船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
儲かるお店はマンダラづくりにあり
2012.11.14(Wed)
社名:(株)本物研究所
名前:門脇 宥希

 先日、ある静岡の自然食品のお店を訪れる機会がありましたが、そのお店は静岡駅から車で20分、商店街の他のお店はシャッター街化していて、典型的な立地不利な場所に、そのお店は10坪で年商2億に迫る勢いがあります。お店での販売だけでなく、「口コミ通販」と呼んでいる、通販でも人脈に乗せた通販を展開していることも売上に貢献していますが、ほんのわずかな売り場面積と自然食主体という商品単価ながら生まれる売上実績には驚かされます。

ズバリ、なぜ儲かっているか?

 それは、「如何にお客様に喜んでいただくか」という客思考が徹底されている、至極単純なことだったのです。その客思考を実践する方法論は、巷のノウハウ本にも掲載されているような、できるようでなかなかやっていない、「当たり前のことを当たり前にやる」凡時徹底を地道に徹底していることとも言えますが、“はっ”とさせられたのは、「どの商品でどれだけ売れるか」の視点よりも、「何人の信者客がいて、どれくらい信者客化しているか」の「客目線」であることでした。その客目線があるからこそ、基礎の徹底と創意工夫の継続が生まれています。

 “はっ”と心が動いた理由は、正直ここまで自分自身が客目線で仕事ができているかと考えさせられたための心の動きです。売れる商品にこしたことはないですが、「売る商人」「誰から買うか」という、人との関係性に視点が置かれていて、成果に見える売上は「お客様のお役に立てた証明の度合い」と捉えています。

 その商人次第という気付きにさらに確信に近付ける出会いがありました。
 船井幸雄が先日のオープンワールドや新著『生命の秘密が分かってきた』(ヒカルランド)で紹介した、川田薫先生のお話を聞ける機会がありました。川田薫先生のお話を抜粋すると、例えば、ある時計の重さと、その時計を分解して組み立てた後の時計の重さは、わずかながら違うのだと……つまり、そこに人の思いや意識が質量として測れるとおっしゃいます。

 書籍の中には、船井も「本物」の条件に、携わる人の確信や思いがあるかどうかも、条件として考える必要があると記述しています。
 今回、挙げた静岡の自然食品店の例に置き換えても、他のお店で売る商品と、また違う商品を販売していると言えると思いますし、媒介する人によって使う側の効果も変わってくると言えるのではないでしょうか。
 「売上をどうつくって利益をどう出すか」と考えながら商品に関わるのと、「お客様にどうお役に立てるか」と考えながら関わる商品は、明らかに質量に差があり、お客様はどちらの商品を選択するかは明白のように思えます。

 さらにそれに加え、川田先生は、船井を取り巻く人脈を「船井マンダラ」と表現しています。大日如来を中心に、外郭は完璧ではないが個性が際立っている仏様が配置されていると……。完璧ではないがために、皆がその和に入れるのではないかと寄ってくると……。

 このマンダラの考え方も、その自然食のお店と全く同じなのです。「ついている仲間たちをつくる」ことが元々のお店のコンセプトであるため、商品はあくまでも手段であり、ここでも「人との関係性」が最重要視されています。複数の異なる個性(スタッフ、お客様、取引先)がある秩序に従って、一定の方向性、世界観を皆でつくりあげているのでしょう。

 また、福島のパンの宅配業者、ら・さんたランド様も、同じく、お客様のみならず関係取り引き先パートナーもマンダラのように見える化していますが、自社がどのような関係先に支えられ、関わっているかが一発でわかるようになっていて、まさに共生の経営を実践されている、素晴らしい事例です。(共催、福島フェスティバル一般社団法人「ふくしま原発避難子供・若者支援機構」を応援)

 昨今、大手企業の苦戦が伝えられるニュースが増えていますが、競争を超える共生を実践されている中小企業や商店が地道に脈々と水面下では表れてきているように思います。
 本物研究所は、卸売業ですが、ある取引メーカーの経営者に、「中間業者を使うと利益が減るのに、なぜ卸業者を必要とするのですか?」と率直に聞いたことがあります。 「人脈という宝があるからに決まっている」と真顔で教えられました。まさにこれからの卸売業も、如何に関わる人脈を大切にして、個性が生きるようなマンダラを作成できるか……。
 それが可能になるのも、現場から少し離れて俯瞰して見える立場にある中間業者だからこそできる特権のようにも思います。その“和”をつくる秩序、方向性へ進む推進力のようなものも、他者貢献欲の強さや見ている世界観の次元に比例するように思えてなりません。


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2周目:「妻のお腹の張りについて」
3周目:「包み込みで商売繁盛」
4周目:「船井流ルール化」
5周目:「“ほんまもん”のつながりって何?」
6周目:「夢の設計図は時空の超越体験へのステップ?」
7周目:「幸せ、利益、本当にやりたいこととの統合」
8周目:「“本物”の流通の現場は学びの宝庫」
9周目:「“本物”の流通は人との関係性が決め手」
10周目:「独自固有の長所を生かせば絶妙に共生できる」
11周目:「コミュニケーションプラットホームとミニロゴストロン」
12周目:「子育ての気付きも物事の相似象」
13周目:「人との出会い力が鍵」

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