写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2011.10.11(第30回)
天皇は祈る存在

 こんにちは。船井勝仁です。
 私が、いま一番興味があるのは、明治から昭和初期にかけての近現代史です。歴史は繰り返すと言いますが、幕末から昭和20年までの歴史と、昭和20年から現在までの歴史が同じように繰り返しているように思えてなりません。それなのに、いまの私たちはこの時代の歴史の勉強をせずに、戦前はすべて悪かったということで済ませてしまおうとしてきました。
 これでは歴史には学べません。敗戦に至る歴史なので、あまり見たくないのですが、特にいまは大正デモクラシーを謳歌した後、坂道を転げ落ちるように、中国との戦争、そして誰が考えても無謀な(実は当時の人も一番の元凶だと言われている陸軍の幹部も含めてそう思っていました)アメリカとの戦争に突入してしまった昭和初期にそっくりです。
 戦争を始める時の総理大臣である東條英樹の政策目標は、第一に日中戦争を終わらせることでした。開戦の前年である昭和15年に至っても、陸海軍の幹部を含めて何とかアメリカと話をつけなければいけないと思っており、まさか本当にアメリカと戦争をするとは、ほとんど誰も思っていませんでした。
 それをいまの時代に例えると、いまの日本人は99%以上の人が、近い将来日本が戦争をすることなどあり得ないと思っていますが、歴史に学べば、だからと言って2、3年後に日本が戦争をすることは絶対にないという保証にはならないのです。目をそむけるのではなく、恐れずに真正面から歴史に学び、現実を直視することがいまこそ大事なのではないでしょうか。

 このことは、もう少し勉強を進めて、改めてどこかで本格的に発表させていただきたいと思っているのですが、日本の国の成り立ちを考えると天皇制ということを考えることから逃げることはできません。
 できれば、これは一番大きなタブーであり、これを論じないのが、あるべき態度だと長い間思ってきました。しかし、「自立をしましょう」という『未来から考える新しい生き方』(海竜社)での主張を実行するために、この問題に対しても正面から取り組んでみたいと思います。

 まず、近代というものの成り立ちについて考えるにあたって、第一次世界大戦から第二次世界大戦、そして現在に至るまでの世界史の流れを、各国の王政が崩れていき、それが民主主義に変遷していったという観点でみて、その意味を考えてみたいと思います。
 ちょっと陰謀史観的な見方になってしまいますが、この間の世界史は、ヨーロッパやアジアの王室の資産を、時代を牛耳っている金融制度を握っている勢力に移管させることを目的につくられた計画を、100年スパンの長期にわたって実行してきたとみることもできるのではないでしょうか。
 イギリス王室や日本の天皇家等のごくわずかの例外を除いて、この期間で世界中の王室が崩壊してしまいました。崩壊した王室の資産が、大きく言えば一般の国民に流れていれば民主主義が進んだと言えますが、資本主義も極まったいまから考えれば、ただ単に金融セクターにそれが流れただけと言えるのではないでしょうか。そして、世界的にみると金融セクターを握っているのは、実はほんの一握り人達だけのようです。

 そんな世界の王室の中でも、日本の天皇家は最も長い歴史を誇り、実質的な権力は藤原家や平氏、それから幕府や藩閥政府などにあったにも関わらず、ほとんど防備もすることなくその制度が守られてきたという不思議な存在です。例えば、終戦直後の天皇御幸を考えてみましょう。敗戦というとんでもない苦しみを与えた国家元首が民衆の中を歩いて回ることは、他国ではありえないのではないでしょうか。失敗した為政者は石で打たれながら追われるのが普通の姿です。
 今般の3・11大震災にあたっても、天皇皇后両陛下や皇太子ご夫妻が被災地を回られたときの対応は、それを受け入れる被災者の方の態度も含めて、思わず涙を誘われてしまうようなすばらしいものだと伝えられています。
 旧皇族の家に生まれ、明治天皇の玄孫(やしゃご=孫の孫)にあたる竹田常泰氏のベストセラー『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』(PHP新書)によれば、天皇の役割は「天皇は祈る存在」といえば大きく外れることないと書いてありますが、それが天皇制が2600年以上続いてきた大きな理由なのかもしれません。

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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
いま明かされるコトダマの奥義
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