
6周目:「ゲリー・ボーネル氏の「光の12日間」」 
7周目:「魂のイヤシロチツアー 京都編」
8周目:「アメノウズメは宇宙の中枢」
9周目:「絶対なる善 飯島秀行という人物」 
10周目:「大好きなジェームズ・アレン」
11周目:「ホピの預言が示す道」
12周目:「アカシックから届いたファイナルアンサー」
13周目:「エッセネ派とアーミッシュと縄文人」
14周目:「森羅万象 新しい年を迎えて」
15周目:「最高の自分 無限の自己 JOY −天照大御神(日本の神様カードより)」

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