船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
デビルマンという傑作漫画について
2023.4.4(Tue)
社名:(株)本物研究所
名前:服部 真和

皆様、こんにちは!この4月1日、株式会社51コラボレーションズは株式会社本物研究所と合併し、51コラボ事業部としてあらたにスタートすることになりました。どうぞ今後とも51コラボをよろしくお願い申し上げます。

さて、今回は漫画家の永井豪について。永井豪といえば、私が子供のころPTAの禁止漫画として話題となった「ハレンチ学園」という漫画がありますが、そうではなくて「デビルマン」という不朽の名作について書いてみたいと思います。

この漫画は、デビルマンという悪魔的存在を主役にした、1972年に少年誌に連載が始まった作品です。私が11歳の時です。はじめてデビルマンを読んだ時の衝撃は今でも覚えています。冒頭に出てくる氷漬けの悪魔の話は、子供心にすごく納得した記憶がありますし、北極、南極の氷の下には何かあるに違いないという幻想ロマンは、たぶんこの時に植え付けられ、20歳の頃に見た映画「遊星からの物体X」によってそこはやっぱり未知の場所と思い、大人になり地球空洞説やシャンバラ伝説の場所への入口という話を知った時、なるほどなと。

強烈といえば子供心に残っているのが、デビルマンの飛鳥了が不動明をデーモン(悪魔)と合体させるための描写です。地下空間の中で、当時であればディスコ、そこで麻薬や酒、音楽に半裸の男と女が踊り狂う。さながらサバトのよう。忘我の状態になるとデーモンと合体しやすくなるという。飛鳥了は割れたビール瓶で女性を傷つけ流血騒ぎを起こし狂乱の宴となる。そして恐怖で理性を失った主人公の不動明がアモンという悪魔と合体する場面、目が吊り上がり獣のようになり、前腕部がバキッと割れるのは人をはるかに超える超自然的パワーがその身に宿ったというのを感じるに、子供の私にとっては十分すぎる表現でした。

そしてシレーヌという魅力的な女性の悪魔キャラクターが生まれ、デビルマンとの戦いに勝った!と信じたまま立ちすくみ死んだその展開に、闘いの美学のようなものを感じました。このデビルマンを読んでいる時は、キリスト教の聖書「ヨハネの黙示録」の存在も知りませんでしたし、悪魔のサタンが堕天使ルシファーであるということも全く知りませんでした。いや、そもそも「神」という概念さえ意識して生きていなかったように思います。

そして、飛鳥了が実はサタンそのものであったことが明かされ、結末は飛鳥了=サタン(悪魔による世界支配を目指す)と不動明=デビルマン=人間と悪魔が合体した存在(どちらかというと人間側の立場)の最終戦争へ。下半身がない不動明が描かれ、両性具有の天使の姿である飛鳥了=サタン(堕天使なので)が、悲しみのあまり不動明に寄り添う、あの有名な?ラストシーン!二人の背後には光り輝く天使たちの姿があり二人を祝福しているように見える。当時はそのように感じていたのですが、実は、そうではなかったというのが数十年後にわかったのです。以下は私の読み間違いを修正してくれた「完全保存版デビルマン大解剖」(三栄書房・刊)を参考にしました。

光輝く天使たちは、二人を祝福する天使たちなどではなく、正体は「神」なのでした。これは全くそのラストを誤解していました。つまり、こういうことです。200万年前、神が創造した生物がデーモン=悪魔になってしまい、神の意志に反したので、すべてを無に帰そうとしたのが始まりで、神に一方的に滅ぼされそうになったデーモンのトップであるサタンが立ち上がり、神との戦いに勝利した。そこで次の神の襲撃に備え、デーモンらは自ら氷漬けになり冬眠した。

眠りから覚めたデーモンは、テリトリーを当時は存在していなかった人間によって地球を荒らされたため、デーモンが人間を襲撃することになる。しかし、デーモンと合体し人の心を持ったデビルマンは、人間側につくことになる。人間側の心が優位に支配したのだ。だが、守るべき人間こそ、実は悪魔なのではなかったのか? 恐怖に落とされた人間たちは隠れた悪魔的な本性を剝き出しにして、悪魔狩りと称して残虐な殺し合いを始める。

悪魔の肉体を持ち、人の心を持つデビルマン。人間はその心を失ったとき、人の姿だが心は悪魔という構図。デビルマンにとって最愛の人、ヒロインの牧村美樹が殺されたとき、デビルマンは人間を守るためではなく、ヒロインを死に追いやった根本原因のサタンとの最終決戦に臨む。

そしてラストシーン、光に包まれたのは二人を祝福する天使などではなく、ここはチャンスと現れた神であったのです。すべてを無に帰すという元の目的を果たすべく現れたということだったのです。そうなるとラストの意味合いが大きく変わります。二人を祝福するのではなく、二人は破壊する運命にあり、神によって無となるべく世界の一歩手前だったわけです。

核兵器という破壊力を持つに至った人間、その人間の中の悪魔性を暴いた「デビルマン」という傑作漫画。ロシアとウクライナの戦争は泥沼化し、世界が嫌な方向に向かっている気がします。人と人が殺し合うことになんの生産性もありません。ただただ悲しみと虚しさが残るのみ。「デビルマン」という漫画は古くなることなく、今なお警告を発しているのでした。

ところで、永井豪の「デビルマン」誕生の裏事情を描いた「激マン」という漫画を読むと、その永井豪が、いかにデビルマンにのめり込み、ある種の憑依状態で描いていたかがよくわかります。そして、少年漫画ゆえに表現に制約がかかったことに対して、そこをさらに突っ込んで描いたことにより、さらに深みをもった作品となったのです。歴史に残る作業をするときは、ハイテンションの異常状態、そこに魂から湧き出るエネルギーが注ぎ込まれたから、素晴らしい作品が生まれたんだろう・・・そんな気がします。


2周目:「映画館へ行こう!」
3周目:「清々しいメロディに紡ぎだすハート」
4周目:「刺激的な人物がいた!」
5周目:「人の変化で時代を感じる」
6周目:「ひまわり大作戦」
7周目:「雑感」
8周目:「あらためて「プラス発想、素直、勉強好き」を・・・」
9周目:「想いは実現するということの私なりの解釈」
10周目:「宮沢賢治と手帳」
11周目:「防災の心得」
12周目:「書と陶の融合・・・私探しの旅に出て私になる」
13周目:「麻について」
14周目:「歩くことが楽しくなってきた」
15周目:「工夫をしよう!」
16周目:「アルゴ」
17周目:「私が過ごした本物研究所について」
18周目:「「笑いとばせ」という感性」
18周目:「「ありがとう」の言葉の力」
19周目:「美術館は妖怪ブーム」
20周目:「インフレ時代到来か?」
21周目:「20代の仕事の思い出」
22周目:「舩井幸雄が遺してくれたもの」
23周目:「まっ直ぐなやさしさ」
24周目:「山口敏太郎さんという方にお会いした印象」
25周目:「突出したことをしないでセミ・リタイアした男性」
26周目:「「精麻」で幸運を呼び込む」
27周目:「新春はこの人に注目!」
28周目:「20年前を振りかえる」
29周目:「新しいことをやるには……」
30周目:「月並みですが持続のコツ」
31周目:「やってみて気づく」
32周目:「運を味方にするサイトがオープン!」
33周目:「雑感」
34周目:「セルフ・ブランディングの時代を感じて」
35周目:「絶望と無気力の淵から立ち上がって・・・」
36周目:「今から、ワクワクしています!」
37周目:「スピ・サミ・レポート」
38周目:「3・3・3の原則」
39周目:「この人、イイね!」
40周目:「エジプトに行ってきました!」
41周目:「違和感を感じる自分」
42周目:「スピリチュル・サミットの季節が・・・」
43周目:「禅を新発見」
44周目:「道教」
45周目:「ゴッズ・オブ・エジプト」
46周目:「タオという宇宙観」
47周目:「ドラゴン・イン台湾」
48周目:「テレサ・テンは菩薩だった!」
49周目:「宮沢賢治の言葉に触発されて」
50周目:「新しい女性美の提案企画スタート!」
51周目:「響」
52周目:「イスラエルに行き感じたこと」
53周目:「不思議な施術体験、すごかった!」
54周目:「次元上昇」
55周目:「呪詛大国日本」
56周目:「遥かなるイスラエルへの旅」
57周目:「伊勢神宮の月次祭を奉拝して」
58周目:「古本屋で昔、買えなかった本に出合う」
59周目:「カバラの衝撃」
60周目:「女神の時代へ」
61周目:「フェニックス=火の鳥=鳳凰」
62周目:「不思議大好き!知られざる日本」
63周目:「今、最も注目される哲学者は何を語るのか?」
64周目:「奇想のクリエイティブ」
65周目:「熱き心の姿勢が多くの人に希望の火を灯す」
66周目:「チベット死者の書」
67周目:「100年以上前にチベットで修業した僧侶の話」
68周目:「世界にはすごい聖地があるもんだ」
69周目:「極限状態から起こる気づきの嵐」
70周目:「ミャンマーに行ってきました」
71周目:「ヴィパッサナー瞑想の聖地へ」
72周目:「魂が喜ぶ瞬間へ」
73周目:「イスラエルを巡る3つの謎」
74周目:「幸運は準備している人に訪れる」
75周目:「ゴーイチプレミア」
76周目:「協力と情報共有」
77周目:「オンライン化の波」
78周目:「魔術的要素があるという古代ルーン文字」
79周目:「数字の持つ神秘な側面」
80周目:「エジプトに注目」
81周目:「女神の知恵を取り入れていく時代へ」
82周目:「エジプトの息吹を感じる」
83周目:「聖書に隠された数の暗号の秘密とは?」
84周目:「カバラって複雑で難しいけど興味深い」
85周目:「紫微斗数(しびとすう)ってご存じですか?」
86周目:「コロナ禍の状況下、絶体絶命下で開かれた叡智の光がヒントになる?」
87周目:「私という謎と数の関係性」
88周目:「ケルト文明の謎に惹かれて」
89周目:「アーサー王伝説について」
90周目:「2つの「死者の書」と死んだらどうなるのか?」
91周目:「ケルト巡り」
92周目:「黒い聖母マリアとケルト」
93周目:「「カバラ」に興味を持った、そのわけは?」
94周目:「「不思議の国のアリス」というキーワードは外せない!」
95周目:「気軽に知的エンターテイメントを楽しむ」
96周目:「ベリーダンスは神々に捧げる踊り? 神託タロットに影響されて・・・」
97周目:「<学魔>と呼ばれる知の巨人からのメッセージ」
98周目:「「フール・オン・ザ・ヒル」、覚醒へ向かえ!」
99周目:「タロット、自由自在!」
100周目:「アーカーシャとゼロ・ポイント・フィールド」
101周目:「「不思議の国のアリス」は、ぶっち切りの逆転ゴール?」
102周目:「不思議な結晶の塩は何をもたらしてくれるのか?」
103周目:「黒い聖母子像の謎」

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