写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2011.9.1(第26回)
非淘汰の進化論

 こんにちは。船井勝仁です。
 コスミックリーディング(詳しくは前回のコラムをお読みください)の宿題で、何か本を読んで生命についてのレポートを提出することになりました。はじめは違う本を読んでいたのですが、このテーマなら今西錦司先生の今西進化論のことを書いてみてはどうかと思い、本棚をひっくり返して10年以上前に読んだ『進化とはなにか』(講談社学術文庫)を読み直してみました。
 びっくりしたのは、最近考えている、「人類はいま悟らなければ生き残っていけないのではないか」というテーマのヒントというか、もしかしたら結論を、この本を読むことで発見できたことでした。柳瀬宏秀先生の言う通り、4次元の時間を意識できるようになるとシンクロが起こりやすくなるようです。
 今西進化論を改めて読んでみて、人類は4足歩行から2足歩行に変わったのと同じぐらい大きな進化をいま求められているのだということが、分かったような気がしました。少し、説明します。

 いま、主流になっているダーウィンの進化論は「自然淘汰」と「突然変異」が柱となってできています。自然淘汰は強いものが生き残っていくことによって進化を促進するという考えです。例えば、マンボウという海水魚は1回の産卵で卵を3億個も産みます。しかし、大人になれるのはその内の数匹ですので、優秀なマンボウが生き残っていくことで、マンボウという種が少しずつ進化していくという考えです。
 そして、人間が2足歩行したような劇的な変化を説明するのが突然変異です。環境の激変など、何らかの条件が原因で突然変異体が発生することがある。たまたま、環境に適応できる突然変異体ができると、それが自然淘汰を繰り返すことで主流になっていき、いつの間にか新しい種が生まれているという考え方です。例えば、ショウジョウバエにX線を照射して突然変異を起こさせて、それを研究するという方法が1920年代に行われており、これを発見した生物学者はノーベル賞を受賞しています。
 それに対して、今西先生は、自然淘汰は起こっていない。その代わり、よく似た種同士は生活の場をずらしていくことで棲み分けているという棲み分け理論を提唱しています。
 地球上の生命の歴史は38億年間かかって150万種もの生命を生み出してきたのですが、新しい種は、既存の種と棲み分けができるフロンティアを求めて進化してきたという世界観を提唱しているのです。
 また、今西先生は「ものごとをマクロにとらえると、生物全体社会の立場を無視して、種社会だけが独走的に変化したり、種社会の立場を無視して個体が勝手きままに変化することはあり得ない」という立場を取ります。

 船井幸雄は昔から競争を前提にするダーウィンの進化論は間違っており、共生を前提にする今西進化論が正しいと言っています。父にとっては京大の大先輩であり、学生時代に直接お話を聞く機会もあった今西先生の教えは、父の代表的な考えにもなった百匹目の猿現象が観察されたのが、その今西先生が作った幸島の京大霊長類研究所だったことと併せて、それこそシンクロを感じる出来事なのです。
 今西進化論では種は進化するときは、目的を持って進化すると言っています。個体によって進化のスピードの違い、早い遅いはありますが、結局はすべての個体が種全体の目的に沿って変化していき、新しい種が生まれていくのです。それは、何らかの理由で生物と環境のアンバランスが生じたときに、新しい環境に適応するために突然変異を促していくという考えに基づいています。
 いま、人類はいままでの価値観を手放して、まったく新しい価値観で生きていくという突然変異を求められているのではないでしょうか。原発事故による放射能の問題をたん緒に自然災害や経済破綻などの困難に直面することが考えられる現在、突然変異を受け入れて進化していくことでしか、この危機は乗り切れないのかもしれません。
 今西進化論では、ある目的のために変化をはじめたら、目的に適った体制になるまで、しゃにむに変化しきってしまわなければ、その環境の変化に耐えられずに多くの個体が生き残れないし、種自体が絶滅してしまう可能性が高いことも、唱っています。
 私たちは変化に向かって一目散に駆け抜けなければいけないのではないでしょうか。

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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
いま明かされるコトダマの奥義
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★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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