“本物主義”時代の幸せな生き方

このページは、(株)本物研究所と(株)船井メディア 社長の佐野浩一によるコラムページです。
佐野浩一の義理の父でもある舩井幸雄は、1980年代のバブルの真っただ中の頃からすでに、「競争主体で矛盾のありすぎる資本主義はもうもたない」、そして「資本主義にとってかわるのは『本物主義』ではないか」と考えており、2003年に(株)本物研究所をつくりました。
その(株)本物研究所の設立当初から社長として、佐野は常に、“本物”や、人々の“本当の幸せ”について真剣に考えてきました。
そんな佐野が、いよいよ間近に迫ってきたと思われる「本物主義」時代に向け、私たちはどう生きていけばいいのか、また「幸せに生きる」とはどういうことだろう? ということを先駆けて模索し、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

2016.01.01(第23回)
チームワークB

 新しい一年がはじまりました。 昨年は、国内外ともに激動の一年と言ってもよかったと思います。
 今年は、いったいどんな一年になるのでしょうか?
 ぜひ、平和で、穏やかな時間が流れていくことを祈ります。

 さて、三回連続となりました「チームワーク」についても、今回で最終稿としたいと思います。11月は教員時代のエピソードを、12月はチームワークについての理論的考察を書かせていただきました。今回は、前職・船井総合研究所時代と現職の本物研究所のエピソードをお伝えしたいと思います。
 いまから15年前、船井総研を退職する直前に、当時人財研修を行っていた企業の社員様向けに書いていた19回目(全48回)のレポートを引用します。

 「うちの会社はいい会社だなあ。」と実感する場面があります。それは、締め切り間近の仕事(たとえば、「今日の〜時には報告書を仕上げ、先方に送付しなければならない」場合など)をバタバタとやっていると、いつしか数名の社員が手伝ってくれているという場面です。メンバーのうちの誰かが頼んだのかも知れませんし、自分で頼んだ人も一部含まれていることは事実です。しかし、皆がいやな顔一つしないで、一生懸命我がことのように手伝ってくれているのです。これは、一つの企業風土と言ってもよいかもしれません。
 先日私も同様の状況に追い込まれ、数名の社員に助けてもらうことになりました。その時、一人の社員に、「みんな本当に忙しいのに申し訳ないです。本当にありがとうございます。」とお礼を言うと、「会長も『互助の精神』が大切やって言ってはるやないですか!」と言ってくれました。
 どこの会社、部署でもそうかもしれませんが、弊社の社員でひまな人は一人もいません。皆、本当に忙しく、あちこちを駆けずり回っている毎日です。人間誰しも、多くの仕事や、大きな仕事を抱えると、それだけ本気度は高まるように思います。裏を返せば、皆がそうしたときの「苦しさ」や「厳しさ」を知り、なおかつ本気で助けてもらった経験を持っているのかもしれません。本気で「苦しさ」「厳しさ」、そしてそこから生まれる「達成感」を社員同士が共有しているからこそ、手伝うときも本気になれるのだと思います。


 このような経験をし、経営者となった私は、やはりこうした風土を自社にも醸成していきたいと思うのは当然のことでした。
 本物研究所には、よくもこれだけ異なる個性が集ったものだ……と苦笑いしてしまうときがあります。新卒入社組も5名いますが、ほかの21名は前職でまったく異なる経験をつんできた中途入社組です。採用時に、「できるだけ異なる個性を……」と考えて選考しているので、“混沌”はあたりまえと言えばあたりまえなわけです。
 しかし、実は、軸としている別の重要な視点があります。
 それは、「人柄のよさ」と「自身の弱さを知っていること」。
 種明かしをしますと、この二つがそろっていると、何かのときに「自発的チームワーク」が形成されるという仮説を、創業当初に立てたのです。
 実際、普段は好き勝手な議論が社内で乱発されていて、物事がなかなか決まらなかったり、スムーズに進まなかったりすることも決して少なくありません。これはいささか困ったことなのですが、それも包み込んでこそ……と、自身の成長課題と位置づけるようになりました。
 そこで、先述した「自発的チームワーク」ですが、結論から言いますと、たしかに「機能」しています。イベントなどでの荷物運び、封入作業、陰ながらのほかのキャストへのヘルプ、朝の社内清掃などなど、「だれかのため」にだれかが動く……。船井総合研究所で体験した、あの「互助の精神」は、手前味噌ながら、弊社で脈々と息づいています。これをさらに拡張し、取引先メーカー、販売店、消費者のみなさんと大きなチームワークを育んでいくのが、これからの課題だと考えています。
 “本物時代”のチームワークとは、まさしくこれじゃないかって思うのです。人と人、人と会社、人と地域、会社と会社、会社と地域……、様々なところに縦横につながりを持つ「互助の精神」をベースにした協力体制。それこそが、新時代のチームワークと言えるのではないかと思います。



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14/04

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“本物主義”の時代

Profile:佐野 浩一(さの こういち)
佐野 浩一(さの こういち)

1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。

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