写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2011.11.01(第32回)
官僚特権主義のルーツ

 こんにちは。船井勝仁です。
 前回、書かせていただいたように日本の世界にまれにみる強力な官僚制度はドイツ参謀本部がそのルーツにあるようです。これを日本に導入したのは明治の元勲であった山縣有朋(やまがた ありとも)でした。下級武士出身の山縣は若い頃、高杉晋作の騎兵隊に所属していました。騎兵隊は、長州藩が幕府に恭順を示す俗論派に占拠されていた状態を高杉たち正義派が倒す力の源泉になるのですが、天才高杉が生み出した奇跡の軍隊でした。
 騎兵隊の構成は武士が約半分で、残りは農民やその他の人たちで成り立っていました。相撲取りが集まった力士隊があったという話ですが、戦うことを職業としている武士階級の高杉にとっては自らのアイデンティティを否定するようなとんでもないような発想の転換です。明治になっても徴兵制によって既得権益を失うことを本能的に恐れた士族たちが、近代兵制を確立した大村益次郎を暗殺し、明治10年の西南の役(西郷隆盛が政府軍と戦って敗れた戦い)まで続く士族の反乱が頻発しました。

 当時のヨーロッパの状況は、普仏戦争にプロイセンが勝利して、プロイセン王ヴィルヘルム1世がドイツを統一し皇帝に就任していました。フランス革命までは、一説によるとドイツの人口が3分の1にまで減ってしまったという三十年戦争という消耗戦を戦った教訓から、18世紀の戦争は絶対君主同士のゲームのような戦争になっていました。しかし、フランス革命で国民軍という発想で徴兵制を敷くことが可能になり、また全面戦争が始まりつつある状況でした。
 騎兵隊は世界的な潮流を見事に取り入れた制度で、その申し子、山縣が世界史的な大発明であるドイツ参謀本部の制度を日本に導入するのは歴史的な必然と言えるのではないでしょうか。そして、陸海軍における参謀本部、軍令部の独立、統帥権の独立を山縣が確立させることになるのです。そして、山縣がもう1つ力を入れたのが、内務省を中心とする官僚閥の育成でした。
 戦前の日本は、陸海軍、内務省、宮内省という権力のトライアングルができていました。山縣はこのうち、軍部と内務省を握っていた有力な政治家でもありました。特に、山縣は台頭しつつある政党政治に危惧を抱いており、それに対抗する勢力としての官僚制度の確立に力を入れました。そしてこの官僚制度は官僚特権主義につながっていくのです。
 軍事面で言うと、山縣が直接司令長官や参謀本部長として指揮を執った日清、日露戦争は見事にこの軍部の官僚制度が機能しましたが、第二次大戦のときはこの参謀本部をコントロールできなくなり、その暴走を許すことになりました。しかも、官僚特権主義に守られていた参謀たちは、とんでもない失敗をしでかしても、ほとんど責任を問われることもなかったというわけです。
 内務省はGHQによって解体されましたが、戦後は大蔵省が中心となって、アメリカの意を受け、日本を奇跡の経済発展に導いていきました。ここでも、山縣の官僚は大活躍をしていくのですが、1985年のプラザ合意ぐらいを境にして、今度は急速にその弊害が顕著になるようになってきました。高級官僚は責任を問われることがないという無謬(むびゅう)性が官僚たちの手足を縛り、OBを含めて自分達の省益という権益を伸ばすことに汲々とするようになってしまいました。
 いまの日本は、大震災からの復興、TPP、普天間基地の移転問題、中国との関係をどのように考えていくかなど、多くの課題を抱えています。アメリカからの呪縛を離れて、真に日本の国益とは何かを考えられるリーダーが、自ら責任を明らかにしていく決意を持ってあたらなければ解決が難しい問題ばかりです。
 官僚制度を毛嫌いするのではなく、新しい方向性を共有できるようにするための方法論を、有意の人たちと語っていけるようになっていきたいと思います。これからも、様々な問題提議をさせていただきますので、ご意見をいただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
いま明かされるコトダマの奥義
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