写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2013.01.01(第74回)
思いを大切にする

 あけましておめでとうございます。旧年中は『船井幸雄.com』をお読み頂きありがとうございました。本年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 新しい年を無事に迎えることができました。昨年は激動の年だと言われ、特に12月21日前後の日にはマヤ暦が終わるので大天変地異がきて人類が絶滅するという話もありました。さすがに、そこまでのことは起こりませんでしたが、12月7日には三陸で昨年の大震災の大きな余震が起こるなどまだまだ安心できる状況ではないことは間違いがないと思います。
 天律時代が到来するためには、私たちは大きな困難を乗り越えなければいけないのかもしれません。今年は世の中がますます混迷を深めていくことは間違いありません。アベノミクスで円安に誘導されて株価も上がっていますが、量的緩和を続けてお金をジャブジャブにする政策は、いつかは破綻する時が来ますので、当面は正しい戦略ですが大きな問題を含んでいることは間違いありません。
 もちろん、この量的緩和政策は日本だけではなく、アメリカやヨーロッパも取っている戦略なので日本だけが文句を言われる筋合いではありませんが、結果として不況とデフレを我慢することで何とか保たれていた日本の財政規律を壊していく方向に行くのは間違いのない事実なのです。
 日本もまともになって日本だけが損をする政策を止めたことは評価できますが、根本的で本質的な解決策ではありませんので、やはり一旦は破綻することは免れないのではないでしょうか。この事態から逃れるためには、いままで中心になって活躍して来なかったが実力がある周辺部にいる人達の力を使い始めることが大切なのだと思います。

 国や大企業などの既得権益を一番持っている大きな組織に世の中を変革する力はないので、国の力に頼らずに自主独立で力を蓄えてきている中堅中小企業やNPO法人などの小さな組織から新しい世の中の萌芽が現れてくるのだと思います。それは、坂本光司先生が『日本でいちばん大切にしたい会社』(あさ出版)で紹介しているような企業ですし、私が『未来から考える経営』(ザ・メディアジョン)で提案したようなまったく新しい思いを持った組織です。
 この時に大切なのが、そこに関わっている人、そこで働いている人の思いを大切にしていくことだということにやっと最近気がつくことができました。自分の思いを大切にしてくれる組織にいれば、一生懸命に考えることができるようになり、個々人の持っている叡智が引き出されるようになります。
 逆に自分の思いを無視されて、上から目線で押し付けられるような組織にいれば、余計な人間関係などに力を使わなければならなくなるので、それぞれの力を存分に発揮することができなくなるのです。でも、リーダーという立場にいる人は、ついつい自分の意見を押し付けたくなります。何でも自分でやった方が早いし、うまくできることが多いのですが、それでは人は育ちませんし、自分の器の大きさが組織の器の大きさの限界になります。

 それをいままでの官僚制では個を無くすことで大きく動かせるようなアプローチを取ってきたのですが、結果としては誰も責任を取らない組織になってしまい、その弊害が許容できる範囲を越えてしまったのでないでしょうか。だから、今度はそれとは逆に徹底的に個々人の思いを大事にして、一人ひとりの意見をトコトン聞いていけるような組織であり、リーダーが必要になってきているのです。

 船井幸雄のコンサルティングの特徴は自分を押し付けないことだと、古いお客様から教えていただきました。コンサルタントとしてのアドバイスをするよりも、その会社がやりたいことをうまくするためにはどうすればいいかというアドバイスをしてきたというのです。それで例え失敗しても今度はその失敗を糧にしてその企業が強くなっていくのだそうです。
 そして、自分たちの意見を真剣に聞いてくれるので、船井幸雄は日本の流通業界で絶大な人気があったのです。これからのリーダーは父がコンサルティングの現場でやっていたような、相手の思いを瞬時に見ぬいてしまう能力に加えて、その相手の思いを相手が納得するまでじっくり聞いていけるだけの忍耐力が必要なのです。
 いつもは早寝早起きの船井幸雄もコンサルタント先の方が、真剣な相談がある時は夜中まででも徹夜をしてでも相談に乗っていたということを教えてもらいました。一人ひとりの思いに真剣に対処することが、この混迷の時代を生き抜くキーワードなのだという確信を持ったことを年初のメッセージとしてお伝えさせていただきたいと思います。


『未来から考える経営』表紙画像
『未来から考える経営』
★船井勝仁の最新刊『未来から考える経営』(2012年10月発売 ザメディアジョン刊、1,200円(税込))が好評発売中!!

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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)、『失敗から学ぶ』(2012年7月海竜社) 、『未来から考える経営』(2012年10月 ザメディアジョン)などがある。
『未来から考える経営』表紙画像
★にんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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