「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

暦の上では冬ですが、芸術の秋、文化の秋は、まだ続きます。
土日のお出掛けのお薦めは、「エルメス HERMES」が
銀座のエルメスビルで、予約不要＆無料で公開している
「ジュリオ・ル・パルク　Julio Le Parc展」　〜2021年11月30日
外壁を含むビル全体を使った大規模な展示会です。

ファサード

1928年アルゼンチン生まれのParc氏が
30歳で渡仏した1958年頃からの作品が展示されており、
テーマは「Les Couleurs en Jeu by Julio Le Parc−遊びと企て」

まさに、色遊びと計画的な思考の下に考え抜かれた
色の選択、配置、光の扱い、動き。
見る人によって、また自然光が入る空間ならではの鑑賞時間や
タイミングによって、様々な感じ方ができ
大人もお子さんも、誰もが楽しめる作品群です。

特に、鑑賞する人が作品に参加することで変化していく
インスタレーションの数々は、
チームラボやNAKIDなどの光のアートの原点
とでも言いましょうか、見るだけでも十分楽しいのですが
自分自身が作品の中に入りこむことで
また別の楽しみが生まれる世界がありました。
2フロアをぶち抜くダイナミックな作品もあり圧巻！
自分もその一部になれ、一瞬だけでも唯一無二の作品として
完成する喜びは、無条件に楽しい！
全て写真撮影OKなので、次はこんな風に撮ろう！
こんな作品に仕上げよう！な〜んて気持ちになり
何回も行きたくなります。

Parc氏の出発点は、白と黒の無彩色の世界。
コンピューターグラフィックスの無い時代に
白と黒だけを使って、階調、濃淡、明暗で表現された
初期の作品は、動きを付けたものもあり、
アイディアに富んでいます。
色が無いからこそ、光について考えされられますね。

	この作品は動きます

無彩色の世界から発展させたカラーの作品群では
色の可能性を追求し、
Parc氏が創造した14色に絞り込んだカラーを使い
色彩学的なカラーチャートとは全く異なる
独自の色の世界が現れます。

代表作で、エルメスのスカーフにも採用されている
「La Longue Marche（ロング・ウォーク）」など
レインボーカラーは、見ているだけで元気になりますが
1959年のカラープロジェクトなど時代を追った展示で
どのような思考と試作を経てこの作品に至ったかが
分かるようになっていたのも良かったです。

カラープロジェクト

エルメスビルの壁面の作品はカラーフィルムを貼っています。
20周年を迎えるこのビルの壁面がガラスなのは
この作品を展示するためだったのではないかというほど。
光が差し込むことで作品が変化するため
天気や時間によって様々に色を鑑賞することができます。
それを内側から見る↓の写真のようになっています。

ビル壁面内側

インスタレーション作品の中では
新作のモビールが印象に残りました。
5メートル超の高さのある樹のような形。
3360枚の鏡のようなステンレススチールが、くるくる回って
ビルの壁面のガラスを通した自然光を受けてキラキラ光り
そこに自分が写りこむというもの。

モビール1

モビール2

パルク氏は、92歳で現役！
私が生まれる前からずっと色を追求して、今もなお
作品を創り続けている情熱に感動しました。
芸術家はエネルギッシュで長生きですね。
パワーをもらえますよ。

解説パネルもお読みください。

解説1

解説2

解説3