中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

メダカのがっこうには、以下のような3つの宣言があります。

1.私たちは、田んぼから瑞穂(みずほ)の国日本の自然再生をします。
2.私たちは、お米中心の一汁一菜の食事で日本人の心身を健康にし、食料自給力をつけます。
3.私たちは、命を大切にする農家と手をつなぎ、生きる環境と安全な食料に困らない日本を次世代に残せるような先祖になります。


このコラムでは、「メダカのがっこう」での活動内容や、様々な経緯で「メダカのがっこう」に参加された方々のご紹介や、健康のための大切な情報などをお届けしていきます。

2020.09.20(第72回)
有機給食全国集会のご報告

 当初3月9日に予定されていた有機給食の全国集会ですが、コロナで延期になり、昨日9月25日に実施されました。しかしこの間、この有機給食に注目する人たちは増えており、3月時点では300名定員でキャンセル待ちだった参加状況は、9月時点ではメイン会場160名(コロナ禍での満席)とZOOM参加600名という規模になり、海外も含め全国からのライブ映像での発表者もあり、より充実しました。

 また開催3日前の9月22日に日本農業新聞に、「農水省が、有機農産物を学校給食に導入するための支援を始めた。販路の確保が狙い。有機農業を推進する予算も前年比5割上回る規模になり、その新たな販売先として、学校給食を位置づけた。」といううれしい記事が載り、まさに追い風、タイミングぴったりの開催になりました。

 このイベントの正式名は、「世界中に広がるオーガニックの波 子どもたちの給食を有機食材にする全国集会〜世田谷から考えよう学校給食〜」ということで、世田谷区長の保坂展人氏から所得制限はあるものの世田谷区では給食の無償化をすでに実施していること、さらに有機給食を推進する考えがあることなど、挨拶がありました。

 第一部は有機給食の各方面からの講演で、堤未果さんは「アメリカの給食ビジネスと狙われる日本の子どもたち」、いすみ市の鮫田晋さんから「有機米100%を実現した学校給食」、民間稲作研究所の稲葉光國先生からは「こうすればできる!持続可能な有機食材の供給」と題しいすみ市の有機給食を可能にした有機稲作技術のお話、有機栽培を大学の必須科目にしている澤登早苗先生からは、「人を育てる有機園芸」のお話がありました。

 その中で、印象的だったのは、堤未果さんのアメリカの食品業界の考え方です。
 アメリカは軍事では世界を従わせることはできないので、食で支配することを考えています。それには子どもの舌に化学的な濃い味を覚えさせることで長い期間マーケットが獲得できると考え、給食をターゲットにしたそうです。しかし、アメリカのママたちが子どもたちのアレルギーや自閉症などの心身の異常に気が付き、数年間でスーパーマーケットの内容をオーガニックとNONGMOに変えてしまいました。しかし彼らは危ない食品を反省したり商品の内容を変えることは考えず、このままでも売れる市場として、これらの情報統制ができている日本をターゲットにしました。彼らが1年で使う広告宣伝費は1800億円、今では親の目も届かない子どものスマホに広告を出すことで子どもを洗脳しています。このままでは日本の子どもたちが危ないということで、日本のママたちも少しずつ頑張り始めていますが、現状を変えるまで頑張らないと回避できないことが、再確認できました。

 講演の後は農水省横地課長、環境省の中島恵理室長、武蔵野市の給食財団高木完治栄養士、フードフォーチルドレンで食で子どもたちをどんどん変えている前島由美代表、恵泉女学院大学の澤登早苗先生のパネルディスカッションがありました。

 環境省の中島恵理さんから「地域循環共生圏」という素敵な言葉が出ました。これは、食料も経済も土や水もその土地で生まれたものを循環させていくこと、少し広げて日本の国内で都市部の消費者のニーズがあれば地方の有機農業も伸びることで良い形なのですが、本気でやるなら、日本の食糧輸入主義を変えないと無理だと思いました。日本はカロリーの6割を輸入に頼っており、窒素分一つを考えても、世界中の食糧が日本に集中し、それが日本の大地や川を富栄養化し、循環できない量の窒素分です。日本に地域循環共生圏を実現するには、輸入を減らし国産のもので生きていける状態を作らなければなりません。今の日本の政治がこの素晴らしい「地域循環共生圏」の方向を向いていないことを残念に思います。

 農水省の横地課長は、地球上の耕地面積や真水の希少性から話を始められ、有機農家を食べて支えるようにと締められました。しかし、ここ20年この活動をしてきたメダカのがっこうとしては、それだけではとても農業の衰退を食い止められないことを実感しています。そんな希少な農地を国土の隅々まで耕してくれている小規模農家には、国土保全費として国が所得補償をすることが必要です。お帰りになる時にこの意見を申し上げましたら、それは無理なので環境支払いなど他の制度を利用するように言われました。
 世界の先進国が食糧安全保障や国土保全の重要性から実際に作業をしている農家の所得を9割も補償しているのに、日本は2割から3割の実態です。農水省が所得補償を考えていないことに落胆しました。山がちの日本の農耕地の希少性や放棄地の増加、国土保全の多面的機能などを本当には理解していない、スマートな机上の方だという印象を受けました。

 武蔵野市の高木さんやフードフォーチルドレンの前島さんのお話は現場のお話で、成果を出されていて本当に素晴らしいものでした。

 第二部はすでに活動していらっしゃる方たちの各地からの発表で、とても良い情報交換の場になりました。自然栽培の農協を作る話、リンゴの木村さんのZOOM出演、木更津、台湾の取り組み、学校給食のパンの残留グリホサート、愛知県東郷町、石川県JA羽咋、熊本県山都町、熊本や広島のママたちの活動報告などなど・・・・とても参考になりました。
 最後に、今日集まった方たちが今後ネットワークを作り、つながって行こうという提案がされました。

 これから私は有機給食のサポートセンター的な働きをしようと考えています。有機食材は特別な食糧ではありません。化学物質を使わない健康な土から取れる当たり前の作物を食べれば、子どもたちは元気に育ちます。アレルギーも発達障害もぐんと減ります。この活動に関心のある方は、どうぞメダカのがっこうまでご連絡ください。私がこの運動に繋げます。

 最後に、今回の会場となった八芳園ですが、オーガニックのお弁当を出してくださいました。八芳園の方のお話によると、お客様にアレルギーで食べられない食材が年を追うごとに増え、必要に迫られて食の勉強をしているうちに、オーガニックの大切さに行きついたそうです。塩や調味料にも気を付けておられ、体に負担がかからないお食事を提供されています。
 愛があれば行きつく先はオーガニックなのだと感激しました。感謝します。


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20/09

有機給食全国集会のご報告

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人も自然も健康を取り戻すのはとても簡単です。

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不調の原因が一つ明らかになりました。小麦とパンを変えましょう!

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今年も醤油を搾って、来年のもろみを仕込みました。

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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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