写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2013.03.21(第82回)
「天律時代」の到来に向けて(最終回)

 2年3ヶ月に渡って書き続けてきました「天律時代」の到来に向けてというコラムも最終回になりました。次回からは新年度ということで月に2回のペースで新しいコラムをはじめることになりました。
 さて、天律と言う言葉ですが、2010年に出版させていただいた『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(徳間書店刊)という本の中で用いた言葉です。私にこの言葉を教えてくれたのはメキキの会会長の出口光さんです。当時の私は光さんの影響をかなり強く受けていました。大正から昭和初期にかけて日本の宗教界や思想界に大きな影響を与えた出口王仁三郎聖師の曾孫にあたる光さんですが、目にみえない世界を一般の方に分かりやすく説明する先駆者の一人です。
 神道の世界で言う「一霊四魂」という考え方を「四魂の窓」というわかり安い言葉に変えて、人間関係革命を成し遂げようとしていたり、能の言葉である「離見の見」と言う言葉を分かりやすく解説したりして目からウロコが落ちるように目に見えない世界のことが分かるようになりました。そして、「人間は他律で生きている人が多いがそれを自律で生きるようにしなければならない。そして、できれば天律で生きられればいうことはない」ということを教えていただいたのです。
 私はこれに歴史的な視点を入れて、明治維新後の日本は他律と自律の時代を40〜45年毎に繰り返していて、不思議なことに他律の時代に発展し、自律の時代に停滞する。いまは、自律の時代で停滞している時であり、この停滞はまだまだ10年以上続いて2025年ぐらいになることが予想され、そうなると今回の停滞の谷は、1945(昭和20)年の敗戦時の谷よりも深い、つまりそれよりも酷いことになることが予想される。そうならないためには、なるべく早く天律の時代を生きるようにならなければならないと書かせていただいたのです。

 日本が自律の時代に低迷するのは、リーダーの質が低いことが原因だと思うようになって来ました。福島の原発事故の対応や東日本大震災からの復興の様子を見ていて感じることは、日本は現場レベルではとても高いクオリティーを持っていますが、戦略を立案するトップエリートレベルになるとなぜか急にダメになります。他律の時代はこの戦略レベルを外国に頼ることができますが、自律の時代になるとこの責任が日本人のエリートの質に負うことになるので失敗をするのではないでしょうか。
 さらに、最近は考えが進んでこれからの天律の時代には人間が考える戦略はどんなに優れたエリートが考えた完璧な計画であっても所詮人間が作ったものであり、しかもこれまでの時代に通用した戦略に基づくものであるので、上手く行くわけが無いということです。だから、リーマンショックが起こったのだし、中国というエリートのレベルがあんなに高い国をもってしても、最近はその危うさが目立つようになってきたのではないかと感じるようになって来ました。
 それに比べて、日本は有難いことに自律の時代のリーダーの能力がたいしたことがないので、リーマンショックのような大きな問題が起きた時のショックの度合いが欧米や中国などの国に比べて軽く済んでいるような気がするのです。逆説的ですがレベルの低いリーダーのおかげで図らずとも天律に一番近いポジションにいるのだと思います。

 そう考えると、最近のアベノミクスの成功はもしかしたら危うい所に日本を導いていくきっかけになってしまうかもしれません。いまの安倍政権は明らかに以前の安倍政権と比べてもと言うか、安倍政権から始まって1年毎に総理が変わってしまったどの政権とも違い、もしかしたら長期政権になるのではないかと思えるほど、しっかりとした政策を推し進めています。でも、自律の考え方で乗り切れる時代はもう終わり、天律の考え方を導入しなければやっていけないことまではわかっていないのではと思います。
 でも、日本に久しぶりにまともな(?)政権ができたのも天律の働きだと考えると、ここで一気に日本を変えるチャンスがやってきているのかもしれません。多分、アベノミクスの政策は長期的な視点で見ると資本主義の終焉を早めるための効果をもたらすことになります。いままでは白川日銀前総裁の下で日本だけがなんとか金融秩序を守ってきたのですが、今度は日本が先頭に立って通貨の切り下げ競争に臨んで行くことになりました。日本の経済環境は好転しますが、やはり世界的に見ると大きな危機は近づいたのだろうと思います。
 安倍政権が脱資本主義の社会の到来まで見据えて政策をとってくれればこんなに有難いことはありませんが、やはりそれは無理なので、残念ですが一度ここで大きな精算が起こるのだと考えるべきでしょう。だから、これからはその大混乱をどう生き延びるかが大切になります。
 次回からは大混乱時のキーワードである「直感力」についてのコラムを書いて行きたいと思います。よろしくお願いします。


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『未来から考える経営』
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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)、『失敗から学ぶ』(2012年7月海竜社) 、『未来から考える経営』(2012年10月 ザメディアジョン)などがある。
『未来から考える経営』表紙画像
★にんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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