中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

メダカのがっこうには、以下のような3つの宣言があります。

1.私たちは、田んぼから瑞穂(みずほ)の国日本の自然再生をします。
2.私たちは、お米中心の一汁一菜の食事で日本人の心身を健康にし、食料自給力をつけます。
3.私たちは、命を大切にする農家と手をつなぎ、生きる環境と安全な食料に困らない日本を次世代に残せるような先祖になります。


このコラムでは、「メダカのがっこう」での活動内容や、様々な経緯で「メダカのがっこう」に参加された方々のご紹介や、健康のための大切な情報などをお届けしていきます。

2017.03.20(第30回)
野草の季節が始まりました。なぜ野草なのか。

 たくあん漬け、味噌造り、醤油搾り、醤油仕込みなどの寒の仕事が終わり、田んぼ仕事が始まりました。次は、野草摘みと野草料理、田植え、田の草ツアー、梅干づくり、オイルプロジェクトと目白押しです。毎年何かしら自給できるものを増やす、何かを作れる人になるというのは、始めてみると、とても楽しいものです。

 メダカのがっこうは命を頂く基本食として、お米と塩と梅干とたくあんと油を原料から無農薬無添加で作っていますが、次は、野草を知ることが重要です。どうして私たちが野草に注目するのかと言えば、それは今みんなが食べている野菜の99%以上が、命がないF1種や遺伝子組み換えの作物だからです。F1(エフワン)と言うのは、一代限りの交配種で、収穫した作物の種を蒔いても、ちゃんとした実がつかないのです。これは1960年代から広く栽培されるようになり、まず大豆やトウモロコシや小麦から始まりました。遺伝子組み換えなどが問題になる遥か前、40年以上昔から、じわじわと種類が増え、現在はほとんどの野菜がF1種です。F1種は、毎年種と化学肥料と農薬を買うように設計されています。無農薬の農業には向かない種です。

 何よりも問題なのは、命をつなげられるような種をつけない実や作物を私たちが食べているということです。ニンジンが体にいいとか、ゴボウがいいとかいう話しではなく、玄米菜食がいいという食養生の段階でもなく、野菜の実態が命のないものになっているのです。これではいくら1日30品目食べても、野菜を300g食べても、どんないい料理を作っても元気になれるはずがありません。
 それに引き換え、野草は自分で種をまいて、発芽時期をずらして、いろいろな気候変動に対応しながら命をつないで繁栄してきました。

 野草からいただくのは生命力です。まず元気になる。目覚めが良くなる。動くことが好きになる。気持ちが明るくなり、毎日が楽しくなって人が集まってくる。草はすごい根を持っていて硬くて重いコンクリートをめくり上げて生えてくるのですから恐れ入ります。野草を食べると打たれ強さをいただくのです。

 野生動物は、自分の命をつなぐ食べ物を忘れてしまった人間とは違って、命あるものと命のないものを見分ける力があります。倉庫の中に在来種とF1の種の両方を入れておくと、ネズミたちはF1の種には手をつけず、在来の種を見事に食い尽くすそうです。また、遺伝子組み換え飼料も倉庫のネズミは一切食べないそうです。
 空腹にしたアオダイショウの前に無精卵と有精卵の卵を置くと、いきなり有精卵を飲み込むのに、無性卵には見向きもしないそうです。彼らの本能には驚かされます。

 戦後私たちは、どんどん命のない食べ物ばかりになってしまいました。米を食べなくなり、塩が変わり、水が塩素入りの水道水になり、命のない食べ物ばかりになった結果、今までなかった病気がいくらでも増え、若者は生殖不能を起こし、女性には無月経や無排卵、不妊につながり、男性は精子の数が減り結婚できない状態になるのは、当然ではないでしょうか。

 もし、私たちに命あるものを見分ける野生の感性があったら、今の日本にはほとんど買えるものがなく、食べるものがないことがわかるでしょう。だから、メダカのがっこうは、生きていくのに必要な最低限の基本食糧と調味料を原材料から農家と力を合わせて、作っているのです。けもの道のような細い道ですが、すでに道はあるのですよ。

 それから、薬は草かんむりに楽と書きますが、草は身体を楽にしてくれます。野草の王様ヨモギの使い方を少しだけご紹介しましょう。まずヨモギはほぼ万能です。悪い虫に刺されても、ヨモギを手でもんで汁をつければ、後が残らずきれいに治ります。深い切り傷もヨモギを唾でぱっぱっともんでしっかり傷口に当て、手ぬぐいで巻いておけば治ります。これには日ごろお米を食べていることが大切です。お米を食べていると細胞が緻密になり繋がり易いのです。またヨモギや生姜の足湯は足から毒素を抜く働きがあります。痛風で足に肉食の毒がたまっている人は生姜を摩り下ろし、40度位の湯に入れて塩を一握り入れ30分くらい足湯をすると足の裏からどんどん毒が抜けていきます。またヨモギをカラカラに干しておいて、それを煮出し、塩を一握り入れて足湯をしてもスーッと抜けていきます。風邪を引いたときも良く効きます。肝臓が疲れているときもヨモギを刻みすり鉢ですって布に包んで背中からシップをすると楽になります。シップの後には、生姜油といって、生姜の絞り汁と胡麻油を手で練ったものを塗ります。この生姜油はブユに刺されたときにもよく効きます。
 ヨモギは農薬を撒かなければ、日本中の里山に生えます。日本の地面は薬屋なのです。

 野草は八百屋で売っていません。ネットでもお取り寄せできません。摘んで3日経つと魂が山に帰ってしまうからです。それに、農薬や化学肥料でまみれた農地には生えません。では野草を採るには、どうしたらいいのでしょう?

 野草を採ると言っても無断で人の土地に入るわけにはいきません。私たちが良い野草を安心して取りに行けるのも、長年農薬や化学肥料を使わずに田んぼや畑を造り続けていて下さる農家がいるからです。除草剤を撒いた畦には、稲科の雑草が繁茂します。メヒシバ、オヒシボ、エノコログサ、などです。柔らかい野草類は生えてきません。ですから、メダカのがっこうの農家のように、環境を取り戻してくれている農家が継続してその農地を守っていけるように、行動しなければなりません。お米の価格革命=フェアートレードや田の草取りのお手伝いをする援農隊の活動など、出来る限りの努力をするつもりです。ご一緒にがんばりましょう。

 年を重ねても、お金で買うことしか知らない老人になりたくありません。いざという時に体を楽にしてあげられる人に、食料を作れる人に、日本の大地の恵みを生かせる知恵を持った“頼りになるばあちゃん”になりたくて、私は少しずつバージョンアップしています。今年は、醤油の元となる大豆と小麦の麹付けに成功しました。うれしかったです。

 野草摘みから始める野草料理教室は、4月9日(日)大田原の水口農場で、翌10日は田んぼカフェで採って生きた野草を使っての料理教室があります。ご参加お待ちしています。http://npomedaka.shop-pro.jp/?pid=60071840

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Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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