娘からみた“真(芯)”の船井幸雄

このページは、船井幸雄の実の娘で現在、本物研究所社長の佐野浩一の妻の佐野ゆかりさんによるコラムページです。実の娘だからこそ知っている、家庭での船井幸雄の姿を中心に、過去も振り返り、家族間の様々なエピソードも交えながら本音で語っていただきます。
娘の視点から、“真”の船井幸雄を語っていただき、より深い、船井幸雄の“芯”に迫っていきます。

2013.03.05(第14回)
父と名刺

 父の本に、よく「即時処理」という言葉が出てきます。何か案件があると、すぐに処理、対処することを心がける……ということは、すなわち、父は効率よく動くことが好きで、無駄なことは嫌いなのです。今から思えば、とにかく、父が時間の無駄遣いをしているところは、子どものころから見たことがないように思います。
 仕事が終わって家に帰ってきたら、先に座り込んでしまって、ほっと一服する……テレビを見たり、お茶を飲んだり(時間によってはお酒を飲んで)、くつろいだり……と私ならそうなってしまいがちなところですが、父は違いました。
 まず、帰ってきたらスーツを脱いで、書斎で早速机に向かっています。何をしているのかとのぞいてみると、「行動表」と書かれた書類を出して細々とした字で何かをびっしりと書きこんでいました。行動表とはその日の朝から時間を追いながら、仕事の内容、会った人を書いていく紙で、大抵、その横にはその日交換した名刺の束が積まれていました。日によって違うでしょうが、だいたい1〜2センチの高さはあったように思います。
 あるときは、「おい〜お父さんは今日はこれだけの人と名刺交換したんだぞ……」と3センチを超えるくらいの束を見せてくれたこともありました。たくさんの方とどんな用事で会って、どんな内容の仕事の話をしたのかを、忘れないうちに書いておかなくてはならない……家に帰って行動表を書き終わるまでは、父のその日の仕事は続いていたことがわかります。それが終わって、やっとほっとしてお風呂に入って、晩酌をしてくつろぐ……。
 今から思えば、即時処理、効率よく、無駄をなくす……これは、こんな風にたくさんの人に会い、仕事の話をしてきた父にとって必要だからこそ身についた習慣なのかもしれないなあと思います。
 今から20年ほど前、母も父と一緒に夫婦同伴の会合や海外での仕事の付き添いに一緒に出かけたり、父の個人会社の役員になって外に出ることもたまにあったそうです。
 そのときに、父に「名刺の交換ができるように、自分の名刺を作ったらどうだ?」といわれ、そういえば、名刺をよく頂くのに、自分のはなくて、不便なこともあるなあと思いあたって、生まれて初めて名刺を作ってもらったそうです。でも、肩書きがない名刺はなんだか寂しいような気がしたそうで、父に「どうしようかしら?」と相談したそうです。すると、父はにやっと笑って「船井幸雄取締役って言うのはどうや……」と言ったそうです。「それは、最強の肩書ねえ〜」とふたりでひとしきり笑ったそうです。実際、どんな名刺になったのかは知りませんが、母は「でも、いざ作ってもなんだか恥ずかしくてね……ほとんど渡せなかったわ」と笑っていました。
 父の交換した名刺は次の日には秘書の方にお渡しして会社で保管していてもらったそうです。今までいただいた名刺を全部積み上げてみたら、どれくらいの高さになるのかなあ……天井をはるかに超えるかなあ……そんなことを考えながら、改めて父のすごさを実感しました。


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Profile:佐野 ゆかり(さの ゆかり)
佐野 ゆかり(さの ゆかり)
ゴンちゃん(前・♀)と我が家のニュー
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船井幸雄の娘で現在は本物研究所社長の佐野浩一の妻。
17歳男子、15歳女子、5歳男子の年の離れた子どもたちや両方の親、そして、ペットの犬やウサギに囲まれて自然あふれる熱海生活を満喫中。元幼稚園教諭。そして元保育士。
現在は家事の傍ら、将来に向けて勉強中。仕事柄、小さな子どもが大好きです!!
著書に『船井家の子育て法』(徳間書店)、『神様、ママを見つけたよ!』(グラフ社)、『もっといいことが起こる今日のヒント』(海竜社)がある。

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