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船井幸雄注目の “本物”に携わる人たち

このページでは、舩井幸雄が注目していた、医療、経営、農業、未来予測、占星術などあらゆる分野で活躍する“本物”と言っていい方々を紹介します。それぞれの方に毎月1回、3回ずつコラムを書いていただき、順番にいろいろな方を紹介させていただきます。

2020.05.10(第112回)
★今回の執筆者★
医療法人むらつ歯科クリニック 院長 他 村津 大地さん(2回目)
(村津さんの詳しいプロフィールはページ下にあります。)
歯は臓器

■はじめに
 今回は「歯は臓器」という私たちの治療理念について書かせていただきます。
 この言葉は先代院長でもある村津和正が若いころに関わったあるプロジェクトとの出会いから生まれました。「歯は臓器、歯があるのが当たり前の社会をつくりたい」、この実現のために突っ走った30年間。今でこそ、「歯は体の一部である」とか「歯は臓器である」と同様のことを言っている歯科の先生は多くなりましたし、そのことを否定する人もほとんどいないでしょう。しかし、この言葉を最初に発信した当時は多くの同業者が敵に回り、足を引っ張ってきました。週刊誌や新聞に嘘の情報を書かれたりしましたし、私が歯科学生になった18年前も大学の先生から直接「お前の父親はおかしい」と言われたりもしました。そんな逆境をひるむことなく進み続け、そして常識を変えていった父の歩みと、バトンを受けた私の「歯は臓器」に関する解釈を解説していきたいと思います。

■「歯」は臓器?
 父がなぜ逆風であろうと歩き続けることができたのか、どうしてそのような考えに至ったのか。
 そのきっかけは九州大学での一つのプロジェクトでした。

「先生、何でも咬めますバイ!」
 元気な総入れ歯のお婆さんの一言に、当時まだ若い歯科医師であった父の頭にとても素朴で、本質的な疑問が浮かびました。
「歯はそもそも必要なのか?」

 「いるか、いらないか」と問われると、誰しも「いる」と答えるでしょう。しかし入れ歯で何でも咬めて代用できるのであれば、どうでしょうか。入れ歯は虫歯にならないし、歯周病にもならない。歯並びもキレイで、水ですすいだら歯磨きもしなくていい。それだったら、歯がなくてもいいのではないか。父はそう思ったそうです。
 当時、「虫歯をつくらず、一生自分の歯で咬んでもらいたい」という願いから予防歯科を専攻していた父からすれば、入れ歯という代用品で問題なく健康に何でも食べることができるのであれば、自分が今までやってきたことは何だったのか。これから自分がやるべきことは何なのか。と大変なショックを受けたそうです。
 しかし、この言葉を聞く2年前に、父は留学先のアメリカで「潜在的疾病状態」、つまり「見た目は健康であっても、身体のどこかに病気や不調が隠れている状態」について研究していました。そのため、この顔色が良く、元気なおばあさんは「本当に」健康なのか。という疑問も同時に湧いたそうです。
 そして、こういうことを天の配剤というのでしょうか、間もなくして「入れ歯でも健康」なのか、それとも「見た目は健康だけれど、歯がないことによる身体の不調が何か隠れている」のかという疑問に答える研究と父は出会うことになります。この研究との出会いこそが父のその後の人生を決定することになったのです。

 その研究とは、当時の九州大学健康科学センターと、福岡県春日市の共同で行われた「いきいき老人健康度調査」というプロジェクトでした。この調査は、多くの元気な高齢者を対象に、食生活、血液、日頃の運動量、内科検診など、様々な角度から「元気な老人の健康の秘訣」を調べようとするものでした。
 しかし、このプロジェクト、当初「歯」は、調査対象に入っていませんでした。
 では、なぜ最終的に歯が調査対象に加わったのかというと、これも偶然の出会いからだったのです。

 このプロジェクトが発足しようかという頃、父は友人との会食の席で、偶然この調査のリーダーをしていた方と同席することになりました。プロジェクト内容を聞き、歯が調査対象になっていないと気付いた父は、「歯は調査対象に入っていないのですか? 大学では歯学部もあるのですから、身体全体から調査するのであれば、当然歯も入っているはずですよね」と尋ねました。
 するとリーダーの方は一瞬「は?」という顔をされたそうです。
「人間全体の研究をするのであれば、歯も入っていなければいけないのではないですか?」とたたみかけると、「そういえばそうですね。では村津先生、あなたが歯の担当をしてください」と言われたのです。
 当時のことを振り返って父は、プロジェクトに参加することになったことについて、「偶然のいたずらか、それともそれとは気づかず何かの大きな存在に仕組まれた必然の機縁なのか、とにかく不思議なご縁に導かれるようにしてさりげなく起こった」と述懐しています。

■「いきいき老人」の歯
 「いきいき老人健康度調査」には、歯と全身の健康の関係を研究するにあたって、大きな3つのメリットがありました。1つは、当時8万人いた福岡県春日市民の内、65歳〜79歳までの健康そうな1800名を対象にかなり精度の高い統計データを得ることができた事です。
 次に、従来の血液や心肺機能などの数字で見ることができるような健康の指標データだけではなく「いきいき度」「はつらつさ」といった、数字に表すことができない部分を健康度の評価に組み込んでいることです。「見た目が健康」であり「検査結果においても健康」な高齢者を選ぶことができたのです。
 最後に、調査対象には、全く歯が残っていない方から、30本以上残っている方まで、残存している歯数がバラバラで偏りがありませんでした。この方々を、当時の全国平均と比較したわけですから、「歯が人間の『全身の健康』に関係があるのか」という問いに対する答えを探るための条件が整ったプロジェクトだったのです。

 では、このプロジェクトで明らかになり、父の人生に影響を与えるほどの衝撃を与えたものとは何だったのでしょうか。
 まず、いきいき老人と、普通の老人(全国平均の老人)との歯の残り方を比較した時、「いきいきした老人の方は、全国平均よりも歯が残っている」ということがわかりました。普通の老人は、4割もの人は歯が全く無いのに対して、いきいき老人の方では歯が全く無い方は2割に過ぎなかったのです。
 残っている歯の本数を比べたとき、いきいき老人の方は、普通の老人に比べて、何と2倍の本数の歯が残っていました。この2つのデータから、「いきいきした老人は歯が多い」ということが分かります。また、咬む力に関しても普通の老人と比較して約2倍の力を持っていたのです。
 いきいき老人の皆さんは、歯の本数が多く、咬む力が強い、つまりしっかりした歯を持っていることが分かってきました。

 次に「咬む力」「食物を口に入れてから咬み砕く能力」の2つを調べて、「よく咬める老人」と、「あまり咬めない老人」を比べると、「よく咬める老人」は、平均で、歯を21.4本あったのに対し、「あまり咬めない老人」は6.8本しか残っていませんでした。当たり前かもしれませんが、歯が多い方が、「よく咬むことができる」のが分かります。
 さらに、「よく咬むことができる老人は健康なのか」ということを血圧、血液、尿、心電図、心エコー、皮下脂肪測定、内科検診を行い、その「健康度の点数」を比較すると、よく咬める老人は、内科的にも健康であることが分かってきました。

 ただ、これだけであれば、
「よく咬むことができる」→「なんでも食べられる」→「バランスの良い栄養」→「健康」
 ということが考えられます。誰しも「よく咬んで食べなさい」と言われたことはあるはずです。歯と健康の間に関係があることは確かに分かるのですが、ここまでは、歯の「咬み砕く」役割から常識的に想像がつく範囲で、「やっぱりよく咬んで食べることは大切だね。だから歯は大事にしないとね!」という結論で終わりになります。「なんだ、当たり前のことじゃないか!」とみなさんも思われるでしょう。

 もちろん、この時点でも歯と健康に関係があることが分かったので父は嬉しかったそうです。しかし、「入れ歯で何でも咬めますバイ!」がスタートですから、歯は代用がきくものなのか、という問いにはまだ全く答えることができていません。そしてここから、この研究は、もっと歯の本質に迫っていくことになります。

■歯と唾液
 人の唾液には2種類あります。
 1つはネバネバした唾液です。運動をしている時に口の中がネバネバしたりヌルヌルした経験はありませんか? これは糖タンパクが主成分で、交感神経(運動しているときや、ストレスにさらされているとき、緊張しているとき)が優位なときに出るものです。粘液性とも言います。
 もう1つは、サラサラした唾液です。美味しそうなものを見て唾を飲み込んだり、居眠りしていてヨダレが出てきたりしますよね。これは副交感神経(リラックスした状態)が優位の時に分泌されます。こちらは漿液性(しょうえきせい)と呼ばれます。唾液は実に多くの酵素を含んでおり、食事のときにたくさん出た方が消化吸収しやすく、また味も良くなります。

 歯と唾液の出かた(量と質)についての研究を「よく咬める老人」と、「あまり咬めない老人」で比較したところ、「よく咬める老人」が唾液の量も質もほぼ2倍優れていることが分かりました。
 もちろん、唾液の分泌は、さまざまな要素で決定されています。「咬む能力」だけを比べて、「歯があるから唾液分泌が優れている」と断定するのは早計です。そこで、唾液の分泌に関連する全身の要素を全て測定しました。
 すると、一般的に歳をとると唾液が少なくなって口の中が乾きやすいと思われていますが、実際には「歯があれば唾液はしっかりと出る」ということが分かりました。「よく咬めるかどうか」ではなく、「歯があるかないか」が唾液の分泌と関わっていたのです。でも、唾液腺は、歯の近くにはありますが、直接繋がっているわけではありません。では、なぜ歯が唾液に関係してくるのでしょうか。

 虫歯の痛みや冷たいものが歯にしみる、といったことを経験するとよくわかりますが、1本1本の歯には神経があります。この神経はA、B、Cの3つの神経系を介して大脳まで繋がっています。また、歯根部分には受容器と呼ばれる感覚神経が存在しており、32本ある歯の1本1本が、それぞれに脳に情報を送っているのです。歯が抜けるということは、その情報が脳にいかなくなってしまうということになります。
 興味深いのは、その1本1本の歯の情報が、前述したように、2種の唾液の出方、交感神経系(緊張系)と、副交感神経系(リラックス系)に影響があるということです。
 下顎の奥歯の第一大臼歯と第二大臼歯が唾液の分泌量(サラサラ唾液)に強く影響し、前歯に行くほど弱くなります。逆にタンパク濃度の濃い唾液(ネバネバ唾液)への影響は、上顎の犬歯や下顎の第一小臼歯がピークになり、奥歯になるほど弱くなっていきます。つまり、下顎の奥歯で咬むと副交感神経を刺激するため、サラサラ唾液が出て、上顎の前歯部で咬むと交感神経を刺激し、ネバネバ唾液が出やすくなる。前歯と奥歯で自律神経のバランスが変わっていくことが分かったのです。
 そういった意味では、運動選手がガムを噛むのは実に理にかなった行為なのです。奥歯で噛んでリラックスし、前歯で噛んでアドレナリンを出すといった具合です。

■血圧のコントロール
 「歯の1本1本が、自律神経を介して、内科的な役割を果たしているのであれば、他にも全身に影響を与えるのではないか?」
 自律神経が影響しているものとして、父が考えたのが、「血圧」です。
 とはいえ、「歯が自律神経に関与して、全身に影響を与えている」というのは、それまでの歯科では、全くの常識外れであり、研究を進めていた父も、血圧のデータを入力しながら、「何かとても馬鹿みたいな、無駄なことをやろうとしているのではないか」と思うことがあったそうです。
 しかし、歯の本数と血圧のデータを入力し解析してみると、はっきりとした関係が浮かび上がりました。

 歯が14本以上ある方だと歯が多くなればなるほど血圧も高くなり、歯が0本から15本までの方は本数の少ない方が、血圧が高いことが分かったのです。しかし、唾液の分泌について調べたときと同じように、血圧も、さまざまな要因で変動します。こちらも、血圧に関係する要素を全て検討し、その中で歯が血圧に関与していることを確かめました。
 この部分は内容が難しいので割愛しますが、結果として1本1本の歯が、血圧の「上下」に関係しており、血圧を上げる歯と、下げる歯があることが分かりました。唾液においても見られた個々の歯の影響が、血圧でも同様に見られたのです。

■歯は臓器!
 ここまでで、歯が自律神経に影響を与えていることがお分かりいただけたかと思います。歯の1本1本の働きを考えたとき、父は歯が「ピアノの鍵盤」に似ていると言っていました。鍵盤は1つひとつが固有の音階を持っているからです。ピアノの鍵盤は、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドまでの8音で1オクターブあります。歯は前歯から親知らずまで8本あり、音階と同じなのです。歯と歯がかみ合わさることで、それぞれの歯が音のように情報を発信し、全体として調和しているというわけです。物を咬んで食べるということは、ピアノを弾くように、歯の鍵盤で脳を介して全身に音楽を奏でることでもあるのです。
 こうした歯の働きが分かってくると、今までの歯の常識的な見方である、「歯の機能は、消化器官の一部として食物を咀嚼すること」というのは、歯の働きのごく一部だということがわかります。では、歯とは一体何なのでしょうか……。それまでの常識とは全くかけ離れた歯の役割を示すデータが出て来るにつれて、父は「歯とは一体何なのだろう」「歯は何のために存在するのだろう」「人体における歯にはどんな秘密が隠されているのか」と、これまで自分が学んできた歯科の常識と自分が導き出した研究の結果との間で、自問自答を繰り返していくことになったのです。
そのような中、答えは突然やってきました。
 父が内科医と雑談しているときに、たまたま持っていたプロジェクトのデータを見てもらい、しばらく眺めてから何気なくこうつぶやいたそうです。

「ああ、歯は臓器だったんですね」

 このときの父の衝撃は相当のものだったようです。その瞬間、歯は咀嚼器であるという固定観念が打ち壊され、霧が晴れたように、「歯は臓器」だという今後の人生を決定する答えにたどり着いたのです。

 「臓器」というと、心臓や肝臓、腎臓といった、内臓器官をお考えだと思いますが、それらに共通していることは、細胞が集まって1つの働きをしている器官であることと、器官として受発信性を持つことです。心臓であれば、全身の血流をコントロールし、腎臓であれば血液を濾過して尿を排出します。胃で食べ物を消化し、腸で吸収するといったようにそれぞれが独自の機能を持つ器官です。つまり、歯も歯根膜受容器からの刺激を脳に伝えて、自律神経に影響を与える器官である「臓器」だったのです。
 そして、この「歯は臓器」という仮説に出会った父は、「先生、何でも咬めますバイ!」から始まった疑問から解放され、歯がいるのかいらないのかという次元ではなく「歯はあるのが当たり前なのである」という信念に行き着いたのです。
 実は後に分かったことなのですが、この入れ歯のおばあちゃんは何でも咬めるのではなく、ご家族がおばあちゃんの食べられる軟らかいものだけを食事で出していたので、本人が「何でも食べられる」と勘違いしていただけだったのです。

 このプロジェクトを通して出会った「歯は臓器」という事実。父は大学病院でこの研究を続けていきますが、歯は臓器であり、歯の1本1本がそれぞれ全身に影響を持つという発見は、歯科界における、それまでの常識では全く語られたことのない結果でした。
 結局、大学病院では思い通りに治療することが出来ず、1993年に博多駅前に「歯は臓器、歯があるのが当たり前の社会」を実現するための場所。むらつ歯科クリニックを開業したのです。

 残念ながら現在においても、前述した「歯は臓器」にかかわる内容は歯科の教科書には載っていません。歯科の常識では、歯の神経は咬んだ感覚や痛みを伝達するものであり、感覚のある咀嚼器である、という位置付けは変わっていませんので、歯は全身に影響を及ぼす情報を発信しているという事実が教えられることも議論されることもありません。しかし、この「事実」を知らないことによって、歯科治療によって多くの不調が生み出されています。実際、歯の治療をしてからどこか身体の調子が悪くなったというのは、珍しい話ではありませんし、適切な処置で症状が改善することも分かっています。また、スポーツ選手がかみ合わせを調整することで、パフォーマンスがさらにアップすることなども周知の事実になっています。つまり、かみ合わせが良くなると能力が向上し、かみ合わせが悪くなれば低下する。これが私たちの行っている治療の根幹になります。

■父からバトンを受け継いで
 私たちのクリニックには、歯に悩みのある人だけではなく歯以外のどこかに不調を抱えた方も多く来られます。
 歯医者に全身症状を訴えにくる。
 歯はただ咬むための道具ではなく、全身に関わる重要な器官である、という視座に立って行う治療を、私たちは「歯臓治療」と呼んでいます。父が始めた「歯臓治療」によって様々な不調が改善したという患者さんの感謝の声が多数寄せられました。それは口コミで広がり、今では全国各地から多くの患者さんが福岡県にあるクリニックへ足を運んでくださいます。
 父は「歯は臓器であるという認識を広めて、歯があるのが当たり前の社会をつくりたい。この考えを地球の常識として、みんなが苦しみから少しでも解放される世の中をつくりたい」と口癖のように語っていました。
 しかし、歯学部生だった私は、講義や教科書では書かれていない「歯は臓器」について常に疑問をもち、そして父と距離をとるようになっていったのです。当時の私は「歯は噛む道具」であると思っており、父の考えを全く理解することができませんでした。まさに、周りの同業者の方と同じ感覚だったのです。しかも、大学では父のことで先生から嫌味を言われることもありましたので、「なんで変なことを言うんだ」と憎しみに近い感情をも持っていました。
 ここから父の後を継ぐまでにはいろいろありましたので、その部分のお話は次回にしたいと思います。

 紆余曲折ありましたが、この10年近くにおよぶ回り道こそが大事な期間であり、そのおかげで口が「命の入り口」であるということに気づくことができ、歯が本来持つ力が一般に周知されていないということが、個人の健康と未来にどれほどの損失であるかを知ることになります。
 残念ながら父と一緒に仕事をした期間はわずか6か月でした。幸い、技術の継承はできたものの、父が培ってきた経験や知識は十分に引き継ぐことができませんでした。しかし、毎日患者さんが全国から来られるため、私なりの解釈を加えた「歯臓治療」を築いていくしかなかったのです。
 その時のことを思い出すと、本当に必死でした。昼夜を問わず父の残した30年分の資料を読み解き、自分なりに解釈して言葉にしていく。毎日この繰り返しをしていきました。父とは違う表現にはなりますが、私なりにより進化させた「歯は臓器」について今から説明させていただきます。

■「歯」の始まり
 生まれたばかりの時は、歯は一本もありません。
 生後6か月で下の前歯が萌えてきます。
 全部生えそろった乳歯も、小学校になると大人の歯(永久歯)に萌え変わっていきます。
 人間の体で、産まれてから全く異なるものに変わるのは「歯」くらいしかありません。
 では、「歯」とはどのような存在なのでしょうか。

 「歯」の始まりを知るだけでも歯に対する意識が変わります。

 地球が誕生したのは、45億年前。約40億年前に原始生物が太古の海に誕生し、やがて多細胞生物が生まれ、魚となり、陸上へ進出。そのように途方もない時間をかけたものが遺伝子の中に組み込まれながら進化して、最終的に人類となりました。この太古からの進化の過程は、お母さんの子宮の中で赤ちゃんが成長する過程と類似しています。
 人間の誕生は子宮の中の一つの細胞である卵子から始まります。遺伝子に組み込まれた設計図に従い、細胞が分裂・分化しながら増えていき、単細胞から多細胞生物となり、羊水に守られながら魚のような形を経て、ヒトの形態をつくっていきます。

 卵子は受精後2週間で三胚葉(外胚葉・内胚葉・中胚葉)と呼ばれる状態になります。これは鶏の卵のように「殻(膜)」「白身」「黄身」のような3つに分かれた状態になり、各胚葉からそれぞれ異なる組織が発生していきます。
 「外胚葉」は脳、神経、感覚器。
 「内胚葉」は消化器、呼吸器。
 「中胚葉」は骨、筋肉、循環器などになります。
 では、「歯」は、どの胚葉からできるのでしょうか。

 答えは、「外胚葉」です。

 多くの方が「歯」は「骨」の仲間だと考え、中胚葉からできたのだと答えたと思います。正確には中胚葉からの骨成分も含まれるのですが、「歯」は骨の仲間だけではなく、脳・神経の仲間でもあったのです。

 まさに「歯は中枢」だったのです。

 硬い柔らかいといった食感、冷たいものがしみる、虫歯になったら痛い。この当り前のことからも歯が神経を持つことを理解できるかと思います。つまり、歯は咬むための道具としての働きをしながら、脳神経由来の感覚受容器としての役割も持つ、特別な器官なのです。
 一般的に外胚葉由来の組織の働きとは、いわゆる五感と呼ばれるもので、視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚です。
 「食感を楽しむ」なんてことを言ったりもしますが、歯も神経を持つ感覚受容器ですから、本来なら五感に並ぶ「歯覚」であるはずなのです。つまり、歯こそが第6の感覚神経でありシックスセンスだったのです。しかし現在は、一般的には認識されない、まさに「死角」になっているのではないでしょうか。

 五感には良い刺激と悪い刺激があります。キレイ・汚い、よい香り・臭い、美しい音色・騒音、うまい・まずい、などです。
 では、歯で感じるものはどうでしょうか。硬い・軟らかいはあっても、良し悪しはないように思われるかもしれません。しかし、ここがまさに盲点で、かみ合わせ自体の微妙なズレが「歯覚」の良し悪しとなっているのです。五感に「おいしい」「美しい」といった良い刺激が入ると「感動」「幸福」「快感」と呼び、脳が活性化し元気になります。反対に「不味い」「汚い」などの嫌な刺激が入ることは「ストレス」「苦痛」「不快」であり、心身ともに負担がかかっていきます。同様のことが「歯覚」でも起こりますので、かみ合わせの良し悪しは「感動」と「ストレス」と同様の脳刺激になるのです。

■歯は中枢の臓器
 父は「歯は臓器」であることを実証すべく、大学病院を辞めて現在の、むらつ歯科クリニックを開業しました。その症例数は1万を優に超え、多くの患者さんの、からだ全身のあらゆる症状を改善させてきました。これまでに、歯は、唾液、血圧、自律神経に影響を与えることが分かっていましたが、25年以上に及ぶ治療の中で、まだ歯には知られざる働きがあり、その可能性を検証していきました。

 かみ合わせ治療後に、
・体温の変化
・視力の改善
・姿勢の改善
・ホルモンバランスの改善
・花粉症の改善
・精神的な変化
 といった心身的な改善を多くの方が体感され、歯の可能性と知られざる働きを実証していったのです。

 「歯医者に行ったら生理痛が軽くなった」と聞くと、一般的には、「?」という反応が返ってくるでしょう。あるいは、「歯医者に行って、肩こりがその日に軽くなった」、「歯医者に行って、花粉症が落ち着いた!」と言っても信じる方はあまりいないかもしれません。歯医者がそんなことやっていいのかという方もおられるでしょう。
 もちろん我々は歯科医師ですから、歯しか触りません。もちろん歯で全てが治るとは言えませんが、歯が影響していろんなことが起こるのも現実なのです。
 そうした症状に改善が見られるということは、いわば健康的に不調であるマイナスの状態が、ゼロに近づく、あるいはゼロに戻るということです。そして口を最良の状態に維持していれば、さらにゼロからプラスへ移行していきます。「年を取ったから、こういう症状が出ても仕方ない」と思っていたものは、歯に原因がある可能性もあるのです。
 また、全身のどこにも不調が表れていない方でも、実際は歯の歪みから起こる身体の歪みがあり、「一見すると健康そうに見える状態」、つまり潜在的疾病状態である方が多くいます。

 もともと、かみ合わせは非常に繊細なバランスで成り立っています。当クリニックのかみ合わせ治療は、マウスピースなどを用いたものではなく、シリコンという硬いゴムのような材質のものを歯科用のコントラの先端に付けて、0・1ミリ以下の単位で調整しています。元々、歯の感覚は髪の毛一本でも違和感をおぼえるくらい繊細なものですから、意外に簡単なことでそのバランスも崩れてしまいます。片方の歯だけで咬んだり、テレビを見ながら横を向いて食べたりする習慣があると崩れてくるのです。そのため、私たちのクリニックに来られた方には、定期的にかみ合わせの調整に来院するように勧めています。
 上下の歯は、ピアノの鍵盤のようにそれぞれが固有の情報を発信していますから、そのメンテナンスもピアノと同様に、「調律」する必要があります。ピアノでも、よく叩く鍵盤は、一番音がズレているものです。
 もちろん、片方で咬むといったような習慣がなければ、長くかみ合わせのバランスは維持されますから、かみ合わせが正しい状態がどれくらいの期間続くかには、個人差があります。しかし、根本的な不調の原因が歯である場合、正しいかみ合わせに戻れば、マッサージや整体などの対症療法に比べて格段に長い間、身体の機能は良い状態を保ちます。

■かみ合わせ改善による能力の向上
 これまでかみ合わせからさまざまな不調が改善することについて説明してきましたが、かみ合わせ治療の目的はマイナスからゼロへの不調の改善だけではなく、ゼロからプラスへの能力の向上という点にもあります。
 おかげさまで、私の代になってから4年足らずのうちに、能力開発を目的に多くのアスリートがクリニックへ来られるようになりました。
 来院される患者さんは、「力を入れているつもりが入っていない」方ばかりです。最初の問診でその話をするとほとんどの方が首を傾げて、「力は入っています」とおっしゃいます。ですが、指の力を測定すると、その理由をわかっていただけます。

 通常、指筋力で測定を行うと男性平均は6〜7s、女性平均は4〜5s程度です。当院では患者さんの最低目標を男性10s、女性8sとして、かみ合わせ調整前と調整後に測定します。
 すると、子どもからご年配の方まで、皆さん目標をクリアされます。
 かみ合わせが整うと「力を入れているつもりが入っていない」ではなく「頑張らなくても十分に力が入る」という状態になるのです。
 最初はよく理解していなかった患者さんも、かみ合わせ調整を行うと「さっきまでは確かに力が入っていなかったことが、よく分かりました」と実感していただけます。
 実際に年代(若者9〜19歳、青年20歳〜39歳、中年40〜59歳、高年60〜)ごとに検査結果を比較したデータでも指筋力が平均2・3倍以上に増加しています。
 また、筋力以外にも閉眼片足立ちでのバランス感覚や柔軟性などさまざまな検査において結果の向上を認めました。かみ合わせ調整後の能力向上はアスリートにも同様に起こり、治療後に運動の成績が向上した方は数え切れないほどおられます。アスリートの方がどんなにトレーニングを積んでも開くことのできない能力が、歯に隠されていたのです。 これがわずか一日の施術で自分のものとなるのです。
 では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
 これまで、かみ合わせと自律神経などとの関わりは記述してきましたが、実は歯と直接繋がっている重要な臓器との関わりに秘密があります。

 その臓器とは、「脳」です。

■人間と車のコントロールは一緒
 「体」をコントロールしているのはもちろん「脳」です。脳からの指令で我々は体を思い通りに動かしています。では車の「脳」に相当する部分はどこでしょうか。
 ハンドル? エンジン?

 答えはドライバーです。
 車はドライバーの思い通りに動かすことができますが、ドライバーがいなければ動くことはできません。
 多くの方は車の性能をより良くしようとメンテナンスや改造を怠りませんが、ドライバーの性能が変わる方が、ペーパードライバーかベテランドライバーといった具合に圧倒的にパフォーマンスは変わります。
 マイカーを運転するときでも、楽しいドライブであれば2時間3時間運転しても疲れませんが、喧嘩しながら運転しているとついつい運転も荒くなってしまいます。また、疲れていたり・体調が悪かったり・眠たかったりすると正常な判断が出来なくなってしまいます。このように、どんなにいい車に乗っていてもドライバー次第で性能は全く変わってきてしまいます。
 では、私たちはどうでしょうか。
 筋トレしたり・栄養に気をつけたり・マッサージや整体・病院通いで「体」を整えている方は多いかと思いますが、ドライバーである「脳」のコンディションを整えている方はどれくらいいるのでしょうか。この「脳」を整えるだけで「体」の性能は全く変わっていきます。

 基本的に体は全て「脳」がコントロールして動かしています。
 これまで、「歯」と「脳」の関係は説明してきましたのでもうお分かりかと思いますが、「歯」の感覚がずれると、自律神経に影響が出ますし、その違和感を「脳」がストレスとして感じてしまうため、うまく「体」をコントロールできなくなってしまうのです。さながら、喧嘩しながらイライラ運転しているのと同じ状況です。
 そして事故にあってからこう思います。
 普段はならこんなことにはならないのに。
 いつも通りなら・・・。
 なんでこんなことに・・・。と。

 日常生活においても、普通にやれば出来ることがなぜかできない。自分はこんなもんではないはずなのに。
 そう思うことが多い方は咬み合わせのズレから常にストレス状態なのかもしれません。

 かみ合わせは非常に緻密な調整が必要となります。それは歯が髪の毛一本を感じ取れる程の繊細な感覚を有しているからです。皆さんは音痴な方の歌を聴いたり、音のズレたピアノを聴いて気分が悪くなったことがあると思います。反対に上手な人の歌声や美しい音色の演奏で心癒されることも経験されていることでしょう。どちらも単音だけ取れば同じ「音」ですが、その並びが美しいか美しくないかで感じ方や感情が全く異なってしまうのです。美しい音色はリラックスや集中力を与え、乱れた音色はストレスを与える。これが、かみ合わせにも当てはまるのです。
 かみ合わせ調整後は「なんかピッタリ咬めるようになった」「左右が対称になった感じがする」「咬んでいる感じが軽くなった」など、ほんのわずかな調整でも大きな感覚の違いを実感できます。この状態こそが美しい音色のかみ合わせであって、異常緊張の解放やリラックス、さまざまな能力の向上が起こるのです。

 かみ合わせで一番変化するのが「集中力」です。

 雑音が減っていくと集中力が向上していくように、脳も、かみ合わせによる雑音が減ることで集中力に変化が起こるのです。運動能力の向上だけではなく、学力の向上、思考がクリアになった、喋りが楽になった、味覚が良くなったなどの感覚的な変化を実感される患者さんも非常に多くおられます。ただし、学力と運動能力は最低限の努力をしないと向上しませんけれど(笑)。
 歯はまさにピアノの鍵盤と同様に美しい音色を奏でることができ、緻密な調律を必要としていたのです。マイナスからゼロ、そしてプラスへ。
 私が今後目指していく歯科の在り方として、かみ合わせ治療による能力開発が当たり前になってほしいと願っています。なぜならこの部分は歯科医師しか触ることができず、トップアスリートでさえ開くことのできない領域なのですから。
 かみ合わせで能力が制限されているなんてもったいないと思いませんか? 元気な人をさらに元気に、そして未来の可能性を開くかみ合わせ治療。これが世の中の常識となれば、自分の才能を存分に発揮できる素晴らしい未来が待っているはずです。

 スポーツするなら、まずかみ合わせを整えてから
 これまで何人ものトップアスリートを見てきました。一般的にもかみ合わせは運動をする上で大切であり、力を出すにも重要な役割があるということが知られています。そのため「アスリートはかみ合わせが良い」と思っている方が多いのですが、実際は一般の方とほとんど大差はありません。そもそも偶然かみ合わせが良いなんて方は見たことありませんし、何よりアスリートも虫歯の治療を行っている時点で人工のかみ合わせになっているのです。その結果、「力を出しているつもりが、出ていない」という状態になっています。実際の筋力コントロール検査では一般の方よりも多少結果はいいのですが、それでも調整前は一般目標(男性;10kg、女性;8kg)に到達できる方はほとんどいません。ちなみに測定したのはプロサッカー選手、プロ野球選手、陸上日本代表クラスのトップアスリートばかりです。かみ合わせがずれていても結果を出せるのですから、それだけ才能と努力が素晴らしいのですが、筋力が強い分故障もしやすくなってしまいます。故障の原因をフォームや負荷のせいにすることが多いかもしれませんが、かみ合わせのズレによる異常緊張や筋力コントロールができていないことも原因しているのです。

 実際、普通の歯科医院で銀歯を入れた後に、頚椎ヘルニアや膝の故障に長い期間悩まされ続け、あらゆる手を尽くしても治らなかったのが、かみ合わせだけで改善したという選手は何人もいます。また、かみ合わせ調整後は筋出力が向上し、当然のように一般の方よりも検査結果がかなり良くなっていますし、調整後の競技結果においては、自己ベストの更新や大会新記録の更新、世界大会でのメダル獲得とさらに才能を伸ばしている方も多くいますので、やはり噛み合わせと運動パフォーマンスは関連しているのです。
 アスリートに限らず、部活動やクラブチーム、趣味で運動している方も、先ずかみ合わせを整えてみませんか。本来の才能を発揮し、不本意な怪我を予防するためにもお勧めです。

■歯列矯正には要注意
 ここまで、かみ合わせのバランスについて触れました。次は、最もそのバランスが変わる治療、歯列矯正治療についてお話しましょう。
 歯列矯正をされる方のほとんどは、「歯並び」を美しくすることを目的としていると思います。しかし、この見た目だけが美しい歯を目指すのは非常に危ういことです。入れ歯で完全に健康であるというのが、「一見健康そうに見える状態」であるのと同じです。
 「歯並び」という見た目だけが美しい状態というのは、必ずしも健康ではありません。
 かみ合わせの状態を人為的な力で大きく変える矯正治療は、長時間歯にストレスを与え続け、これまでとは全く異なる歯並びへと変えるものです。歯の並びが変化するということで、身体への負荷が大きくかかってしまうということは、ここまでお話したことからご想像いただけるのではないでしょうか。
 一般的な矯正治療は見た目を良くして咬めるようにすることがゴールとなりますが、歯は髪の毛一本でも違いを感じ取れる繊細な器官であるため、矯正終了後にかみ合わせが大きく狂ってしまう方がおられます。かみ合わせが良くなると能力の向上が見込めますが、反対に崩れてしまうと能力が発揮できないばかりか、さまざまな症状を引き起こす恐れがあります。当院では、矯正治療によって歯並びは良くなったにもかかわらず、さまざまな不調を訴える方を多く見てきました。

 歯列矯正をした歯科医に、「歯列矯正後に、こんな不調が出た」と言ったとしても、「それは歯列矯正とは関係ありませんから、整形外科です。それでも治らないなら精神的なものではないですか? 心療内科を受診されたらどうですか?」と勧められてまともに対応してくれないことがほとんどです。もちろん、「歯臓」について知らなければ素直に心療内科に行き、薬を処方してもらうことになりますが、それはやはり対症療法であり、ずっと薬とお付き合いしなければいけなくなります。
 歯並びが良いからといって、かみ合わせが良いとは限らないのです。
 そもそも、生まれつき歯並びが悪いというのは病気なのでしょうか。

 人の顔はそれぞれ違います。美男美女や垢抜けない顔、パッとしない顔など人それぞれです。もちろん顔の好みはあるでしょうが、顔の違いは個性ですし、極端に整っていないからといって病気であるとはならないはずです。
 しかし、歯はどうでしょうか。
 歯並びには理想的な形があり、それ以外は「ずれている」「歪んでいる」などと判断され、「不正咬合」という病名が付きます。なぜ歯並びは個性が認められないのでしょうか。
 根底に「歯」は道具である。という固定概念があるので、多くの方が見た目にこだわります。その結果、安易に歯列矯正に手を出してしまうのかもしれません。

 歯並びを変えるということは、身体に相当な負担を起こす可能性があります。また、矯正治療は歯を抜く前提で行なっている場合が多く、区画整理程度の考えで抜歯していきます。歯とはただの道具ではなく、自律神経と繋がった臓器なのですから、「スペースが足りないから健康な歯を抜きましょう」という安易な発想は非常に恐ろしいことです。
 大人であれば骨格的に固まっているので大きな症状が出ることは少ないですが、骨格が柔らかく、成長途中の子どもであればどうなるのでしょうか。歯を支えている上顎骨のすぐ上に脳があるのです。
 歯並びを良くして、素敵な笑顔になって、明るい未来を作ってほしいとの願いで子どもに高額な矯正治療を決断される親御さんも多くおられるでしょう。良かれと思った親心が、子どもの未来を壊すこともあるのです。安易に歯を抜いたり、歯列矯正期間に体調の変化が起こる可能性について説明が無い矯正医には注意してください。
 歯を動かしている間もかみ合わせ調整を行い、身体への負担を軽減させながら安全に歯を動かし、理想のかみ合わせを獲得できるように誘導していく。見た目がキレイになるのはもちろん、最良のかみ合わせも獲得して自分本来の能力を発揮できるようになることこそが重要なのです。

■歯中枢説と歯末梢説
 偶然出会った高齢者の研究から、「歯は臓器である」という最初の発見もした父。その後、大学院での研究を離れた父は、それを臨床的に実証し、多くの患者さんの力になりたいという思いから、1993年に「むらつ歯科クリニック」を開業しました。
 それから実に1万人以上の方を治療し、さまざまな症状の改善や能力の向上へと導きました。
 その間に、歯が中枢神経系へ影響していることが明らかになり、現在は「歯は臓器であり、中枢の機能と密接に繋がっている」という結論に至っています。
 このことを「歯中枢説」と呼びます。

 一方、「歯は消化器官の一部であり、咀嚼を機能とするものである」という従来の歯の考え方を「歯末梢説」と呼びます。「歯は咬むためにあるのだから、咬むことさえできれば良く、悪くなれば削って、無くなれば入れ歯を入れれば大丈夫」という考え方で、歯が身体と関係していたり、繋がっているということを無視した考え方です。
 従来の常識では、脳を中心とした神経系の中で歯は消化器官の入り口のような位置づけで、見た目をよくするための道具のような存在だと思われていたのではないでしょうか。

 しかし、ここまで述べてきたように「歯」は脳と直接関わっており、全身のバランスにも大きく影響を与えます。ですから、「歯中枢説」の視点から見ると、歯は神経系、筋肉の緊張とそれから起こる歪みと密接に関係し、全身に影響を与えています。そのため安易に抜歯をしたり、あるいは削ったり、全身のバランスを失うような矯正を行うと、身体全体に不調を起こす可能性があるのです。

 これは、本来は1つである身体を医科と歯科に分けてきたことは医学界の大きな問題です。
 歯は、身体の中で最も硬いため、その治療は硬いものを扱う一種の職人技のような側面があります。その身体の中での特殊性から、学問領域として2つに分けられたのだと考えますが、本来、身体は多くの器官が奇跡のようなバランスで、それぞれが連携して機能している「1つ」のものです。いわば、「全体性」を持っているのです。これを歯とそれ以外の部分に切り離して学問として研究してきたわけですから、その境目である歯と全身との接点は、「盲点」となってきたのです。
 父はこれを「医学界最大の盲点」と呼びました。
 大げさだと思われるかもしれませんが、医学と歯学を切り離し、歯のことが全く分からない医師、全身への影響を考慮しない歯科医師に分けられてしまったことを思えば、あながち大げさとも言えないでしょう。
 歯列矯正後の全身の不調を訴えたときに、心療内科を勧める歯科医は、治療行為にも、その発言にも「悪意」はないのです。
 私自身、大学のカリキュラムの中で、「歯と全身の関係」について学ぶ機会はありませんでした。父の存在がなければ歯と全身との関係について知ることはなかったでしょう。一般的な歯科医師にとっては歯を治療することで全身に影響がでるということは「あるはずがない」のです。それが「常識」なのです。

 未だに多くの歯科医が、歯を外科的な側面でしか捉えておらず、その視点で治療をしているのは、非常に残念なことです。そして、「歯末梢説」はあまりに長い間、医学の常識になっているため、この常識を覆していくことは大変困難なことです。
 私たちのクリニックに来られた方は、身体の不調が軽快したり、あるいは普段よりも体調が良くなるため、お知り合いにもお勧め下さる方がほとんどです。そうした紹介で予約はほとんど埋まってしまいますが、どこかの歯科医院で歯の治療を受けた後に調子が悪くなって、インターネットなどで探しているうちに私たちのクリニックに来院される方もおられます。こうした方は、歯の治療の直後から違和感や不調が表れたために、「歯を疑う」、つまり、歯末梢説を疑うことができた方です。歯が原因だと気付き、インターネットで自分の不調の原因を調べたり、父や私の書籍を図書館などで見つけて読み来院されるのです。こういう方は、失礼な言い方になるかもしれませんが、「不幸中の幸い」なのかもしれません。早い段階で不調の根本の原因の解決ができるからです。

 現実には、歯の治療を受けてから時間がたつにつれて、徐々に身体の歪みから全身の歪みが生じて体調が悪くなった方がほとんどであり、その方々は「歯を疑う」ことがないため、長い間体調が良くないまま過ごされることになります。歯が原因であることに気が付かなければ、徐々に悪化していく症状が、加齢、不摂生、あるいは運動不足のためだと考えてしまいます。歯が全身に影響していること、歯中枢説というものがあることを知っているかいないかで、人生が大きく変わることになるのです。
 もちろん、全ての病気や症状が、歯が原因であると断定するわけではありません。ただ、不調の原因に疑念を持ったときに、「ひょっとしたら原因は歯かもしれない」という知識だけでも持っておいたほうが良いのではないでしょうか。また、かみ合わせによる潜在能力の向上はどんなにトレーニングを積んで鍛えても獲得することができません。つまり、歯にはあなたの未来を変える可能性を秘めているのです

■最後に
 長くなりましたが、村津和正が目指し続けた「歯は臓器」と私が思う「歯は中枢」を読んでいただいてありがとうございました。
 これまでにはない歯科の概念であると思いますが、決して特別なことを言っているのではありません。
 「歯」は体の一部で、感覚神経を持つ「脳」の一部であり、「臓器性」を有する存在だからこそ全身に影響を与えるのは当たり前のことなのです。

■「歯抹消説」から「歯中枢説」へ!
 私のやらなければいけないことは、まだまだたくさんありますが、これからも父の後を追いかけるのではなく、私の見つけた道で父の目指したゴールへと歩みを続けたいと思っています。
 次回は、3か月コラムの最終回となります。
 最後は私が「歯は臓器」であるということを確信した出来事や、私の父に対する思いの変化、父亡き後の苦悩とそこからの歩みについてお伝えさせていただければと思います。

Profile: 村津 大地(むらつ だいち)

村津 大地さん
医療法人むらつ歯科クリニック 院長
NPO日本歯臓協会 理事長
脂質改善シニアインストラクター
日本幼児脂質代謝協会理事。
MZK歯臓マスター
著書「不調の原因は歯にあった」
九州大学大学院にて博士課程修了後、口腔外科医として大学病院の診療に従事。歯科治療のみならず口腔癌をはじめとした様々な全身に関わる疾患を通して、「歯」と「人体」についての知識の研さんを積む。
歯科治療は「脳・細胞・細菌」のコントロールこそが重要であるという「歯臓治療」を広げるために精力的に活動中!
かみ合わせ治療によるアスリートサポートも行っており、2019ドーハ世界陸上に7名の日本代表を輩出。競歩の金メダル獲得にも貢献。
東京オリンピックに向けてアスリート支援中!!
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