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エチオピア北部の街ラリベラにて。
同時刻の月(左)と日の出(太陽・右)

船井勝仁の直感のすすめ

このページは、(株)船井本社社長の船井勝仁によるコラムページです。
船井勝仁は「これからは、これまで私たちを縛りながらもある意味、守ってくれていた過去の“常識”はもう通用しなくなり、各々が、自分で考えて、意思決定し、自己責任で行動しなければならない時代になる」と考えています。

そしてそのような時代に、すべての人に一番求められるのが“直感力”だと考えています。
このコラムは、2013年3月に(株)船井本社に入社したばかりの、目に見えない世界のことなど全く知らない30代前半のステキな独身男性・Kくんに、“直感力”を分りやすく説明する形で展開していきます。

2013.08.15(第10回)
プチ隠遁生活を楽しむ

 インドにパンチャカルマを受けるために来ています。パンチャカルマはアユルヴェーダというインド伝統療法の毒素排泄治療のことで、下剤を飲んだり、浣腸をしたりして日常生活で溜め込んだ毒素を排泄していきます。理想は2週間の治療を受けるのがいいそうですが、さすがにそんなに時間は取れないので今回は1週間のコースを受けています。それでも、移動や前後にあまり大きな負担をかけると何のために治療に来たかわからなくなりますので、全部で11日間のコースになってしまいました。
 そして、他のツアーのメンバーはリシケシという聖地(TM(超越瞑想法)を世界に広めたマハリシ・マヘッシュ・ヨーギのアシュラムが昔あり、ビートルズのメンバーがしばらくここに滞在していたことで有名になった町)にあるホテルに滞在して毎日クリニックに通って治療を受けていますが、私はリシケシ郊外の車が入れない山の中にある村にドクターが1年前に作った小さな家に滞在させてもらって、そこで特別にとても静かな生活を送りながら治療を受けさせてもらっています。

 この小さなティタリハウス(蝶の家という意味)には、私の世話をしてくれる23歳の男の子と二人で滞在していますが、毎朝6時にドクターが往診に来てくれてその日の様子を聞いてくれて、ヨガも教えてくれます。また、9時にはセラピストがやって来て、マッサージやいろいろな処方(最後の日には究極の毒出しである浣腸もします)を実施してくれます。とても贅沢なコースですが、本当の静寂を味わえることが楽しみで、そして何かとても大事なモノを得られる予感がしてこのコースを選びました。
 ここには、テレビやラジオはなく、新聞も届きませんので下界で何が起こっているのかは全くわかりません。私はセラピストが運転するバイクに乗って連れてきてもらいましたが、村人の多くは歩いて町まで通っているようです。電気はもちろんありますが、一日に何度も停電します。幸い、スマホに懐中電灯のアプリをダウンロードしていたので、それがとても役に立っている、そんなプチ隠遁生活を楽しんでいます。
 日の出とともに起きだして、日没と一緒に眠るような生活ですが、それでも有り余るほど時間があります。瞑想や読書三昧の毎日です。蚊取り線香を焚いてもほとんど効き目がなくハエや蚊には悩まされていますが、それ以外は何の問題もなく本当に静かで快適な日々を送っています。
 今回のプチ隠遁生活の目的は、少しでも自分の内面の本質を見つめることです。普段、なかなか読めない本を持ってきたのですが、いままで読んだ中で面白かったのは小室直樹著『痛快!憲法学』(集英社インターナショナル)とエヴァ・ピエラコス著『パスワーク』(ナチュラルスピリット)です。
 副島隆彦先生が師匠と慕っている故小室先生の本からは日本の憲法は実質的に死んでおり、その理由は日本には民主主義も資本主義も実は全然根付いていないことだということを教えてもらいました。
 そして、『パスワーク』はとても奥の深い本です。ここで、解説するようなところまではとても読み込めませんでしたが、今の私には、「自分の弱さをしっかりと見つめることの大切さ」と「それを直視し切ることで自分を昇華させていく」という部分がとても心に響きました。

 幸い、有り余る時間がありますので、じっくりと自分の弱さに着目して瞑想をしてみました。まず、最初に気がついたのは自分が女性に対して多くのコンプレックスを持っているという点です。もっと直接的な表現で言えば、性的なエネルギーをたくさん持っており、それがうまく解消されていないので、好意を持っている女性に対してうまく対応できないということです。
 実はこれがお酒を飲み過ぎる大きな原因になっていました。よく考えてみると、好意を抱いている女性と一緒にいる時によく飲み過ぎています。お酒で女性に対する割り切れない感情をごまかしていたようです。それが飲み過ぎの理由だとは思いもよらなかったのですが、以前からお酒を止めることができれば人生が変わるだろうなという直感がありました。そして、4月末からようやく禁酒できたというわけです。逆に言うと、禁酒ができたからこのコンプレックスを直視することができたようです。
 さらにもっと嫌な部分を深く見つめていくと、特に好意を持っている女性に対しては、性的な興味だけで彼女のことを見ているということに気がついてしまいました。そして、私があまりいい恋愛をして来なかった大きな原因がそこにあることにも気がついてしまったのです。もっと深く追求していくと、50歳を目前にしたいまでもその性的エネルギーはまだまだ強く、ホテルに一人で泊まった時などはついついアダルトビデオを見てしまったりすることがあり、私の人生にとって大きなマイナスになっていることが分かりました。
 この間違ったとまでは言いませんが不自然な性的な興味は女性に対してとても失礼なことをしていることになり、私自身に対してもとてもネガティブな影響を与えています。だから、いろいろな人生経験をいちいち克明に思い出すことにより、端的に言うと過去の恋愛経験を詳細になぞっていくことで、とても辛くはありましたが徹底的にクリーニングして行きました。
 そして、ネガティブな性的エネルギーをこれ以上は持たないで生きていけるのだという確信ができるまでクリーニングが進みました。そうすると、不思議なもので離婚した妻に対するとても深い愛情が湧いてきたのです。戸籍上は離婚していますが、実は2年以上子ども達も含めて一緒に暮らしています。そして、そろそろ籍を入れようかと話しているのですが、そんな妻に対して性的な魅力からではない心の底からの愛情が溢れて来ました。
 そうすると急に彼女の声が聞きたくなり、妻に電話を掛けていました。恥ずかしくて、そんな話はとてもできませんでした。でも、理由は明確には共有しませんでしたが、とても深い信頼を確認し合うことができました。自分の内面をクリーニングすることの大切さをお分かりいただけましたでしょうか。原稿を書き始めた時点ではここまで赤裸々に書くつもりはなかったのですが、クリーニングの大切さをぜひ分かっていただきたいと思って、インドにいる非日常も手伝って私のすなおな本音を共有させていただきました。

 内面のクリーニングを進めていくと直感力が使えるようになるという話をしたいのですが、インドのプチ隠遁生活でのクリーニングにはまだまだ続きがあります。大分、長くなりましたので次回の発信に回したいと思います。


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『未来から考える経営』
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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)、『失敗から学ぶ』(2012年7月海竜社) 、『未来から考える経営』(2012年10月 ザメディアジョン)などがある。
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★にんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/

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