写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2012.09.11(第63回)
最近読んで参考になった本

 先月、台湾の李登輝元総統にお会いしてきたことを書きましたが、20年近く前に父や私を李登輝総統にご紹介して下さったのが、外交評論家の加瀬英明先生です。今回は、その加瀬先生が三島由紀夫と最も親しかった外国人特派員として知られているイギリスのヘンリー・S・ストークス氏と出された共著からご紹介させていただきたいと思います。

1.加瀬英明、ヘンリー・S・ストークス共著 『なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか』(祥伝社新書)

 私は加瀬先生には大変お世話になっています。若いころ、船井総研の仕事に行き詰まり、都市銀行のニューヨーク支店でトレーニー(訓練生)をさせていただいていたことがありました。その時に、加瀬先生がニューヨークに来られた機会にお会いさせていただき、共和党系の有力なロビイスト(=圧力団体の利益を政治に反映させるために、政党・議員・官僚などに働きかけることを専門とする人)である弁護士の先生をご紹介いただいたことがあります。
 1年間のトレーニーを終えてもまだ帰国したくなかった私は、加瀬先生にお願いして、その弁護士の先生の事務所に半年間の研修生として受け入れてもらい、アメリカの政治について学ばせていただいたことがあります。
 議員の力が強く、その政策の立案を担当するシンクタンクの実力が高いアメリカ政治の実態を垣間見ることができ、アメリカでシンクタンクが果たしている機能(もしかしたら議員が果たしている機能も含めて)を日本では、キャリア官僚たちがすべて実権を握っている仕組みがよく分かるようになりました。
 李登輝総統にお会いして、加瀬先生のことを思い出していたのですが、とても時宜にかなったすばらしい本が出版されました。加瀬先生は、第二次大戦が、イギリスを助けるためにヨーロッパ戦線に加わりたかったルーズベルト大統領が、絶対に戦争に参戦することに反対であった当時のアメリカの世論を納得させるために、戦争を始めざるを得ない状態に日本を追い込んでいって、日本が仕方なく戦争を始めたものだったということを、わかり易く説明されています。
 私も、当時のアメリカの世論の事がよくわかっていれば、例え東南アジアのイギリス軍に対して戦争をはじめても、ルーズベルトは日本と戦争できなかったのではないかという小論を書いたことがあり、この意見にはまったく賛成です。そしてストークス氏のアメリカの日本に対する政策は、そのきっかけをペリーがつくり、それをマッカーサーが収穫したというイギリス人ならではの鋭い視点に驚きましたが納得もしました。
 そして、アメリカやイギリスの意図とは違い、日本にキリスト教を広めることに失敗し、それどころかせっかく戦争に誘い込んだ日本が予想以上に強く、直接の戦いには勝利を納めましたが、それが原因で欧米諸国が植民地を失うことになり、日本の頑張りが帝国主義を終焉させる大きな原因になったということは、日本人としてそういう意見があることを知っておくべきことだと思います。
 戦後の日本政治の大きな分かれ目になった政策に関する記述を最後に転載したいと思います。この様な大きな分岐点が近い将来来るように思うからです。

(引用開始)

 1980(昭和55)年6月に、小室直樹氏から便りを貰った。そのなかに、「吉田茂という人は、本当の意味での一流の政治家ではなかったという洞察は、現代日本の禍根を摘出して余すことがないと思います」と、したためられていた。
 私が近刊本のなかで、吉田首相はサンフランシスコ講和条約に調印して帰国してから、すぐに国民に日本国憲法の是非を問うて、政治生命を賭けて改憲に取り組むべきだったが、そうしなかったのは、「一流の政治家に値しない」と論じたのに、触れたものだった。
 もし、吉田茂に歴史への洞察力があったとしたら、日本が独立を回復してから、憲法改正を試みるべきだった。そうしなかったために、経済を至上として、アメリカに防衛を依存するようになった。日本国民の意識のなかで、占領時代と、独立を回復した後とのあいだに、明確な線を引くのが難しいのは、このためである。

(中略)

 あの歴史が白熱した時に、あのような人を首相としていたのは、日本にとって不幸なことだった。吉田政治は小室氏の言葉を借りれば、「現代日本の禍根」をつくりだした。国の指導者たる者は、50年、100年先を見通す力を持っていなければならない。

(引用終了)


 私は加瀬先生とは違う立場で、憲法改正には必ずしも賛成ではありません。どちらかと言うと、河内正臣著『天皇の真実―憲法一条と九条よ!地球を一つに繋げ!』(メタ・ブレーン)で主張されている、天皇について書かれている一条と不戦について書いてある九条を共に大切にして、右翼でも左翼でもなくて「中翼(仲良く)」になるべきだと思っています。
 しかし、やはり昭和27年に独立を回復した時に、憲法改正の論議はしっかりしておくべきだったと思います。もうすぐ、日本の政治はアメリカだけに頼っていられる時代からの脱皮を迫られる可能性が高いと思いますので、将来に禍根を残さない国民の合意形成を試みるべき時が来るのではないでしょうか。

2.副島隆彦著『隠された歴史』(PHP研究所)
 前著でとりあげられていた小室直樹氏の考え方を継承されているのが、船井幸雄もよく取り上げる副島隆彦先生です。副島先生は経済や金融の分野の著書が多いのですが、私は歴史や政治学の事を書かれた副島先生の本が大好きです。それは、誰に遠慮することなく、副島先生ならでは切り口で歴史や政治の現実を切り裂いていくからです。
 本書では、仏教について取り上げられています。本当の仏教であるお釈迦様の言葉は、中村元著『ブッダのことば―スッタニパータ』(岩波文庫)に書いてあるものだけを読めば十分で、その意味は「人間は死ねば終わりだという徹底した無神論」である。これが、副島先生の本書での主張です。その部分を引用します。

(引用開始)

 仏教(ブッダ本人の言葉)は、徹底的に、無神論である。ブッダは、「一切の神」を信じない。仏教の神は、仏様(ブッダ)その人だが(笑)、ブッダ自身は、自分を神だとは言っていない。それらのすべてを否定している。日本にまで伝わった今の大乗仏仏典はブッダが死んで6世紀(600年)後の紀元150年ごろに作られた思想である。「空」とは絶対的な「無」のことである。アレコレ難しいことを言う仏教理論家たちがいるが、空とは無のことである。これ以外の解釈はすべて煩雑な虚偽だ。人間は死ねば一切が消える。すべては、無に帰るという思想だ。私はこのように断言する。出家した者は、生きている限り真面目に修行せよ。ただし、いたずらに厳しい修行(苦行)の類はするな、そしてひとりで死に向かえ、という一点で、ブッダは悟った。

(引用終了)


 そして、一般に日本にも広がっている大乗仏教を作ったのは、紀元150年ごろに龍樹(ナーガル・ジュナ)であり、「中観」も「空」の思想も彼によって作られたものである。そして、この大乗仏教の思想は、原始キリスト教の思想が強く影響しているというのです。
 私たちが普段信じている仏教の成り立ちとはまったく相容れない思想ですが、とてもワクワクと知的興奮が味わえるこの本を時間があるときにぜひじっくりとお読みいただければと思います。
 先日、勉強会でお話をいただいた時に副島先生にお伺いすると、今年11冊の本をご出版される予定になっている売れっ子の副島先生ですが、この本は最も力を入れて書かれた1冊であることは間違いないということです。私のように、経済金融分野のご著書の読者が多いと思いますので、本書を読んで、副島先生の真骨頂を味わっていただければと思います。

3.小山敬子著『介護がラクになる「たったひとつ」の方法』(サンマーク出版)

 小山敬子先生は長らく『ザ・フナイ』に「波動ジャンキー」というエッセイを連載していただいていました。
 介護の世界に2000年の介護保険ができるはるか以前から参入していた業界の先駆者であり、そしていつも介護の世界で新しい分野に挑戦してきました。
 最近では「おとなの学校」という手法を取り入れ、奇跡的な事例を多く創りだして、フランチャイズ方式で「おとなの学校」を全国に広げようとしています。
 そして、面白いのは小山先生が「波動ジャンキー」的な生き方を実践していると、新しい介護事業のやり方が具体的にどんな施設を作ればいいのかまで設計図が見えない世界から浮かんできて、その通りに実践すると事業がうまくいくというのです。周りの見えていない人たちに妥協して、見えた通りにやらないと様々な問題が起こるというのですから、筋金入りです。
 こんな経験を積み重ねて小山先生は介護の本質を掴みつつあるようです。そのノウハウをまとめたのが本書になります。
 私は9月22日、23日の「船井幸雄オープンワールド2012」に合わせて出版する予定の新著『「未来から考える経営 〜新しい感性で時代を切り開く5人の経営者〜」』(ザメディアジョン)で小山先生を取り上げさせていただいて、なぜそのような経営ができるようになったかを私なりに分析させていただきましたので、そちらもよろしくお願いします。

 さて、本書は1年前に出版されたものです。東京に台風がやってきてほとんどの電車が止まってしまった日に本書の出版記念パーティーがありました。とても行けそうになかったので、欠席したい旨の連絡をしたところ、「勝仁さんなら絶対に来られる方法を思いつくから、何とかして来てね」と言われて、大雨の中、バスを乗り継いで家までたどり着き、そこから前がほとんど見えないような天気をおして自家用車で会場に向かった事をよく覚えています。
 今回、自分の著書に小山先生を取り上げるに当たって本書を読み返してみたのですが、介護をする時やもっと大きく言うと人生を考えるに当たってとても大切なメッセージが散りばめられていることに改めて気がつくことができ、ここで本書を紹介させていただくことにしました。特に介護という面では、具体的な事例に対する対処法が、小山先生ならではの人間の尊厳を大切にするというポリシーに繋がっている大胆な方法がわかり易く解説されているので、とても参考になると思います。
 本書の肝になる「たったひとつ」の方法が書かれているプロローグの一文を最後に引用させていただきます。

(引用開始)

 介護には正解がない、とよくいわれます。しかし、介護の場面で遭遇する様々なケースにも、「意欲」という方向性で考えれば、必ずその対処法が見えてきます。「応用が利く」ようになるのです。
 さらにいえば、介護のひとつひとつに対する対応策を考えるのも大切ですが、最も大切なことは、認知症だろうと半身不随だろうと、高齢者も私たちとまったく同じ「人」であることを再確認することです。そう考えたとき、介護をラクにする「たったひとつ」の方法が見えてきます。
 それは高齢者に「生きる意欲」をもってもらうこと。
 私たち現役世代も子どもたちも意欲ひとつですべてが変わるように、高齢者にも「意欲ある生活」があれば、介護は劇的に変わるのです。
 介護はひとりの人間の総決算。その方の人間関係の総決算であり、充分に実りあった人生のしめくくりです。ご縁があってこの本を手にしてくださったあなたには、それがきっと伝わると思います。

(引用終了)


4.佐藤優著『人間の叡智』(文春新書)

 先に紹介した副島隆彦先生とも共著がある外務省出身の評論家佐藤優氏の語り下ろしの本書を紹介したいと思います。佐藤氏は「国策捜査」というものがあるということを明らかにしたという点で記憶に残っている人ですが、その知的な造詣の深さは他を寄せ付けない域に達しており、おびただしい著書が発表されています。
 正直に言うと、私の感性とは相容れないものがあり、普段はあまり読んでいないのですが、語り下ろしであり読みやすいことと『人間の叡智』という題名に惹かれ、新幹線の駅の書店で本書を買い求めました。そして、その内容に改めて驚き、私の感性には合わないことを前提にしながらも、佐藤氏の副島先生の考え方にも通じる冷徹なものの見方を紹介することも大きな意味があると思い、本書を紹介させていただきたいと思います。
 本書の主張を簡単にまとめると、世界の現実は「新・帝国主義」の世界になりつつあるということです。そして、その中で日本という国が生き残っていくためのインテリジェンスをどう読者に伝えていくかが本書のテーマになっています。新・帝国主義に関するくだりを引用します。

(引用開始)

 新・帝国主義の世界では、大国間の戦争は防げるでしょうが、帝国主義の時代と同様、国家の生存本能が剥き出しになってきます。相手国の立場など考えずに、自国の利益を最大限に主張する。相手が怯(ひる)んで、国際社会が沈黙すれば、横車を押す。そうして権益を拡大していく。新でも旧でも、それが帝国主義本来の生き方です。
 そして、諸国家が二つのグループに分かれてしまう。世界の国際秩序を作る主体的なメンバーとしての国家群と、作られた秩序を受け入れるだけのパッシブな国家群。エリートクラブと非エリートクラブにはっきり分かれてしまうのです。いまのエリートクラブは、G8(日米英仏独伊露加)プラス中国。日本没落論もありますが、日本にはまだ国際政治の秩序をつくるだけの力が明らかにあります。最近の中東情勢でも相当のプレイヤーとしての役割を果たしている。ただ、その意識が希薄であるのが問題です。
 日本という国の問題は、帝国主義のゲームのルールがよくわかっていないことです。対してアメリカもロシアもそれがよくわかっている。一方、中国は、どこまでわかっているか怪しい。中国は見るからに帝国主義として振る舞っていますが、やり方が非情に稚拙です。新・帝国主義の時代のルールは、横車を押すけれど、もし相手が猛然と反撃してきて、国際社会においても少しやり過ぎだとみなされた場合には、国際協調に転ずることもありうる、ということがわかっていない。ただし協調といっても心を入れ替えるわけではなく、これ以上ゴリ押しすると結果として自国にとって損になるから、取りあえず妥協に転ずるというだけなのですが。

(引用終了)


 本当に明確です。多分、現実の3次元世界においては国際政治はこのように動いているのは間違い無いと思います。だから、私はいまの憲法は大事なものだと思いますが、加瀬英明先生が主張されるように、アメリカに押し付けられたと多くの人が思っている憲法の見直しのための論議をすることは大切なことであり、これができなければ、日本人は新・帝国主義のルールがいつまでたってもわからないことになってしまうのだと思います。
 この本を取り上げようと思った本当の理由は、佐藤氏が野田首相は結構、日本の利害をどうすれば受け入れてもらえるかという新・帝国主義のルールが分かっているのではないかという見方をされていることでした。佐藤氏は新・帝国主義的な考え方から見るとTPPには参加しなければならないという意見で、私は、TPP、原発再稼働、消費税の増税の3点セットに反対という立場で明確ですので、その意見とは相容れないのですが、実は私も結構野田首相は頑張っているのではないかという見方をしています。
 確かに、アメリカの言いなりになっていては未来はないということも正しい主張ですが、では、アメリカに頼らずに日本がやっていくにはどうすればいいという議論をしていないことも事実です。
 少なくとも現実的な3次元の世界では、新・帝国主義的な手法が拡がっていく事は間違いない中で、日本はルールが分かっているアメリカという超大国が相対的な力を減らしていく中で、実はルールがわかっていない中国というどんどん力を付けてくる超大国とどのようなゲームを展開していくかが大きなポイントになるという主張には納得できるものがあります。
 官僚の言いなりになっているだけという見方もできますが、現実的なゲームの中では、世論とのバランスも含めて人気はありませんが、野田首相の政権運営に対して私は合格点を上げてもいいように思っています。
 読者の皆様は違う意見を持っているかもしれませんが、一度本書を読んでいただき、国際政治の現実を知っていただくことも大事なことだと思います。

5.藻谷浩介、山崎亮共著 『藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?』(学芸出版社)

 この本は『デフレの正体』(角川Oneテーマ21)というベストセラーがある経済評論家の藻谷浩介氏とコミュニティーデザイン(地域の課題を地域に住む人が解決するための手法)の第一人者である山崎亮氏の対談をまとめた本です。今回は、加瀬英明先生や佐藤優氏の本を取り上げていますが、どちらかと言うと本書が私が実際に考えている経済や政策のあるべき姿と考えているものに近い主張がなされているものです。
 『デフレの正体』は人口の増減、特に15歳から60歳までの生産人口の増減が経済成長にとって最も影響があるものであり、日本は明らかにこの人口が世界中のどこよりも急激に減っていることが現行の不況の本当の理由であるということを明確に示した衝撃の本でした。
 本書はまえがきで藻谷氏が、この様な題名で本を出せば、経済成長は要らないと言い出したと誤解されたら困るから出版に躊躇したと断りながらも、以下の引用に明確に示されていることを明らかにするために出版されました。

(引用開始)

(山崎氏の発言)
 そのテーマが、「経済成長がなければ、僕たちは幸せになれないのか」というものです。これは、ダグラス・ラミスという人が『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』(平凡社)という本を2000年に出していて、そこから取ったタイトルです。ほぼ10年も前にそういうテーマの本はあったのです。が、この本の前書きにはタイトルを決める経緯が書かれていて、そもそも著者はこういうタイトルにするつもりはなかったらしいのです。本文を書いている時は「common sense(コモンセンス)」という英語のタイトルを付けていて、「新しい時代の新しい常識」といったタイトルにしようとしていたようなのです。実際、日本の憲法九条をどうしていくのか、働き方、生き方をどうしていくか、新しい時代の常識として僕らは何を頭に入れておくべきかということが書かれていて、最後にタイトルのことを編集者と話し合っていくなかで、「もともと経済成長がないとダメだ、と思い込んでいる常識を変えないと、いろんな問題に対する新しい視点が見えてこない」という意見が出てきたというのです。タイトルもそれを反映して「経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか」というものに急遽変えたといういきさつが紹介されています。
 僕としては同じ問題意識はあったのですが、この本には経済成長そのもののことはあまり書かれていないので、もう一度、経済成長と僕らが普段やっているような市民としての活動の関係性について聞きたいなとずっと思っていました。今回、こういう機会を得られ、地域の実情と経済問題と両方を見ている藻谷さんに、ぜひともそれをお尋ねしたいと思っています。
 なぜ、それが気になるか。それは、経済的には決して成長しているように見えない全国の中山間地域で、それでも豊かに楽しそうに暮らしている人たちにたくさん出会うからです。

(引用終了)


 藻谷氏は決して経済成長が必要でないという話はしていません。しかし、現場に足を運ばずに統計上の数字だけでものをみる危険性にも言及しています。日本の税制は取りやすいところから税金を取る仕組みになっています。だから、経済が豊かなはずの豊田市は実は現場に行ってみるとたくさん税金を取られているのであまり豊かではなく、逆に統計的にはとても貧乏なはずの離島に行くと実はとても豊かな生活を謳歌している現実を見る必要性を訴えているのです。
 私の本書の一部分を切り出して紹介するやり方が、藻谷氏の恐れている経済成長は必要ないという極論につながりかねない面もあるので、気になった方はぜひ実際に本書を読んでいいただきたいと思います。
 ただ、それだけではよくわからないので、あえてリスクを犯して、藻谷氏の発言も引用させていただきたいと思います。

(引用開始)

(藻谷氏の発言)
 ……。経済学には「限界効用の逓減」という一般則があるのですが、年収が伸びて来ることで個人も社会もどんどん豊かになりますが、ある程度のポイントを過ぎたらそれ以上年収が伸びても豊かさの実感はさほど伸びない。つまり踊り場なのかゴールなのかわかりませんが、ある程度落ちつくところまで行ってしまったということです。お金の成長だけを続けるよりも、今度は金銭換算できない価値を増やして良いくらいまでに世の中が成熟してきたんじゃないかということも言えるのですね。

(中略)

 現実に行ってみて、住んでみたら、そんなに貧乏な暮らしでもないことはすぐわかるでしょう。それなのにそう思えないのは、勉強した知識がイデオロギーになってしまっているのです。私はよく「現場を見ましたか」と言うのですが、現場を見ないで、世の中一般の決めつけを盲信してすぐ「ああ、金食い虫だから削ろう」という人を、GM(現場を見ない人)と呼びたくなりますね。またそういう人は、SY(数字を読めない人)ですよ。

(引用終了)


6.佐藤眞志著『足うら重心は幸せの法則』(ハート出版)

 今回の最後は気功の本を取り上げます。本物研究所の佐野浩一社長を通じて紹介を受けた佐藤眞志先生の本です。現代人は重心が頭かその上にあり、バランスが悪い。従来の常識では臍下の臍下丹田に重心を持っていけばバランスが取れると言われていたが、より世の中が複雑になってしまった現代では、もっと下の足うらか、理想的には地球の中心に重心を持っていければとても楽しく生きられる。そして、本書ではそのための簡単な方法「SATOメソッド」が紹介されています。
 そして、それを新潟大学の安保徹教授を始めとする医師や医療の研究者たちが認めており、様々な共同研究が進んでいることが紹介されています。
 本書で佐野浩一が書いている推薦のことばを引用させていただきます。

(引用開始)

 佐藤式気功=SATOメソッドの理論はとてもシンプルで、今まで学んできた知識や経験を超えたユニークな気功法です。
 第一に一般的に知られている気功では、気は外界から体内に入ってくるものですが、SATOメソッドは内界から体内に湧き上がってくる点です。私も体験しましたが、たしかに体の中で気が動いている感じがしました。
 次にSATOメソッドには収縮気と拡大気の二種類の気が存在しています。
 収縮気は意識を身体に集約させる、つまり肉体的な方向に働く気であり、拡大気は身体から意識を解放させる、つまりスピリチュアルな方向に働く気であると書かれています。
 この気功は体と心と魂を癒す気功と言われていますので、この二つの気のバランスが絶妙なのでしょうね。
 また、先生は複数の大学と共同研究をされて、収縮気が交感神経系に反応し、拡大気が副交感神経系に反応することも確認されました。
(引用終了)


 本物はシンプルで万能があり卓効があると船井幸雄は言います。SATOメソッドは本物と言えるのではないでしょうか。

『失敗から学ぶ』表紙画像
『失敗から学ぶ』
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1ミリも嘘を言わない

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カルタゴにならない生き方

Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)、『失敗から学ぶ』(2012年7月海竜社)などがある。
『失敗から学ぶ』表紙画像
★にんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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