加治将一の精神スペース

このページは、作家でセラピストの加治将一さんによるコラムページです。加治さんは、『龍馬の黒幕』『幕末 維新の暗号』『舞い降りた天皇』『失われたミカドの秘紋』(すべて祥伝社)などの歴史4部作が大反響を呼ぶ一方で、『アルトリ岬』(PHP)や『大僧正とセラピストが人間の大難問に挑む』(ビジネス社)などのカウンセリング関連の著書も好評です。そんな加治さんが、日々の生活で感じること、皆さまにお伝えしたいことなどを書き綴っていきます。

2011.12.12(第12回)
虎の子のカネは「アンティーク・コイン」にぶち込め!

 前代未聞の不況です。
 株ダメ、土地ダメ、預金ダメ。その上、会社までダメになって、世界経済は氷河期を迎えているのに、なにを血迷ったか日本は増税ときた。
 神経が壊れています。
 燃え細る残り火に、水をジュッと掛けて台無しにしようというのですから、財務省の頭の中を覗いてみたいものですが、財務省のポチ、野田首相の頭もすっからかんでしょうなあ。
 どうしてこんなノータリンに国の運営をまかせなきゃならないのか、日本人として情けなくなります。
 増税だけは呑めません。
 といっても相手は国家権力ですから、僕が部屋の中で、増税反対のシュプレヒ・コールを連呼したところで、ごまめの歯ぎしり以下です。
 長年、衣食が足りていれば、だれしも腑抜けになるのは自然の摂理ですから、武力革命などとうていできるわけもなく、せいぜいが選挙で増税反対を唱えてくれる候補者に投票するくらいですね。当選してマニフェストを変えても詐欺罪にならないので、あてにはなりませんが。
 でも、悔しいから節税もします。
 「選挙」と「節税」。
 悲しいかな、我々に与えられた手段はせいぜいこの二つ、節税をあまり熱心にやると脱税の判定をくらってしまうので、みみっちくチマチマと。
 溜息をついているあなた、人生は楽しんだもの勝ちですぞ。
 もっといい方法があります。
 そう、増税をもはるかに凌駕するカネ儲けです。
 がっぽり儲けて、税金は普通に払う。
 公明正大にいきましょう。
 ということで僕の得意分野、今どきのおカネ儲けをこっそりお教えします。
 投資家というのはマジシャン同様、本来なら種明かしは門外不出でありますが、加治将一も男です。不況時こそ、世のため人のため満を持して一肌脱ぎましょう、今回は大盤振る舞いです。
 特別なテクニックは必要なく、わずらわしい知識もいらず、時間も食いません。
 することと言えば、暇なときに僕のこの連載を読むだけです。
 しかも十万円から数十億円まで、自分の身の丈にあった金額で投資可能、という実にあっぱれな投資です。

 税務署の方は読んでおられますか?
 いいでしょう、あなたも人の子です。お仲間にお誘いいたしましょう。その代り、今後、僕の会計だけは魚心あれば水心というふうにお願いします。
 個人的なことで失礼いたしました。

 さて、お教えするのはアンティーク・コインです。
 具体的な儲け額を口にするのは下品でありまして、美学に反するのですが、分かりやすいので一例を挙げます。
 ほんの数年前に僕が指南した学校教師、Aさんです。
 半年の儲けが1,500万円弱でした。
 元手はいくらか? どうやって儲けたかですって?
 では簡単に答えます。
 最初の元手は50万円。他人に買ってもらって、他人に売ってもらっただけ。自分ではほとんどなにも動かなかった。それなのに電光石火の1,500万円の利益です。
 そんな莫迦なと思うでしょう。嘘だと思うかもしれませんね。
 甘い!
 この世には、信じられない知られざる世界があるのです。
 ではこれからじっくり、秘伝をお話しいたします。

アンティーク・コインとは何か?
 馴染みのない分野だと思います。
 当然ですね。日本はアンティーク・コイン後進国なのですよ。
 講演で、よく受ける質問が「ゴールドと、どう違うの?」という初歩的かつシンプルなやつ。
 多くの疑問もおおかたそんなもので、そう、まさにここが肝心です。
 違いは、ゴールドはグラムなんぼの目方相場で、アンティーク・コインはこの世に何枚あるか、この希少性が決定的になるということです。
 珍しいものほど高い。重要な心臓部は数枚です。
 したがってゴールドと同じ重さでも、珍品コインともなればゴールドの50倍、100倍の値を持つ。
 これについては追って話します。
 とにもかくにも日本人とは縁遠い分野で、一千万円以上のコインを退蔵しているコアな日本人収集家は、おそらく一万人いるやなしやです。
 ちなみに世界に眼を転じるとダントツの一番はアメリカ。100万人以上。
 二番はスペイン、続いて英国、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギーあたりになりますと、20万人くらいに落ち着いてくる。
 はっきりした人数は分かりません。秘密結社でもないのにアバウトな数字にならざるを得ないのは、コインは密かなる領域で集計は不可能だからです。
 僕は個人的に、世界にはざっと三百万人のマニアがいると踏んでいます。ちょうどフリーメーソンのメンバー数と匹敵しますが、よけいなことですな。

なぜアンティーク・コインの値が下がらないか?
 あなたが富裕層だとします。
 仮定ですが10億円を保持しているとします。そのおカネを、どうやって保有しますか?

    預金

 だれしも考えるのは、まず銀行でしょうね。
 金利はゼロ。無料で銀行にカネを貸すのは莫迦げています。まあしかし、このご時世ですから百歩譲って、それはそれで良しとしても、円そのものが不安です。
 考えてみてください。
 円は日本の通貨です。支えているのはたった一国の経済力。そして悲しいかな、我が国は大借金国ときている。それも世界一です。資源はなにもありません。
 円の強さの裏付けは、たしかなる工業製品ですが、このところの円高続きで産業界は疲弊し、政府の無策とあいまって海外移転は加速度を増しています。
 抜け殻の日本に、なんの経済的価値があるというのでしょう。
 円は安全だと思いますか? もはや崩壊前夜だと主張する経済学者は少なくなく、国家が傾く一方なのに、止まらない円高のダブル・パンチ。
 そして欧州経済危機です。その連鎖で銀行が倒産するという悪夢は、現実味を帯びてきているのです。
 安全志向のあなたが、丸々10億円を銀行に預けますか?
 銀行預金など日々、火事場のタンス預金に近づいているのに、その考えはまともではありません。

    

 そうなると株ですか? 
 否。ジョージ・ソロスやウォーレン・バフェットがなんと言おうと無謀です。
 彼らは何千億円、何兆円ものファンドを持って相場をいじれるから、帽子から兎を出せるわけで、10億円ごときでは胴元である証券会社のカモになるだけです。
 世界経済全体が沈み、不吉な兆候があちこちに見られます。
 そんな中で、売上を伸ばし業績を上げている企業は奇跡です。
 しかしその前に、企業の業績などだれが正しく分析できましょう。
 くまなく調べて、手を尽くして株を買うなど、逆立ちしてもできない相談です。
 オリンパスを見てください。連結従業員が、三万六千人の押しも押されもしない堂々たる上場会社です。
 その由緒正しい会社が嘘つきだった。長い間、莫大なる粉飾決算を行っていて、その間株主が見せられていたのは華麗に飾られたインチキ内容です。まったくのでたらめで、監査法人などクソの役にも立ちません。
 それほど危いものなのです。
 それに日本の場合、会社は株主のものではなく、いざとなったらまっさきに株主から切り捨て御免になるのは目に見えています。

    土地

 では土地はどうか?
 株より安全かもしれませんが、問題は人口減と不況です。この二つの疫病神が、日本に張り付いている限り未来はありません。
 とどめはご存知、福島原発事故です。
 放射能が東北を中心に関東一円に降りそそぎ、さらに名古屋、四国まで流れているという現実は、日本と放射能が混然一体となったイメージを全世界に焼きつけました。
 高度10万メートルから俯瞰すれば、50基以上の原発に囲まれているのが日本列島です。
 ちなみに日本に匹敵する面積を持つカリフォルニアの原発はたった四基で、そう考えると日本の安心安全など夢のまた夢、土地封印という心理的呪縛は当分解けそうもありません。
 人口減、不況、そして原発事故。
 このトリプル・パンチで、よほど無神経な人間でなければ土地など手を出しませんね。
 じっさい、大手の不動産会社が売りに出ているという噂が、業界を走っていますが、土地に未来があるとすれば2030年以降で、その時、僕はもう地上ではなく、天国の分譲地に住んでいます。

    書画骨董

 書画骨董の類も考えられます。
 しかしこれは特殊な世界です。価格などあってないようなもの、換金性は極端に悪い。
 TVの「お宝鑑定団」は面白いのですが、お遊びです。
 価格はなにを基準に出しているのでしょう。歯の浮くような値段に、騙されてはいけません。
 僕の方がデタラメだというなら、ためしに出品物を番組での評価額で、テレビ局に買ってくれと申し込んでみてください。ただちに逃げられます。
 大盤振る舞いの価格は、こんな数字だったらいいなあという煽り的オーバー・プライス、詐欺師がよく使う手です
 書画骨董は趣味の世界ですから、買いたいという人が現れない限り価値はゼロです。そしてそういう人は、ほぼ現れないのが現実でしょう。
 買うときは高く、売るときは二束三文。思惑はまるで噛み合わず富クジの方がまだあきらめがつく。
 換金性の悪いものは、投資とはいいません。
 それに骨董品はデリケートで、地震、火気、湿気、盗難にまるで弱いというのも欠点です。

    ゴールド

 残るはゴールドくらいなものです。
 これとて難点はあります。なんと言ってもその図体です。
 標準的なスイス金塊は約12キロです。12キロといえば重い。
 その重さの金塊なら現在の価格で、ざっと4,500万円でしょうか、10億で20本にもなります。
 保管場所をどうするか?
 書画骨董と同じで、お決まりの地震、火事です。災害時、緊急時どうやって運び出します?
 えっちらおっちら運び出したとします。しかし世が乱れていれば、人心も乱れているから、いくら鞄に隠しても、重さと、おどおどした仕草で注目度はナンバー・ワン、虎視耽耽と狙っているプロの目が見逃すわけはありません。強盗の餌食になる可能性は低くはないのです。
 で、それもかろうじて逃れたとします。
 ところが世界経済が崩壊し、物々交換の世ともなれば金の延べ棒を、いったいぜんたいどういうふうに使用するのか?
 食料を買うシーンを想像してみてください。
 持っているのは5,000万円の金の延べ棒です。
 それで3,000円の米を買う。お釣りなどくれませんから、仕方なしに削って使用します。
 「ちょっと待ってください」
 これが問題なのです。
 なぜか?
 金の延べ棒を削った瞬間に、スイス99・99の刻印から切り離されてしまうからです。
 離れた部分は、ゴールドの証明ができません。
 「そんなことはない、これは正真正銘のゴールドだ」
 とあなたがいくら主張しても、相手は証明してみろの一点張りです。そう言われたらアウトで、証明できますか?
 相手の身にもなってみてください。
 どこぞの知らない人が、金属片を持ってきて、これはゴールドだから受け取れと言ったところで、銅や真ちゅうの混ぜ物と見わけがつかない。とても信用できるものではないのです。
 金塊は削った瞬間に、神の怒りに触れゴールドではなくなる、というのはこういうことを言うのです。
 僕も三〇歳代の時に、現物を持っていたので分かりますが、不便極まりないものでした。
 自衛の精神が強ければ、金塊は敬遠した方がいいでしょう。
 ことほどさように、十億円の投資先は困ります。

    アンティーク・コイン

 そこでアンティーク・コインです。
 完璧とはいいませんが、その欠点を補って余りある、いや目を見張る長所があります。
 一つ、一つ長所を解説します。

 一、まず希少性です。
 株券は刷ればいくらでも増えます。ダイヤも掘れば増えます。ゴールドだって毎日世界中の山から運び出され、絶対量は日増しに増えています。増えれば下がる。ですから、かつて値下がりもありました。
 が、アンティーク・コインは増えません。
 例外としては、遺跡の中から発掘されるか、あるいは命懸けのトレジャー・ハンターが長期間の調査の末に、沈没船から引き揚げるかです。
 が、むろんこんなハプニングはめったになく、また仮にあったにせよ、過去を例にとればたとえ発掘されても、収集家の購買力が新発見の増加枚数分をあっという間に吸収してしまうので、価格に影響する事態にはいたっていない。
 新発見などめったにない。あってもぜんぜんへっちゃらのダブル・ブロックです。
 つまりアンティーク・コインは増えない。それどころか、年々減る一方なのですよ。
 減る理由は富裕層にあります。
 富裕層が一度買えば、決して売りに出さない。売る必要がないから死ぬまで退蔵します。そして年々貧乏人も増えていますが、富裕層も増えているのです。
 チャイナ、ロシア、インドの新興国がすごい。
 その結果、新参富裕層の投資金がコイン市場に流れてきますから、どんどこコインが消えてゆき、ますます需要と供給のバランスが崩れて、値が上がって行くという理屈です。

 二、個人の予算、懐具合に合わせられます。
 一枚数百円から買え、無段階に数億円まで品揃えが豊富です。
 小さく買う。どんと大きく買う。自由です。
 無理をさせない気楽さは、他の投資には見られない分野で、株や土地や先物取引きで破産した人はいてもアンティーク・コインで破産した人を、僕は見たことはありません。
 また形が小さく、持ち運びに便利、なにかあってもポケットに入れて逃げられるので、古より流浪の民、かのユダヤ人が大収集家であるのも道理です。

 三、価格が安定しています。
 僕は土地、株、金すべてに投資してきました。しかしコインほど安全な分野を見たことはありません。歴史的にみて相場が崩れないのです。
 過去、例外が一回だけありました。
 経済高度成長と共に、日本のコインの人気がわっと沸騰し、異常相場となったときです。1973年ですね。
 このとき3割〜5割、暴落したのです。暴騰して元に戻っただけなのですが、それも日本のコインだけでした。外国物は微動だにせず、ぬかりなく安定を保っていたのです。
 一万人くらいしか支えていない日本コインと、300万人が支える外国コインの違いです。
 外国のコインはしっかり者です。

 四、換金性の良さです。
 投資であるからには、いつでも換金できなければなりません。日本にある100店を超すコイン店がいつでも買います。
 より高く売るにはオークションです。世界のどこかで大小、毎日のように開かれております。

 これだけ書けば、賢明でぬかりのないあなたはアンティーク・コインに魅かれるはずです。
 では次回はいよいよ、どうやって買うか、具体的な話に移ります。

                                   つづく

★加治先生の『アルトリ岬』の文庫版が、PHPより9月17日に発売されました。
 世界初のメンタル・セラピー小説です。
 癒されてください。と同時に、セラピーとはどういうものか、手に取るように分かる作品です。
 読んで感動したら、是非ブログやツイッターやフェイスブックで広めてください。
 よろしくお願いします。

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Profile:加治 将一(かじ まさかず)

作家・セラピスト。1948年札幌市生まれ。1978年より15年間、ロサンゼルスで不動産関係の業務に従事し、帰国後、執筆活動に入る。ベストセラー『企業再生屋が書いた 借りたカネは返すな!』(アスキー)、評伝『アントニオ猪木の謎』、サスペンス小説『借金狩り』、フリーメーソンの実像に迫った『石の扉』(以上三作は新潮社)など多数の著作を発表。『龍馬の黒幕』『幕末 維新の暗号』『舞い降りた天皇』『失われたミカドの秘紋』(すべて祥伝社)の歴史4部作は大反響を巻き起こし、シリーズ 50万部の売上げ更新中である。その他、カウンセリング小説『アルトリ岬』(2008年 PHP)や『大僧正とセラピストが人間の大難問に挑む』(2010年 ビジネス社)などがある。
2011年4月に最新刊『陰謀の天皇金貨』(祥伝社刊)が発売。

★加治将一 公式音声ブログ: http://kajimasa.blog31.fc2.com/
★加治将一 公式ツイッター: http://twitter.com/kaji1948

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