写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2011.8.21(第25回)
究極の田んぼ

 こんにちは。船井勝仁です。
 岩澤信夫著『究極の田んぼ』(日本経済新聞出版社)を読みました。実は、柳瀬宏秀さんのコズミック・リーディングという速読法を習いました。この速読法は柳瀬さんの「講座マヤの叡智」を受けた人が対象で、時間は4次元以上のものであり、オーガニック・オーダーであるということを理解していることが前提条件になるのですが、簡単に言えば無の状態になって本を読むと、従来の文字を追っていくという読み方から、視覚を使って記憶していくという読み方に変わります。
 そうすると、大体15分〜20分程度で200ページぐらいの本なら読めるようになりました。ただ、内容を論理的に説明するためにポストイットを使って気になるところをチェックしていって、後からそれを書き出すという作業をするために、それをノートにまとめる作業にいまのところプラス30分程度は必要になりますが、これもなれてくればもっと早くこなせるようになると思います。
 それで、積読になっている本に挑戦を始めました。この岩澤さんの『究極の田んぼ』も2010年4月が発行日になっていますので、1年以上積読になっていたのだと思います。購入のきっかけはよく覚えていませんが、ずっと『ザ・フナイ』に連載を書いてくださっていた中村陽子さんの「メダカのがっこう」の農学的なバックボーンが岩澤さんの農法なので、それを学んでみたいと思ったのだと思います。
 イスラエルの有機の種の話から、農業関連の話をここで書いていますので、速読で読んでそれを報告させていただければちょうどいいと思ったというわけです。岩澤さんの農法は簡単に言えば「不耕起冬期湛水(ふこうきとうきたんすい)農法」です。
 不耕起は田んぼを耕さないで、前年の古株の間に田植えをしていく方法を取ります。不耕起農法を続けているとグロマリンというたんぱく質が増え、これが土壌の団粒化を進め、肥沃化し、肥料も少なくてすむという効果があることが解明されてきており、アメリカやオーストラリア等の農業先進国では不耕起栽培が主流になっています。

 しかし、日本の研究機関は不耕起になると農器具が売れなくなる懸念があることや、過去の常識を否定することができずに不耕起栽培の有用性を認めていないようです。いまはそんなことをしている場合ではなくて、現実を直視して、常識や既成概念を手放し、それから既得権益を手放して行くべき時ではないかと思います。
 冬期湛水は冬でも水を落とさずに田んぼに水を張っておく農法です。そうすると糸ミミズが10アールの田んぼに1千万匹以上発生することになり、彼らが作ってくれるトロトロ堆肥で肥料をやるどころか多過ぎてコントロールしなければならないぐらいになりますし、また、雑草が生えなくなる効果もあり、除草剤を使う必要が無くなるのです。
 その他にもこの本からは色々なことが学べます。例えば、多様な生物が存在するようになった不耕起冬期湛水の田んぼは浄水能力に優れており、この機能を上手く使えば湖の浄化や水道システムの根本的な改善ができること、日本の河川は急流なものが多いので田んぼが無くなれば土壌が流出して国土が荒れてしまうので、田んぼの維持、特に中間地帯にある棚田の維持が重要であること、イネは栄養生長と生殖生長がはっきり分かれている農作物で、イネのことが分かれば他の作物のことも分かる農業の基本とも言うべき作物であること等です。
 自然農法のパイオニアである福岡正信先生の農法は不耕起直播きを基本とするものですが、温暖な愛媛県では成功しますが、東北地方では難しいと考えたため、岩澤さんは苗での田植えをする方法を選びました。それも通常の2.5葉の稚苗ではなく、田植え機ができる前に使われていた5.5葉の成苗を使うというやり方で、古株の間に成苗を植えるための田植え機の開発までメーカーにかけあって実現しました。
 この本を1冊読むだけで、日本の農業の問題、環境の問題、生物多様性の問題等が分かる優れた本です。皆様もぜひ挑戦してみてください。なお、柳瀬先生の「講座マヤの叡智」や「コズミック・リーディング」に関しては扉をたたけば講座が開催される仕組みになっています。詳しくはコズミック・ダイアリーのHP(http://cosmic-diary-internet.com/member3/)をご確認ください。

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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
いま明かされるコトダマの奥義
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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