写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2011.10.01(第29回)
第1条と第9条

 こんにちは。船井勝仁です。
 私は加治将一先生の歴史ミステリーが大好きです。その中でも、『幕末 維新の暗号』(祥伝社)で明治天皇すり替え説を書いたり、『舞い降りた天皇(すめろぎ)』(祥伝社)では、天孫降臨を発明したのは誰かという大胆な論を書いたりしていて、最初に見たときはこんなこと書いて大丈夫だろうかとずいぶんドキドキしながら読んだことを思い出します。
 少なくとも明治天皇のお話しは、にんげんクラブの会員の皆様の間では、もしかしたらそんなことがあるかもしれないという程度には確実に認知されてきているのではないでしょうか。
 歴史ミステリーの第4弾で昨年上梓された『失われたミカドの秘紋』において、中国政府のエイジェントの考えとして以下のような大胆な見方を披露しています。おもしろいので、少し引用します。

(引用開始)
 天皇を持ち出せば、いかなる毒舌家も沈黙し、臆病なメディアは口を閉じ、無頼の徒も土下座する。すなわち天皇制は自由精神を破壊する屈強なシステムで、逆に言えば天皇制が崩れれば階級社会システムがあっという間にばらけ、自由精神が目覚め育ってゆくのは明らかである。そうなれば国民は真の民主主義を歩みはじめ、さらには底知れぬ大策士が歴史に登場し、日本は再び我が国に牙をむく。
(引用終了)


 この小説において、加治先生は上記のような理由で、中国は本音では日本の天皇制が維持されることを望んでいるという考えを述べています。また、加治先生の天皇制に対する意見は推測ですが、天皇制そのものは有効なものだと思っていますが、天皇家を取り巻く現在の宮内庁を中心とする体制には大いに問題があると思っているようです。

 少し前のことになりますが、メキキの会で河内正臣先生の「天皇の真実」という講演をお聞きしました(河内先生の著書に『天皇の真実』(たま出版)があります)。自分ではよく覚えていないのですが、その講演をお聞きして、私が「これを知らして行くのは、にんげんクラブの役割ですね、と言った」と出口光会長に言われました。確かに、それほど興奮して河内先生のお話をお聞きしました。
 河内先生の論は、昭和天皇についていろいろなことを語っていますが、その一番大切なポイントは、平和憲法の発想者が昭和天皇その人であったという点です。これは昭和21(1946)年3月6日の官報にはっきりと以下のように記述されており、明確な証拠があります。

(引用開始)
昨五日内閣總理大臣ヲ宮中ニ召サレ左ノ勅語ヲ下腸セラレタリ

日本國民ガ正義ノ自覚ニ依リテ
進ンデ戰爭ヲ抛棄シテ
國民ノ總意ヲ基調トシ
憲法ニ根本的ノ改正ヲ加ヘ
政府当局其レ克ク朕ノ意ヲ體シ必ズ此ノ目的ヲ達成セムコトヲ期セヨ

(引用終了)


 そして、その昭和天皇の思いや、それを受け継いだ今上天皇も即位後の朝見の儀で「憲法を守り」と大詔を発せられて、明確に平和憲法を守る意思を示されています。そのことを私たち国民はしっかりと受け止めなければいけないという論を展開されているのです。
 日本国憲法第一条には、天皇は日本国民統合の象徴であることが記されており、第九条には戦争放棄がうたわれています。一条を大事にする右翼勢力と、九条を信条とする左翼勢力が、実はその天皇ご自身が九条の発案者であることを理解することで、中翼(仲よく)になることを提言しているのです。
 日本という国のあり方について、万世一系の天皇制を中心として成り立っているという考え方も、平和憲法をひたすら守ることを大切にし、天皇の戦争責任を追求するという考え方も、実はどちらも中途半端であり、両方の考え方を包み込むようにしていかなければいけないのかもしれません。



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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
いま明かされるコトダマの奥義
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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