写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2011.7.21(第22回)
大震災の裏側

 こんにちは。船井勝仁です。
 いまは月1回の放送になっているようですが、1977年から続いているNHK−FMの「日曜喫茶室」という長寿番組があります。放送作家のはかま満緒(はかまみつお)さんがマスターをやっている喫茶店にゲストがやってきておしゃべりをしていくという設定になっており、日曜日のお昼のニュースが終わってから14時ごろまでやっている番組です。
 いまは高校生になっている下の息子が小学生の頃、日曜日に千駄ヶ谷の日本将棋連盟でやっている将棋教室に通っており、ちょうどその時間に車で20分ぐらいの距離を送っていくことがよくあり、ニュースを聞くついでにいつもその番組を聞いていました。

 1977年ということは私が13歳の時から続いている番組ということになり、はっきりとは覚えていませんが、中学生や高校生の時、会話から垣間見られる大人の世界にあこがれている自分を思い出せるような気もしています。
 私が子どもを送っていく車の中でよくその番組を聞いていた時の常連ゲストのひとりが作家で慶應大学教授の荻野アンナさんです。NHKのホームページを拝見するといまでも常連のおひとりに名前を連ねていらっしゃいます。

 先日、父と私の二人の面倒をみてもらっている秘書の石アさんが、その荻野さんの著書を渡して「読んでみませんか」と言うのでびっくりしました。本の名前は荻野アンナとゲリラ隊著『大震災 欲と仁義』(共同通信社)で、そのゲリラ隊の一人のイラストレーターの影山千絵さんが石アさんの友人なのだそうです。
 しかも、表紙に写っているのが、にんげんクラブの佐々木重人さんが命をかけて支援している三陸海産再生プロジェクトの代表理事をやっている木村隆之さんの会社、木の屋石巻水産のシンボルだった巨大なタンクが本来の場所から300m流された写真なのです。このシンクロにはこのプロジェクトの会計を手伝ってくれている石アさんも驚いたようです。

 現場に飛び込んでその実態をありのままに伝えることを信条にしており、被災地の模様を感じることができる上質のルポルタージュになっています。そして、荻野さんやゲリラ隊の人たちの少しシニカルなエスプリがきいており、日本の社会の持っている本質を考える格好の材料になると思いました。
 ただ、著者をはじめ、ゲリラ隊の面々もボロボロになりながらのルポだったようで、読んでいる読者の方にもその疲れた気持ちが伝わってくる本になっています。元気の出る本や逆に怖がらせてくれる刺激のある本を読んだときのような高揚感は感じられませんので、それを求めている人は読まない方がいいかもしれません。

 しかし、いま一番私たちにとって大切なのは、現場で何が起こっているかを冷静になって知っていくことですし、そこから、その背景にある本質的な物を見つめていく力だと考えると、この本を読み切り、ある意味日本の社会の縮図である避難所の実態を考えることは自律を目指すための貴重な訓練にはなりそうです。

 一方、とても刺激がある怖い本にはなりますが、盟友の安部芳裕さんの『原発大震災の超ヤバイ話』(ヒカルランド)と合わせてお読みいただければと思います。安部さんの本のなかでとても大事だと思う部分がありますので、その部分(P148〜P150)を引用して本稿を終わりたいと思います。

(引用開始)

 現在、政府が考えているスキームは、賠償額が大き過ぎて東電が支払えなくなった場合は、官民で新設する賠償機構に投入した資金を使って支援するというものです。この賠償機構には銀行が融資を行い、その融資には政府が保証を付ける。機構には東電を含む原発を保有する電力会社も負担金を拠出し、政府も現金と同義の「交付国債」を発行して機構に注入。こうして集まった資金で東電の優先株を引き受けるなどして、東電に資金援助をするという形になります。
 このスキームだと、あくまで東電の存続が前提で、経営の合理化は行うものの、株主や債権者への負担金はありません。経営者は役員報酬の返上、従業員は給与の減額、あるいは企業年金のカットなどが話題になっていますが、金額的には焼け石に水でしょう。そうなると賠償のほとんどが国民負担ということになってしまいます。
 国民負担と言っても、そのための増税は難しいでしょうから、結局は電力料金の値上げという形で徴収されることになると思います。また、東電が温存されるということは、地域独占や発送電一体などのしくみは、そのまま温存される可能性が高いことになります。
 では、どうすれば国民負担を減らせるのでしょうか? 資本主義のルールに則って、東電のステークスホルダーである株主や債権者に負担してもらいましょう。本来、資本主義社会では、債務超過に陥った会社は倒産、株は100%減資が当たり前です。株を減資すれば2.5兆円の国民負担が減ります。
 東電に融資している銀行の債権も放棄すれば、その分、さらに国民負担は減ります。東電の負債10.7兆円のうち、担保付きの債権は5.2兆円ですから、担保なしの債権をカットすると5.5兆円の国民負担が減ります。株の100%減資と債権の放棄を合わせれば8兆円もの国民の負担が減ります。
 この場合、東電は倒産、解体されますが、その過程で事業や資産の売却が行われます。その際は、送電網は国有化して公共のインフラとし、各発電所は一時国有化し、その後分割して新たな発電会社としてスタートするのが良いでしょう。送電網を開放し、発電では再生可能エネルギーの発電事業者も新規参入させ、電力の自由競争を促す。
 このようにすれば、国民の負担を減らし、送発電の分離、再生エネルギーの普及、電気料金の低下が一度に成し遂げられるはずなんですが、いかがでしょうか。

(引用終了)

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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
いま明かされるコトダマの奥義
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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