写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2011.3.1(第7回)
出現する未来C 〜梵(ブラフマン)〜

 こんにちは。船井勝仁です。
 今回は少しピーター・センゲらの『出現する未来』の本から離れて、私が本当に皆様にお伝えしたいと思っているリアリティ・エンジニアリング(RE)について説明したいと思います。
 REの概念自体は、1980年代には山手国弘先生が確立されました。私の手元には、REのセミナーを先日一緒に開催させていただきました前田知則先生からいただいた山手先生の1989年の講演録があります。20年以上前にお話しされた内容とは思えないほど現実感があり、逆に20年以上時間を経た今だからこそ、ようやくこの本質に気づくことができたのではないかと思っています。

 REの考え方の原点は本体論です。すべてのものは現象として現れているが、究極まで行くと現象が現象をつくっているのではなく、本体が現れてくる。人間は60兆個の細胞からできていますが、その細胞は分子からできていて、分子は原子から、原子は素粒子からできている。その素粒子をもっと遡っていけば、人間・細胞・分子・原子・素粒子といった現象ではなく、この世を形作っている本体そのものにたどり着いてしまいます。
 前田先生は、この本体のことをヒンズー教の概念を使って梵(ブラフマン)と分かりやすく表現しています。宇宙の本体は梵であり、宇宙に現象として現れているすべてのものの材料は梵です。だから梵に帰れば、すべてが明らかになり、すべてが解決し、すべてがうまくいくようになるのです。前回のコラムでUを降りていって到達しようとしている本質が梵というわけです。
 ブラフマンというと真我(アートマン)という概念を思い浮かべる人が多いと思います。
 アートマンは難しい概念ですが、簡単に言えば魂と考えれば分かりやすいと思います。
 その伝でいけばブラフマンは神と考えてしまえば大丈夫です。そして本来は、アートマンはブラフマンと一体である「梵我一如」という考え方にたどり着くのです。しかし、REでは、モノゴトをシンプルに考えるのがコツですので、すべては梵からできているという概念だけをご理解ください。

 今までの方法論は、計画を立てて、実行し、それを検証するというものでした。Plan→Do→Seeだったわけですが、この計画を立てるということはこの世の成り立ちである梵の存在にとってはどうでもいいものです。だから梵を使いこなそうと思ったら、計画を立てるのではなく、梵が実行した結果、つまり現実をありのままみることからすべてはスタートします。つまりSeeからはじまるのです。そして、ひたすらSeeをし続けます。
 このことを、「ゼロ・サイクルをかける」と言います。今までの社会では法則を明らかにすることが大切でした。アインシュタインやニュートンなどの物理学の法則から、うまく生きるための智恵や、ちょっとしたコツに至るまで法則を見つけることが人類の進歩だと考えられていたのです。しかし、すべてが梵であることを認識してしまうと、法則を見つけることよりも、梵が作っている現実を法則に縛られることなく素直にそのまま見ることの方がはるかに大事なことに気が付いてきます。
 ゼロ・サイクルが必要なのは、法則化があまりにも進歩してしまったため、普通のアプローチではまったくリアリティが見えてこないことが通常だからです。前回のコラムで説明した保留転換というやり方もこのリアリティに近づくための手法ですが、REではもっとシンプルに徹底的にゼロ・サイクルを回すという作業だけで本質(梵)に近づくノウハウを確立しているのです。次回はこのゼロ・サイクルについて詳しく説明してみたいと思います。


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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
いま明かされるコトダマの奥義
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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