船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
<学魔>と呼ばれる知の巨人からのメッセージ
2022.7.28(Thu)
社名:(株)51コラボレーションズ
名前:服部 真和

皆様、こんにちは!いつも本コーナーのコラムをお読みいただき誠にありがとうございます。

さて皆様は、高山宏先生という方をご存じでしょうか? 明治大学教授から大妻女子大学の副学長まで務めた方ですが、高山先生に注目すべきは、人文学の分野において常に異端の発言をされ、その知識は深遠かつ膨大で博覧強記、<学魔>というあだ名がつくほどの異名をとる日本を代表する知識人の一人です。最近では千夜千冊で有名な松岡正剛氏との対談が、中央公論で掲載されるそうです。

その高山宏先生は「不思議の国のアリス」研究においても第一人者であり、現在、六本木の森アーツセンターで開催されているイギリスから巡回してきた朝日新聞主催の「特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界」展の図録の監修もされています。

その高山宏先生が、51コラボの企画した『不思議の国のアリス〜叡智の迷宮へようこそ〜』の企画に対して、新しい視座を開いたと絶賛のコメントを寄せてくれました。

この『不思議の国のアリス〜叡智の迷宮へようこそ〜』の企画は、(1)ディレクションズ・アリス (2)ディープダイビング・アリス (3)エキサイティング・アリス (4)パフォーミング・アリス (5)クリエイティブ・アリス (6)スピリチュアル・アリスと6つのパートに分かれ、「不思議の国のアリス」について、全15名による様々なジャンルのプロによる話や手品、詩と音楽の競演など多彩な9時間超えのデジタル・コンテンツです。

高山宏先生は、作者のルイス・キャロルがスピリチュアリズムに傾倒していたという視点がこれまでのアリス研究においてすっぽり抜けていた、今回の企画はそうした視点も加えており新しい視座を開いた、と高く評価をいただきました。まさに高山節とも言えるメッセージを寄せました。そこで、高山先生からのコメントを全文掲載させていただきます。

                  ◆

『不思議の国のアリス』と続篇『鏡の国のアリス』が発表された一八六五年、七一年という想像力/想像力充実の時期と、作者ルイス・キャロル晩年(一八九八年没)の時期との関係がキャロル研究究極の大問題である。人間界と妖精界の関係を平行して語るうちに語り手「私」が都度どの世界にいるのか輻輳してよくわからなくなる長篇かつ正続二篇の『シルヴィとブルーノ』という結局は「愛が克つ」というべたべた甘々の妖精物語を書く傍で言葉や論理を数学記号の演算として処理するハンプティ・ダンプティそのもの、コンピュータゲームそのものに取り組んだ記号論理学の難解なテクストを残す。

同じ一人の人間の作とは信じがたい。これに匹敵する「分裂」が『アリス』と晩年の『シルヴィとブルーノ』の間にもあって、たとえば『アリス』に比べて『シルヴィ』は晩年の作者の想像力の弛緩の結果とみて否定するような愚かしい読み方が長いあいだ普通にされていた。そんな馬鹿なっ!

キャロル晩年の書棚をみて驚く。スピリチュアリズムの本だらけなのだ。数秘術・錬金術・大宇宙小宇宙の照応思想etc.etc。むろん妖精論も。『シルヴィ』には変成意識をベースにした創作術の理論が盛られ、「エンテリック・ブディズム」、真密台密の仏教世界をも視野にという衝撃的な一文さえ出てくる。最終章「東へ」は明らかに同時代の英国のアングラを席捲したインド神秘主義への耽溺が透けて見える。

無茶を言っているわけではない。同時代登場の英国心霊研究協会(エス・ピー・アール)創立メンバーの一人がキャロルことチャールズ・L・ドジソンだったのだ。哲学者ベルクソン、物理学者キューリー夫人など時代の知性の最先端が薔薇十字団思想に染まる。ケルトの大詩人W・バトラー・イエイツは無論、知的探偵の生みの親のコナン・ドイルまでが晩年は奇術師ハリー・フーディニーを伴ってオカルト伝道師と化した!こういう動きのど真ん中に晩年のキャロルもいたということを、今回の51コラボレーションズ企画ほど徹底して分からせてくれる企画はない。

ヨーロッパ的知性の極限は十七世紀半ばに体をなした数学、そして言葉の数学たる論理学だった。キャロルがその両方に跨る「理系」のプロだったことに意味がある。そのキャロルが壮年期に入る頃、彼が生計と頼ったユークリッド幾何学が完全に転覆させられ、自然言語で何とか動いたアリストテレス(アリス<と>テレス!)論理学が説得力を喪った。三世紀近く西欧合理主義的知性の支えであったものがキャロルその人の手中で崩壊していった。そこにケルトや、カバラや、つまりは言語のマニエリスムが浮上して何のふしぎがあろう。

晩年にみられる矛盾というか「空隙」はこうやって埋められる。そして同じことが絶頂期?のキャロルと晩年の彼の間にあるとされてきた断絶についても言える、というのが、この拙文の一番言いたいことである。つまりキャロルは晩年になってオカルトになったわけでは実はなくて、すでにして『不思議の国のアリス』において存分にオカルトしていた、というかオカルトだったのだ!

『シルヴィとブルーノ』のハイライトはドイツ人教授が二枚のハンカチを使ってクラインの壺(メビウスの輪)をつくり、財布に見立てて中に硬貨を入れ、それが中に入った途端、みな外に出てくる「マジック」を披露する場面だろう。メビウスの輪が発明された直後に刊行されたのが『アリス』である。

非ユークリット幾何と同じ頃、形になった位相幾何学の方で片(単)側空間と称されるメビウスの輪では表は裏、裏は表であって、現と思っていたら夢、夢なのか現なのかといいながら投げ出されるウサギ穴や鏡の向うはメビウスの輪以外の何であるのだろう。発見者アウグストゥス・メビウスの孫のパウル・メビウスが神経生理学者となり、祖父の発見したこのオカルトな逆説的片側空間を統合失調症の患者の治療に使い始めたという面白すぎる逸話ひとつで、数学というオカルトに淫したルイス・キャロルの謎はあらかた解けるかにみえる、この51企画のお陰で!

                  ◆

日本を代表する知識人からこのような言葉をいただけたのはありがたい限りです。高山先生にお電話すると、『おせじじゃないよ。朝日新聞主催のアリス展が表なら、51コラボの企画は「裏アリス」だね。両方見てアリスは完成だね』といった主旨ようなことを言っていただけました。

なぜ「不思議の国のアリス」なのか、先入観なしでその世界を見てほしいな、と思います。人類史上、奇跡の書物のひとつと私は感じています。
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The Secret of “Alice in Wonderland”
不思議の国のアリス
〜叡智の迷宮へようこそ〜
https://alice51.com/
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2周目:「映画館へ行こう!」
3周目:「清々しいメロディに紡ぎだすハート」
4周目:「刺激的な人物がいた!」
5周目:「人の変化で時代を感じる」
6周目:「ひまわり大作戦」
7周目:「雑感」
8周目:「あらためて「プラス発想、素直、勉強好き」を・・・」
9周目:「想いは実現するということの私なりの解釈」
10周目:「宮沢賢治と手帳」
11周目:「防災の心得」
12周目:「書と陶の融合・・・私探しの旅に出て私になる」
13周目:「麻について」
14周目:「歩くことが楽しくなってきた」
15周目:「工夫をしよう!」
16周目:「アルゴ」
17周目:「私が過ごした本物研究所について」
18周目:「「笑いとばせ」という感性」
18周目:「「ありがとう」の言葉の力」
19周目:「美術館は妖怪ブーム」
20周目:「インフレ時代到来か?」
21周目:「20代の仕事の思い出」
22周目:「舩井幸雄が遺してくれたもの」
23周目:「まっ直ぐなやさしさ」
24周目:「山口敏太郎さんという方にお会いした印象」
25周目:「突出したことをしないでセミ・リタイアした男性」
26周目:「「精麻」で幸運を呼び込む」
27周目:「新春はこの人に注目!」
28周目:「20年前を振りかえる」
29周目:「新しいことをやるには……」
30周目:「月並みですが持続のコツ」
31周目:「やってみて気づく」
32周目:「運を味方にするサイトがオープン!」
33周目:「雑感」
34周目:「セルフ・ブランディングの時代を感じて」
35周目:「絶望と無気力の淵から立ち上がって・・・」
36周目:「今から、ワクワクしています!」
37周目:「スピ・サミ・レポート」
38周目:「3・3・3の原則」
39周目:「この人、イイね!」
40周目:「エジプトに行ってきました!」
41周目:「違和感を感じる自分」
42周目:「スピリチュル・サミットの季節が・・・」
43周目:「禅を新発見」
44周目:「道教」
45周目:「ゴッズ・オブ・エジプト」
46周目:「タオという宇宙観」
47周目:「ドラゴン・イン台湾」
48周目:「テレサ・テンは菩薩だった!」
49周目:「宮沢賢治の言葉に触発されて」
50周目:「新しい女性美の提案企画スタート!」
51周目:「響」
52周目:「イスラエルに行き感じたこと」
53周目:「不思議な施術体験、すごかった!」
54周目:「次元上昇」
55周目:「呪詛大国日本」
56周目:「遥かなるイスラエルへの旅」
57周目:「伊勢神宮の月次祭を奉拝して」
58周目:「古本屋で昔、買えなかった本に出合う」
59周目:「カバラの衝撃」
60周目:「女神の時代へ」
61周目:「フェニックス=火の鳥=鳳凰」
62周目:「不思議大好き!知られざる日本」
63周目:「今、最も注目される哲学者は何を語るのか?」
64周目:「奇想のクリエイティブ」
65周目:「熱き心の姿勢が多くの人に希望の火を灯す」
66周目:「チベット死者の書」
67周目:「100年以上前にチベットで修業した僧侶の話」
68周目:「世界にはすごい聖地があるもんだ」
69周目:「極限状態から起こる気づきの嵐」
70周目:「ミャンマーに行ってきました」
71周目:「ヴィパッサナー瞑想の聖地へ」
72周目:「魂が喜ぶ瞬間へ」
73周目:「イスラエルを巡る3つの謎」
74周目:「幸運は準備している人に訪れる」
75周目:「ゴーイチプレミア」
76周目:「協力と情報共有」
77周目:「オンライン化の波」
78周目:「魔術的要素があるという古代ルーン文字」
79周目:「数字の持つ神秘な側面」
80周目:「エジプトに注目」
81周目:「女神の知恵を取り入れていく時代へ」
82周目:「エジプトの息吹を感じる」
83周目:「聖書に隠された数の暗号の秘密とは?」
84周目:「カバラって複雑で難しいけど興味深い」
85周目:「紫微斗数(しびとすう)ってご存じですか?」
86周目:「コロナ禍の状況下、絶体絶命下で開かれた叡智の光がヒントになる?」
87周目:「私という謎と数の関係性」
88周目:「ケルト文明の謎に惹かれて」
89周目:「アーサー王伝説について」
90周目:「2つの「死者の書」と死んだらどうなるのか?」
91周目:「ケルト巡り」
92周目:「黒い聖母マリアとケルト」
93周目:「「カバラ」に興味を持った、そのわけは?」
94周目:「「不思議の国のアリス」というキーワードは外せない!」
95周目:「気軽に知的エンターテイメントを楽しむ」
96周目:「ベリーダンスは神々に捧げる踊り? 神託タロットに影響されて・・・」

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