「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

私達日本人に、是非知っておいていただきたい情報ですので、
今回から４回に分けて、「超近代都市ドバイ」について、お知らせします。
１回目　ドバイの今、
２回目　ドバイの世界一戦略、
３回目　ドバイの商業施設とリゾート、ビジネスチャンス
４回目　乗り遅れる日本

続々とビルが建設されているドバイマリーナエリア

さて、皆様は、ドバイについて、どんなイメージをお持ちでしょうか？
何人かに尋ねた所、
「数年前までは派手な開発が進んでいたけれど、
リーマンショック以降は投資がストップして開発が中断し、
建設途中で作業をやめたビルで、廃墟のようになっている」
という答えが多かったです。
私もそう思っていました。

ところが、行ってみると、全く違っていました。
おそらく、今、世界一発展している都市は、ドバイです。

ドバイは、２００８年９月１５日のリーマンショック、
２００９年１１月のドバイショック（Dubai crisis）を乗り越えて、
実は、翌２０１０年には急回復し、２０２０年の万博に向け、今、ものすごいスピードで発展しています。

今、アメリカンドリームならぬ、ドバイドリームを叶えている人がたくさんいます。
日本では想像できないほどのチャンスがたくさんあります。

ドバイのワイキキ、ジュメイラビーチ。ジュメイラとは美しいという意味

ここには、いわゆる中東のイメージは全くありません。
建物は、この１０年以内に建ったものばかりで美しく便利、お酒を含む世界中の食べ物があり、
砂漠なのに緑も豊富で、水道水も飲めるほど衛生面も進んでいます。
入国する際に荷物検査をするほど、治安も良く、世界では「住みたい国Ｎｏ．１」と言われる国です。

埼玉県くらいの敷地（しかも砂漠）しかなく、石油が出ない
中東の砂漠の超小国が、この数年で如何にして繁栄を築いたのか？

そこには、首長の緻密な戦略がありました。
これから４回に渡り、その秘密を書き綴りたいと思います。

ワイキキを近代的にしたような マリーナ地区の通り　The Walk

◆ドバイを一言で表すなら
「ドバイ　＝　砂漠＋ハワイ＋ニューヨーク」
エメラルドグリーンの海と、砂漠の間に、
ワイキキとニューヨークがある　のです。

ドバイは、ＵＡＥ（アラブ首長国連邦）の７つの首長国の１つ。
埼玉県くらいの砂漠に、４０万人のドバイ人と、２００万人近い外国人（労働者）が住み、
男女比は８：２（日本人の登録は子供を含み２６００人）。　

世界一高いビル「ブルジュ・カリファ」の展望台（４２０ｍ）から撮影 左から、海、ワイキキのようなリゾート、ニューヨークのような高層ビル街。 さらに右側には砂漠が続きます。

◆ドバイ人は超お金持ち
つまり世襲の首長による絶対君主制で、
一握りのドバイ人が、巧みに外国人と金融をコントロールして裕福な暮らしをしている国です。
ドバイ国民は、水道・電気代、教育費、医療費などが無料。
大卒初任給は、１０００万円（年）
さらに、つい最近までは、結婚すると大邸宅がもらえたそうです。

ですから物価は、ドバイ人には手頃な価格でも、日本人にとっては高く感じることでしょう。
交通機関は安いものの、普通のランチが１５００円くらい。
せっかくのフリーポートではありますが、
世界中で売られているハイブランドの商品も、日本より高く、
現在の円とディルハムの為替レートでは、
多くの日本人にとって、
残念ながらショッピング天国ではありません。
でも、どのブランド店でも、大人買いをするドバイ人に出会います。
その様子は３回目にご紹介します。

金持ちドバイ人と結婚して裕福に暮らしたい？
残念ですが、それは難しいようです。
イスラム教は、他教徒との婚姻を禁じているからです。
特に非イスラムの男性とイスラムの女性の婚姻はできません。
女性はアバヤという黒装束を着用（アバヤはコート。実は中の服は派手）
していて、顔もよく見えませんし、家族以外の男女は隔離されているので、
自由恋愛もできないようです。

ドバイマリーナエリア。運河の向こうはビジネス街

つまり、どんなに外国人労働者が入ってきても、彼らとの間に子供ができることがないので、ドバイ人は増えず、彼らの特権は維持できるのです。
ここが、フランスなどと、大きく違う所です。
フランスは、外国人労働者を受け入れた結果、今や生粋のフランス人を見つけられないほど様々な人種が混じり、生活レベルの格差が広がっています。

これからＴＰＰなどで外国人を受け入れるかもしれない
日本がどうするのか、参考になる点だと思います。

資源も土地も産業もない国、ドバイが、
ここまで発展するために、どのような政策を取ったのでしょうか？
その巧みな戦略について、詳しくは２回目に詳述します。