船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
外郎売(ういろううり)
2020.9.8(Tue)
社名:(株)本物研究所
名前:松本 ゆか

「外郎売の口上」をご存知でしょうか?

「外郎売」とは
享保三年(1718年)に
二代目市川團十郎によって初演された
歌舞伎十八番の演目です。

声優、俳優、アナウンサーなど
声を使う仕事を目指す人は
発声や滑舌、演技の勉強のテキストとして学びます。

歌舞伎の演目としても楽しく奥の深い
稀有な作品です。

今日は、その「外郎売」をご紹介します。

…………………………………………………

「外郎売」の台詞は
前段、中段、後段から成り立っています。


……先ずは出だしから


「拙者親方と申すは、
お立合いの中に、御存知のお方も御座りましょうが、
御江戸を発って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて、
青物町を登りへおいでなさるれば、
欄干橋虎屋藤右衛門、
只今は剃髪致して、円斎となのりまする。

元朝より大晦日まで、お手に入れまする此の薬は、
昔ちんの国の唐人、外郎という人我が朝へ来たり、
帝へ参内の折から、この薬を深く籠め置き、
用ゆる時は一粒ずつ、冠のすき間より取り出す。

依ってその名を帝より、「透頂香」と賜る。
即ち文字には「頂き、透く、香い」と書いて
「とうちんこう」と申す。

只今はこの薬、殊の外世上に弘まり、
方々に似看板を出だし、
イヤ、小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと、色々に申せども、
平仮名をもって「ういろう」と記せしは、親方円斎ばかり。

もしやお立合いの中に、熱海か塔ノ沢へ湯治にお出でなさるるか、
又は伊勢参宮の折からは、必ずお門違いなされまするな。

お登りならば右の方、お下りなれば左側、
八方が八棟、表が三棟玉堂造り、
破風には菊に桐のとうの御紋をご赦免あって、系図正しき薬でござる。

イヤ最前より家名の自慢ばかりを申しても、
御存知ない方には、正身の胡椒の丸呑み、白河夜船、
さらば一粒食べかけて、その気見合いをお目にかけましょう。

先ずこの薬をかように一粒舌の上にのせまして、
腹内へ納めますると、イヤどうも云えぬは、
胃、心、肺、肝がすこやかになって、薫風喉より来たり、
口中微涼を生ずるが如し、魚鳥、茸、麺類の食合わせ、
其の他、万病速効ある事、神の如し。」


……そして、中段以降には入っていくと
畳み掛けるような早口言葉へと進んでいきます。


「さて、この薬、第一の奇妙には、
舌のまわることが、銭ゴマがはだしで逃げる。

ひょっと舌がまわり出すと、矢も盾もたまらぬじゃ。
そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。

アワヤ咽、さたらな舌に、カ牙サ歯音、ハマの二つは唇の軽重、
開合さわやかに、あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを、
一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、
盆まめ、盆米、盆ごぼう、摘蓼、摘豆、つみ山椒、
書写山の社僧正(しょしゃざんのしゃそうじょう)
↑※ここが一番 の難所
粉米のなまがみ、粉米のなまがみ、こん粉米の小生がみ、
繻子ひじゅす、繻子、繻珍、親も嘉兵衛、子も嘉兵衛、
親かへい子かへい、子かへい親かへい、ふる栗の木の古切口。

雨合羽か、番合羽か、
貴様のきゃはんも皮脚絆、我等のきゃはんも皮脚絆、
しっかわ袴のしっぽころびを、三針はりながにちょと縫うて、
ぬうてちょとぶんだせ、かわら撫子、野石竹。

のら如来、のら如来、三のら如来に六のら如来。
一寸先のお小仏におけつまずきゃるな、細溝にどじょにょろり。

京の生鱈、奈良なま学鰹、ちょと四五貫目、
お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ、茶立ちょ、
青竹茶せんでお茶ちゃっと立ちゃ。

来るわ来るわ何が来る、高野の山のおこけら小僧、
狸百匹、箸百膳、天目百杯、棒八百本。

武具、馬具、ぶぐ、ばぐ、三ぶぐばぐ、
合あわせて武具、馬具、六ぶぐばぐ、
菊、栗、きく、くり、三菊栗、合わせて菊栗六菊栗、
麦、ごみ、むぎ、ごみ、三むぎごみ、
合あわせてむぎ、ごみ、六むぎごみ。

あの長押の長薙刀は、誰が長薙刀ぞ。
向こうの胡麻がらは、えのごまがらか、真ごまがらか、
あれこそほんの真胡麻殻。


………そして、クライマックスの後段です。


がらぴいがらぴい風車、
おきゃがれこぼし、おきゃがれ小法師、ゆんべもこぼして又こぼした。
たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、
たっぽたっぽ一丁だこ、
落ちたら煮て食お、煮ても焼いても食われぬものは、
五徳、鉄きゅう、かな熊童子に、
石熊、石持、虎熊、虎ぎす、中にも東寺の羅生門には、
茨木童子が、うで栗五合つかんでおむしゃる、
かの頼光のひざもと去らず。

鮒、きんかん、椎茸、定めて後段な、
そば切り、そうめん、うどんか、愚鈍な小新発知。

小棚の小下の小桶に、こ味噌がこ有るぞ、
小杓子こ持って、こすくって、こよこせ。

おっと合点だ、心得たんぼの、川崎、神奈川、程ヶ谷、戸塚は、
走って行けば、やいとを摺りむく、三里ばかりか、
藤沢、平塚、大磯がしや、小磯の宿を七つ起きして、
早天早々、相州小田原とうちん香、
隠れござらぬ貴賤群衆の、花のお江戸の花ういろう。

あれ、あの花を見て、お心をおやわらぎやという。
産子、這子に至るまで、
この外郎の御評判、御存じないとは申されまいまいつぶり、
角出せ、棒出せ、ぼうぼうまゆに、
臼、杵、すりばち、ばちばちぐわらぐわらぐわらと
羽目をはずして今日お出でのいずれも様に、
上げねばならぬ、売らねばならぬと、息せい引っぱり、
東方世界の薬の元締め、薬師如来も照覧あれと、
ホホ敬まって、ういろうは、いらっしゃりませぬか。」


………いや〜長いですね〜


古い言い回しでちょっと分かりづらい箇所もありますが
YouTubeなどに沢山アップされているのでご興味を持たれたら
是非ご覧ください。

ところで、ここに出てくる「ういろう」とは
私達がよく知っているお菓子のういろうではなく
今も小田原にある「ういろう」の薬なのです。

以前、興味が湧いて 小田原の「ういろう本店」を
見に行った事があります。

外郎売の口上そのままに、
八方が八棟、表が三棟玉堂作りの薬局、
お菓子の売り場、カフェ、外郎博物館までが揃った
立派な建物がありました。

お薬のういろうは、小さな銀色の粒で
六百数十年前からの製法を守り手間暇かけて作られています。
環境汚染で材料が少なくなったので通販はしていないようです。

ありました!
お菓子の「ういろう」も。

それにしても
「ういろう」も「外郎売の口上」も

何百年もの間多くの人に愛され語られ続けた、
まさに『本物』なのですね。


3周目:「ワーキングマザーの安心感」
4周目:「映画「うまれる」を上映します」
5周目:「元気の秘訣」
6周目:「今こそ、可能性の窓をひらく時」
7周目:「大事なことを忘れずに」
8周目:「絆」
9周目:「いのちの絆〜映画「うまれる」上映会&講演会〜を開催して」
10周目:「幸せな時間」
11周目:「時間の使い方」
12周目:「ぼちぼちいこか」
13周目:「自然に触れる」
14周目:「中村天風先生の言葉」
15周目:「心の持ち方ひとつで」
16周目:「魅力的な日本語」
17周目:「笑顔の力」
18周目:「『「甘え上手」な子育て論』を読んで」
19周目:「『めづめづ和文化研究所 京都』を読んで」
20周目:「佐藤初女さんのお話を聞いて」
21周目:「帯津三敬病院名誉院長の帯津良一先生と長野で気功をしてきました!」
22周目:「鬼は内、福も内!」
23周目:「万博記念公園で太陽の塔をみてきました」
24周目:「特別展「医は仁術」でみたこと、感じたこと」
25周目:「帯津三敬病院で、帯津良一先生と気功をしてきました!」
26周目:「秋の動物園」
27周目:「『くりすますのおくりもの』を読んで」
28周目:「『ポックリ名人。』を読んで」
29周目:「『星の王子さまとめぐる 星ぼしの旅』を読んで」
30周目:「雨の日に読むと元気になれる絵本」
31周目:「『きつねのたなばたさま』を読んで」
32周目:「『ひつじくんのほしいもの』を読んで」
33周目:「『97歳の幸福論。ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣』を読んで」
34周目:「『スイッチ・オンの生き方』を読んで」
35周目:「「まごは(わ)やさしい」を意識すること」
36周目:「“呼吸”について」
37周目:「葉祥明美術館に行ってまいりました」
38周目:「『なぜ「そうじ」をすると人生が変わるのか?』を読んで」
39周目:「“耳ひっぱり”ですっきりリセット♪」
40周目:「よく噛むことの大切さ」
41周目:「『あなたを変える睡眠力』を読んで」
42周目:「「三呼一吸」とは」
43周目:「身体をゆるめる“わりばしワーク”」
44周目:「『100歳まで元気でぽっくり逝ける眠り方』を読んで」
45周目:「『赤毛のアンの幸せになる言葉』を読んで」
46周目:「“空を見上げる”健康法」
47周目:「「あくび」健康法」
48周目:「あいうべ体操」
49周目:「『おおかみのまゆげ』を読んで」
50周目:「『ミッキーマウス ありのままで夢がかなうアドラーの言葉』を読んで」
51周目:「困難に出会った時は」
52周目:「『心の整理学』を読んで」
53周目:「『運命をひらく小さな習慣』を読んで」
54周目:「『スーホの白い馬』を読んで」
55周目:「『糸あそび 布あそび』を読んで」
56周目:「『「私に生まれてきてよかった」と心から思える本 あなたはあなたのままでいい!本来の自分に還る言葉』を読んで」
57周目:「『少女ポリアンナ』を読んで」
58周目:「『暮らしと四季を彩るすてきな折り紙』を読んで」
59周目:「『いのちのまつり みらいへ』」
60周目:「『明日をひらく言葉』」
61周目:「おなかシュッとワーク」
62周目:「『ゆめみこぞう』」
63周目:「『おぼえる! 学べる! たのしいことわざ』」
73周目:「まちのねずみといなかのねずみ」
74周目:「木蓮」
75周目:「不思議な存在」
76周目:「肩こりには脇もみが効く」
77周目:「正心調息法」
78周目:「たまには華流ドラマを」

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