船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
志の高さが未来を切り拓く
2014.11.14(Fri)
社名:(株)本物研究所
名前:長 博信

 今回、ご紹介するのは、私が、以前担当させていただいておりました福島県福島市の販売店様からのご縁で、お会いした某経営コンサルタント会社の代表を務める方から聴いたお話です。
 仕事に対する姿勢・お客様に対する姿勢・経営姿勢・良い社風づくり……といったことを過去の日本文化や商人道などを通じて、わかりやすくお話されていました。
 奥が深い内容なので、仕事だけでなく、自身の生き方や心構えとしても役立ちますし、家族や人間関係などにも活かせる内容です。

■恥を知る
 国語辞典で「品格」という意味を調べてみましたら、「気品のあること、品位」と書いてありました。次に「品位」という意味を調べてみましたら、「その人や物に備わっている値打ち」と書いてありました。

 品格という本が数多く出版されているということは、当然、日本において品格が欠落し、著者たちがそのことに警鐘を打ち鳴らしているからだと思います。お金があれば、どんなに高級なものでも購入できる世の中にはなりましたが、品格や品位はお金で買うことはできません。昔の日本人は、生活は貧しくとも、何より恥を重んじて生きていましたが、今は「損か得か」という利益優先の価値観を持ち、恥ずべきことや卑しいことを平気でする人が多くなってしまいました。

 昔、会津藩には、子弟教育の根本に童子訓「什の掟(じゅうのおきて)」というものがあり、「ならぬことはならぬものです」という、人間としての生き方や行動基準をしっかり子どもたちに教え、身につけさせていました。これが会津武士道の根幹でもありました。
 これからの日本を担う子どもたちに恥じない生き方、一歩進んで、子ども達から尊敬される生き方を私たち大人がしていかなければ、日本に未来はありません。
 東京の大妻女子大学の校訓は、「恥を知れ」だそうです。

■老舗に学ぼう
 「会社は、大きくするのではなく、潰れない強い会社にすることが大事である」というのが私の持論です。潰れない強い会社とは、永続する会社です。
 日本は世界一の長寿企業大国で、創業200年以上の会社が3,000社あります。ドイツが800社、オランダが200社、アメリカが14社ですから、世界に冠たる長寿企業大国なのです。ですから、中小零細企業にとってお手本となるのは、大企業ではなくて、今でもお客様から絶大な信用や信頼を寄せられている老舗企業なのです。

 ポイントは、「老舗企業」 「小さくても潰れない強い会社」 「志企業」 の3つです。

 社会教育家の田中真澄氏の著書『老舗に学ぶ個業繁栄の法則』では、家訓が示す具体的な徳目として、「勤勉」「正直」「倹約」「忍耐」「知足と分限」「先祖崇拝と親孝行」を挙げておられます。
 これらの教えは、江戸中期の商人たちに、商売の在り方・商人の生き方を説いた石田梅岩の『石門心学』がベースとなっています。今こそ「温故知新」すなわち日本の老舗企業の家訓と家憲に経営の王道を学んでみませんか。

 ●「義を先にして利を後にする者は栄える」(大丸店是)
 ●「売りて悦び、買いて悦ぶ」(三井家)
 ●「人は一代、名は末代、家を保つ道は勤と倹とにあり」(外与)
 ●「人として守るべき道徳は本なり、財は末なり」(茂木家)

■成功の秘訣  六十六翁  内村鑑三
一、自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
一、本を固うすべし、然らば事業は自づから発展すべし。
一、急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
一、成功本位の米国主義に倣ふべからず、誠実本位の日本主義に則るべし。
一、濫費は罪悪なりと知るべし。
一、能く天の命に聴いて行うべし。自から己が運命を作らんと欲すべからず。
一、雇人は兄弟と思ふべし、客人は家族として扱うべし。
一、誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
一、清潔、整頓、堅実を主とすべし。
一、人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば、何の益あらんや。人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり。
以上
大正15年7月28日、星野温泉若主人の為に草す


 上記は、内村鑑三が66歳の時に、星野温泉(現 星野リゾート)の当時21歳であった若主人に、将来経営者になるにあたっての心構えを念頭に書き与えたものです。
 かつての日本が倫理的に崩壊するのを免れていたのは、この「成功の秘訣」に表われているような根本的な倫理・商業道徳といったものが、多くの日本人に確かに届いていたからだといえます。

■本物や感動に人は集まる
 中小企業や個人経営であっても全国から人が集まってくる会社やお店があります。
 これらの企業に共通していることは、安心・安全の本物商品を提供していること。
 その会社(店)に足を運ぶことによって癒され、また心のこもった親切なおもてなしに感動し、自らがリピーターになったり、知人・友人に紹介したりして、年々人が集まってきているということです。また、これらの会社は、それほど立地的に恵まれたところにあるのでもなく、どちらかというと辺鄙なところに位置しています。
 要は、本物や感動に人は集まるということです。また、嘘・偽りのない本物の商品や感動するサービスを提供し続けている企業に不況は関係ないようです。お客様は、経営者の商品づくりへの情熱やお客様本位の商いを追及する姿勢に感動し、信者客となっているのです。
 今は、物を売る時代ではなく、本物や感動を売る時代に入ったといっていいでしょう。

■近江商人に学ぶ商いの神髄
 現在の琵琶湖周辺は、江戸時代に近江商人が天秤棒を担いで他国商いに旅立った地です。彼らには、商いをする上でのしっかりとした思想・哲学・行動規範というものが身についていたので、不況に強い商人と言われていました。

 その一つが、近江商人の経営哲学として広く知られている「三方よし」です。
 「三方よし」とは、「売り手よし・買い手よし・世間よし」という考え方で、売り手の都合だけで商いをすることを固く禁じ、買い手が心の底から満足すること、さらに事業活動が地域社会の発展や福利の増進につながることまでをも事業の使命としました。

 二つ目は、「始末して、きばる」です。
 近江の言葉で「始末する」とは、ものを無駄にせず倹約することを指し、「きばる」とは、本気で取り組むことです。つまり、倹約を心がけ仕事に精を出すという意味です。

 三つ目は、「利は勤むるに於いて真なり」です。
 代表的な近江商人の一人で、伊藤忠商事や丸紅の礎を築いた初代伊藤忠兵衛は、この「利は勤むるに於いて真なり」を信条としていました。
 この言葉が示すのは、真の利益とは、地道に商いに励んだ結果として得られたものだけであるということです。よって、投機的な売りや買い占めや売り惜しみなどによる相場の操作、相手の弱みに付け込む強気の商いなどは禁じられていたのです。

 四つ目は、「押し込め隠居」です。
 組織の存在を危うくする不心得な経営トップを罷免する厳格な企業統治の仕組みを持っていました。取締役会が合議して決定すれば、強制的に経営権を返上させることができたのです。
 こうした考えの根底には、事業を永続させようという強い意志と、トップが会社を私物化してはならないという戒めが仕組みとして定着していたのです。

■人徳を養う
 人を喜ばせることが大好きな人がたくさんいます。皆、明るく親切なので、多くの友人や知人を持っています。情報も豊富で、役立つ情報を与えてくれたり、是非、会いたいと思う人を紹介してくれたりします。
 「与える」ことが好きな人は、周りの人にも好かれるので、多くの人が集まり、情報も人脈も増えてくるのでしょう。その結果、情報力・ネットワーク力という大きな力を身につけることになります。
 私たちが、商売をするだけでなく一人の人間として生きていく上で大切なことは、「人に好かれる人柄や人間性(徳)を身につける」ことではないかと思います。
 商人として、人間としての最も大切な能力です。人を喜ばせることに打算なく、純粋に喜んでもらえることが嬉しいという人には、情報力やネットワーク力だけでなく、「人徳」という大きな力が身につきます。すると、あの人のためなら何とか力になってあげたいとか、あの人をPRしてあげたいと力寄せしてくださる方々が集まってきて、ますます多くの力を得ることになります。

 これらのお話は、舩井幸雄が言っていることにも共通していますが、そもそもはるか昔の商人道や日本文化にその起源があったわけです。
 「商人道=生き方」ともいわれますが、まさにかつての日本人がもっていた“心構え”といったものの大切さを改めて感じさせられました。

 現在、中国の経営者たちの間では、日本の経営者や思想家が大人気だそうです。
 GDP成長率のあくなき追求と社会主義市場経済の不完備性や矛盾がもたらした人間性の欠如、道徳の崩壊、拝金主義の横行といったモラルの危機を生み出したことが理由のようで、中国の経営者には、儒教的な「徳」と「経済」を融合した松下幸之助や、江戸後期の農業指導者である二宮尊徳の評価が非常に高まっているそうです。


2周目:「新しく正しい時代を築いていく」
5周目:「属国日本の現状」
7周目:「本物について」
9周目:「小沢氏がつくった「新政研」」
11周目:「現在の気象や地殻の大変化」
13周目:「米債務問題について」
14周目:「最近の自然の異変について」
21周目:「食関連の偽装問題について」
22周目:「児童相談所に関する問題」
23周目:「携帯基地局の設置がもたらす恐怖」
24周目:「仙臺四郎に学ぶ」
25周目:「未来の新しいコンセプト=麻」

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