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エチオピア北部の街ラリベラにて。
同時刻の月(左)と日の出(太陽・右)

船井勝仁の直感のすすめ

このページは、(株)船井本社社長の船井勝仁によるコラムページです。
船井勝仁は「これからは、これまで私たちを縛りながらもある意味、守ってくれていた過去の“常識”はもう通用しなくなり、各々が、自分で考えて、意思決定し、自己責任で行動しなければならない時代になる」と考えています。

そしてそのような時代に、すべての人に一番求められるのが“直感力”だと考えています。
このコラムは、2013年3月に(株)船井本社に入社したばかりの、目に見えない世界のことなど全く知らない30代前半のステキな独身男性・Kくんに、“直感力”を分りやすく説明する形で展開していきます。

2013.06.01(第5回)
抵抗するK君

 予想されたことではありますが、見えない世界があることを受け入れることにK君が抵抗を始めました。実は、下記で紹介する原稿を書いてもらうために3時間近い時間を話したのですが、話はまったく噛み合いませんでした。そして、その時に話した内容は今回のK君の原稿にはほとんど反映されていませんでした。
 時間切れになった時に、「私に対する反論でもいいから、自分の意見をすなおに書いてほしい」と頼みました。こんな理不尽な原稿を書かされてやっていられないという怒りの思いをぶつけてくれたらと思ったのですが、頭の良いK君にそれも上手くかわされたようです。
 K君は飛行機を発明したライト兄弟の例を上げて、鳥のように空を飛びたいという思いは実現したが、鳥のように羽が生えてきて飛べるようになったわけではないので、人間の思いの実現には限界がある、という論理で人間の思いは何でも実現できるわけではないという理屈を述べています。まったくその通りなのですが、本質的なことは羽が生えることではなく、空を飛ぶことなので私はやっぱり人間の思いは実現するのだと思います。
 私はいま、広島空港に向かうバスの中でこの原稿を書き始めました。いまから飛行機に乗る私が書くのも変ですが、本当は揚力で飛行機がなぜ飛ぶのか、専門家でもよくわかっていないという話を聞いたことがあります。理屈がよくわからないので、仕方がないから揚力ということにしているのだというのです。でも、私は飛行機が無事に羽田まで飛んでくれることに何の疑問も持っていません。飛行機を利用するほとんどの人が心配していないと思います。私の結論はみんなが大丈夫だと思っているから、無事に羽田まで到着するのだということです。

 私までK君に付き合って屁理屈の世界に入っていくことはないのですが、K君が抵抗している本当の理由は理屈が言いたいのではなくて、生理的感覚的に私の言っていることが受け入れられないからだと感じています。そんなことを認めたら、世の中がおかしなことになって、大変なことになってしまうという根本的な嫌悪感が働いているようです。こういう時は、無理をしても仕方がないので、じっくりと話を続けて行きたいと思います。
 ただ、今回とても良かったのは、K君がとてもよく勉強しているということがわかったことでした。藤原編集長のアドバイスもあり、今回のテーマをアスリートの人が本当に集中した時になるゾーンといった現象を経営に活かすための手法についてまとめてもらおうと思ったのですが、K君はその効果は認めつつも、「それはある特殊な環境で達成されるものであって万人が達成できるものではないので、私は意味があるとは思えません」とすぐに反論して来ました。
 勉強好きのK君はいろいろな本を読み、それを自分なりに消化してその判断をきちんとしているようです。そして、結論で、目に見えない世界を認めないK君と認めている私の違いはとても些細なものであることがよくわかりました。無理をせず、K君との対話を楽しみながら続けて行きたいと思います。仕事だとはいえ、それに無理やり付き合わされるK君には少し気の毒ですが、予想通り、とってもいい企画になったと喜んでいます。

(引用開始)

 皆様こんにちは。船井本社のKと申します。あっという間に春の陽気は終わり暑くなってきました。僕は汗かき体質なので外にいる時などは汗が止まりません。関東地方もこの記事がアップされる頃には梅雨入りしているかもしれませんのでしばらくは快適に過ごしにくくなりそうですね。私はどちらかというと夏より冬の方が過ごしやすくて好きですが、夏にしかできないイベント事なども多々ありますので梅雨明けの夏を楽しみにしたいと思います。

 さて本題ですが、前回の話の内容が私には難しく全く理解できていなかったため、勝仁社長の前回の記事コメントとその後、私が直接質問した内容を用いて勝仁社長の説く「自分の思いで現実、未来を変えていく」ことについて振り返ってみたいと思います。

 結論から申しますと散々私なりに考えた結果、心で思うだけでは現実は変わらないと思います。もう少し細かく書くとある程度変わること、徐々に変化していくこと(変化していく際に訪れる結果には限界あり)はあるかもしれませんが、天変地異が起こったように現実が劇的に変化したり、突然急に変わったりすることはないと思います。
 大昔アメリカにて、有人飛行に成功したライト兄弟は誰よりも空を飛びたいと思っていたと思いますが、それは多くの研究者たちの研究を参考にし、周囲の反対はあったがそれに負けず地道な努力を行った結果、あのような大成功があったと思っています。頭の中で思っていたのである日突然飛行機が完成していたのではなく、毎日徐々に徐々に少しずつ試行錯誤し、過去の失敗データを基に考え、今自分たちの周りに存在する材料、道具を用いてできる限りのことをしたので最終的に空を飛ぶことができたわけです。
 そして当然ですが彼らは決して「空を飛びたい」=「背中から羽が生えて大空を飛びまわる」ことを目指していたわけではありません。
 ものすごく極端すぎる例になってしまいますが、思いで現実を変えられるのなら、もし彼らが前述のように望んでいたとしたら、背中から立派な羽が生えてきたのでしょうか?

 つまり、ライト兄弟の例が人間が最大限頑張ってできることの限界であると私は思っています。そしてそれぐらいの能力だけしか備わっていない方が全知全能の神様ではないのでちょうど良いと思うのです。
 残念ながらこの世に生れてくる人の99.99%は先程のライト兄弟のような偉人ではなく凡人です。小さな頃、有名人になりたい、スポーツ選手になりたい、音楽家になりたいなどと思ったことは誰でも一度はあると思いますが、実際は体や心の成長と共に自分の能力や境遇を知り、その思いを捨て、自分に見合った現実とうまく帳尻を合わせて生きていくことになります。
 ある程度の年齢に達した人がそれでも、自分はロックミュージシャンになっていつか大成功すると思い続けることは自由であり、羨ましく思うこともありますが、いくら強くそれを思ったとしてもその思いを実現させることができるのは一握りもいないのではないでしょうか?
 大きな夢、現実、未来が叶うように思い続けることはとても大切なことだと思います。その思いがあるから現実を頑張れる人はたくさんいると思います。そして私自身、それを行う人、信じる人を否定する気は全くありません。なぜなら、こんなことを書いている私にもささやかな思いはたしかにあるからです。現実ばかりを見つめていては生きるのが苦しくなります。
 しかしその思いを大切にしつつも日々生きていく為には変えようのない目の前の辛い現実を受け止めなくて行かなくてはならないので、私は今自分ができることを精一杯やっていくことは自分の思いを現実にするのと同じくらい大切なことだと思っています。

 ですから、私はまず目の前にある小さなことから少しずつ解決していこうと思います。そしてたまには息抜きで良い現実、良い未来を思ってみるのが良いのではないかと思います。

(引用終了)



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『未来から考える経営』
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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)、『失敗から学ぶ』(2012年7月海竜社) 、『未来から考える経営』(2012年10月 ザメディアジョン)などがある。
『未来から考える経営』表紙画像
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