船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
昭和が歴史になる前に読んでおきたい本
2018.11.27(Tue)
社名:(株)船井本社 『舩井幸雄.com』&『舩井メールクラブ』事務局
名前:藤原 かおり

 皆さまこんにちは。(株)船井本社『舩井幸雄.com』事務局&『舩井メールクラブ』事務局の藤原かおりです。
 日に日に秋が深まり、冬の足音が聞こえてくる今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 さて、来年の5月1日には第126代の天皇がご即位し、新しい元号がスタートします。平成が幕を閉じるわけですので、その前の昭和という時代はますます遠のき、いわば昭和が“歴史”になっていくのだなぁとしみじみ感じます。

 最近、会社の行き帰りの電車の中などで読んでいた松本清張の『砂の器』という推理小説を読み終えたところなのですが、松本清張の描くサスペンスの世界はまさに、昭和の時代を凝縮させたもののように感じています。
 とくにこの『砂の器』を読んだのは2回目なのですが、最初に読んだのは私が大学に入学してすぐの頃でした。入学して最初にできた友達がこの『砂の器』を読んでいて、もともと松本清張のサスペンスドラマなどは家族でよく見ていたので、面白そうだなと思って、彼女が読んだ後に貸してもらったのです。借りたものの上下巻あるけっこう長編の小説でなかなか読めず、「早く読んで返さなきゃ」と慌てて読んだことを覚えています。
 読み応えはあったものの、松本清張の作品の割には割と地味な作品だなと思った記憶があります。
 そんな青春時代のちょっと懐かしい思い出とともにある『砂の器』なのですが、最近なんとなく思い出して、今度は自分で買って読み終えたところです。

 ストーリーは、東京の蒲田駅で一人の男性の死体が発見され、その事件の真相を刑事が根気強く追い、犯人を暴いていくというものです。だいぶ前ですが、中居正広さん主演で連続ドラマ化もされたのでご存知の方も多いでしょう。
 松本清張の作品はどれも、その背景にある人間模様だけでなく生活様式などもまさに「ザ・昭和」で、伝達手段としての電報がトリックのキーになっていたり、刑事が急ぎの業務を手紙で郵送で依頼したりと、現在から考えるとどれもアナログで、時代を感じさせます。
 また描く人間のキャラクターも、代表作の『わるいやつら』や『けものみち』など、自分の欲得のために平気で人を殺したり、また、貧困にあえいでいた主人公が社会でのし上がっていくために犯罪に手を染めていく……といったように、自分の都合や栄光のためにエゴをむき出しにし、それが犯罪の動機になっているストーリーも多く、このあたりも昭和という時代のある側面を凝縮させているように感じます。
 そんな過激なものも多くある松本清張の作品の中では、この『砂の器』はわりと地味で地道な内容だと思うのですが、最近読んだある雑誌の中でたまたまこの作品についての論評があり、興味深く読みました。

 それは、戦後の日米関係の歪みを解説した記事の一端で、1960〜1970年頃の日本の経済が好調だった頃、日本が敗戦後、(アメリカに対して)行ったごまかしの感情に対するうしろめたさなどがこの頃にヒットしたミステリー小説から読み取れる、とありました。
 その中の一つとして紹介されていたのがこの『砂の器』で、大人になり社会的に成功した犯人の〇〇〇〇〇は、幼い頃に病気の父親と一緒に乞食のように様々な地方をさまよい歩いた過去がありますが、(戸籍を操作までして)その過去との関係を断ち現在は栄光の人生を歩んでいます。しかしある時、その幼少期に大変お世話になった人が自分を訪ねてきます。彼は自分の過去が世間に知られるのを恐れて、そのお世話になった人を殺してしまうのです。
 『砂の器』のストーリーについて社会学者の内田隆三さんが、「この時期に流行ったミステリー小説の構造はどれも同じで、広く読まれたのは、当時の日本人たちが、日本は経済的に成功を収めているが、自分たちの過去には何か根本的なごまかしがあると無意識のうちに感じていたからでしょう」と指摘している、とその雑誌の記事にありました。

 そういう時代背景の中で描かれた、メッセージ性のある作品だったのですね。初めて『砂の器』を読んだ時は、地味で刺激はあまりない作品だなぁという感想だったのですが、20年以上たって2回目に読んだいまでは、松本清張の作品の中で一番の傑作ではないかな、と感じています(もちろん作品全部を読んだわけではありませんが)。
 ぜひ昭和が歴史になってしまう前に多くの人に読んでほしい作品だと思っています。


2周目:「鳥インフルエンザからニワトリを想う」
3周目:「日本の独立と個人の自立」
4周目:「資本主義について思うこと」
5周目:「“野性”を目覚めさせるには・・・」
6周目:「にんげんクラブ全国大会で気づいた“つながり”」
7周目:「歪みを正す方法」
8周目:「“グレー”からの脱却」
9周目:「“コンサバ”に思う」
10周目:「“野菜”は本当に健康にいいのか?」
11周目:「ロンドン・シティで感じた意外な“気”」
12周目:「フリーエネルギーとUFOの関係」
13周目:「最近読んでショックを受けた本」
14周目:「“寄り添う”ということ」
15周目:「“五井野イズム”に触れて……」
16周目:「秘伝のお茶と新コラム」
17周目:「偶然とは思えない3つのこと」
18周目:「「本物」は野性的!?」
19周目:「日本人の「水戸黄門」幻想」
20周目:「嫉妬の時代」
21周目:「久しぶりに会った舩井幸雄」
22周目:「舩井幸雄との出会いを思い出してみました。」
23周目:「後から思い出してみるといろいろシンクロがあったこと。」
24周目:「竹中平蔵とは何者か。」
25周目:「足指から目覚める?」
26周目:「舩井SAKIGAKEフォーラムが無事終わりました。」
27周目:「私にとっての12月25日」
28周目:「“本物の健康”を追求するセミナー」
29周目:「最近ビックリした、アンチエイジングのエネルギー」
30周目:「舩井幸雄の「氣」の力を想う」
31周目:「「願い」のちから」
32周目:「本物時代の到来」
33周目:「Dr.コパさん」
34周目:「一神教vs多神教」
35周目:「空海から義経へ」
36周目:「“ミンパク”を知っていますか?」
37周目:「人生に難がやってくる意味」
38周目:「旅先でのシンクロ」
39周目:「オザケンの「うさぎ!」」
40周目:「宇宙での生活」
41周目:「最近のおススメ!2つ」
42周目:「竹田和平さんがメンターと出会われた神社」
43周目:「『君の名は。』とムー」
44周目:「卵がけごはんがごちそうになる・・・」
45周目:「「雑草魂」はもう古い?」
46周目:「銀座のはちみつ」
47周目:「ひょっこり見つかった舩井幸雄の健康情報」
48周目:「加計学園問題で揺れる今治市の可能性」
49周目:「“品格”について考えてみる。」
50周目:「“差別”から歴史を読み解く岸田秀さん」
51周目:「おすすめワイン」
52周目:「会津への旅」
53周目:「究極の“じっくりコトコト”」
54周目:「バリ島でのニュピ体験」
55周目:「「舩井フォーラム ザ・ファイナル」と生アーモンド」
56周目:「リピート必至の逸品」
57周目:「ドアーを閉めさせていただきます」
58周目:「都内でも八十八ヵ所巡り」
59周目:「健康指南 〜アーユルヴェーダより〜」
60周目:「おやつの力」

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