船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
サルバドール・ダリの表面と深層の秘密
2023.10.26(Thu)
社名:(株)本物研究所 51コラボ事業部
名前:服部 真和

20世紀美術界における最大の鬼才といえるのがサルバドール・ダリです。私はダリの絵が好きで、展覧会があると度々足を運んでいます。そのダリをテーマとした映画「ウェルカム・トゥ・ダリ」が公開され、観に行きました。ダリの晩年にスポットを当て、ダリの奇抜さ、ガラとの不思議な関係性を描いた作品でした。

70年代、日本を代表する画家・横尾忠則氏が、ポルト・リガルのダリの家に行って、自身の画集を見せたら、ダリは「これが君の作品か、俺は君の作品、嫌いだよ」とポーンと画集を投げたと、横尾氏はそんなパフォーマンスをする人だった、自分の人生を劇化して生きた人だと、ダリとのエピソードを語っています。ダリの成功の要因のひとつとして、秀逸なパフォーマーでもあったことも言えようです。

サルバドール・ダリですが、映画においても描かれているように、自身を商品化し、クリエイティブな分野で世間を挑発し続け、金銭的成功を収めたアーティストでもありました。彼は時代のメディアの発展とコマーシャリズムに巧妙に適応し、創作の幅は絵画のみならず、映画やバレエの舞台美術、飽食のデザインまで多岐にわたりました。今でいうメディアミックス戦略を取った画家です。

しかし、それだけでは成功するはずもなく、ダリは人間の無意識の部分を彼流のやりかたで深く降りていき作品に反映し、誰もその領域まで行くことができなかったというのが、彼独自の芸術性を高めていったといってもいいでしょう。ダリの芸術は非合理性の追求に焦点を当て、作品を通じて表面と内部、現実と超現実の関係を表現し、その絵画は重力を感じさせない浮遊的な表現や皮膜性など内面への関心を鮮明に表現しました。

日本を代表する前衛作家・寺山修司。寺山修司が中学生のときに見た夢、鏡を見ている自分の目から蟻が這い出してくるという夢を見たと言います。後年、寺山はダリが映画監督のルイス・ブニュエルと共同で製作した「アンダルシアの犬」で男の手から蟻が這い出してくるシーンを観てびっくりしたと発言しています。

寺山はそこから、“手の中央の黒い穴かによって、通底している表皮と内核といったものについて、考えぬわけにはいかなくなった”とし、“ダリの世界は事物の表面への猜疑にあふれている”と彼のダリ論を展開します。少女が海面=表皮をペロリとめくっている絵を例に出しながら、ダリの好奇心は表皮をめくることだと、いうのです。

そのイメージは私にとっても印象深く、それはカルロス・サウラ監督がスペインの奇跡の3人、ダリ、ブニュエル、ロルカ、を素材に創った映画「ブニュエル 〜ソロモン王の秘宝〜」を観た時、そのまさに海面=表皮をめくるシーンがあり、あっと、声が出そうになるくらい感動したのでした。

寺山修司は言います。“おそらく、ダリにとって水面は、鏡面のようにその裏側への関心を誘うものであるのだろう。それを、めくってみたいと思う動機は、ほとんど鏡の裏側を引き剥がしてのぞいてみたい、という衝動と変わるものではないかもしれい。”そのようなダリの美的世界は“内部によって、表面が犯されつづける”ことではないか?と。

その寺山修司がダリと面会した時の会話。

  ダリが「女の顔はただのピクチャにすぎない」と言った。

  ダリが「テレビについてあんなにすばらしい表面はないよ」と言った。

そして、なぜか“めくる”という言葉を打ちながら50年以上前の子供の頃に、流行ったスカートめくりを思い出してしまった。それは少年にとってスカート(=表面)の向こうには何があるのだろう?という興味に違いなかった。そこで、セクシャルな感情とダリ的関心の行為は結びついているのだ、と勝手に関連付けることにした。

少女が海面=表皮をペロリとめくって、海の底にいる犬を見るダリの絵、寺山修司もエッセイに取り上げるくらいだから共振するものがあったのだろう。


2周目:「映画館へ行こう!」
3周目:「清々しいメロディに紡ぎだすハート」
4周目:「刺激的な人物がいた!」
5周目:「人の変化で時代を感じる」
6周目:「ひまわり大作戦」
7周目:「雑感」
8周目:「あらためて「プラス発想、素直、勉強好き」を・・・」
9周目:「想いは実現するということの私なりの解釈」
10周目:「宮沢賢治と手帳」
11周目:「防災の心得」
12周目:「書と陶の融合・・・私探しの旅に出て私になる」
13周目:「麻について」
14周目:「歩くことが楽しくなってきた」
15周目:「工夫をしよう!」
16周目:「アルゴ」
17周目:「私が過ごした本物研究所について」
18周目:「「笑いとばせ」という感性」
18周目:「「ありがとう」の言葉の力」
19周目:「美術館は妖怪ブーム」
20周目:「インフレ時代到来か?」
21周目:「20代の仕事の思い出」
22周目:「舩井幸雄が遺してくれたもの」
23周目:「まっ直ぐなやさしさ」
24周目:「山口敏太郎さんという方にお会いした印象」
25周目:「突出したことをしないでセミ・リタイアした男性」
26周目:「「精麻」で幸運を呼び込む」
27周目:「新春はこの人に注目!」
28周目:「20年前を振りかえる」
29周目:「新しいことをやるには……」
30周目:「月並みですが持続のコツ」
31周目:「やってみて気づく」
32周目:「運を味方にするサイトがオープン!」
33周目:「雑感」
34周目:「セルフ・ブランディングの時代を感じて」
35周目:「絶望と無気力の淵から立ち上がって・・・」
36周目:「今から、ワクワクしています!」
37周目:「スピ・サミ・レポート」
38周目:「3・3・3の原則」
39周目:「この人、イイね!」
40周目:「エジプトに行ってきました!」
41周目:「違和感を感じる自分」
42周目:「スピリチュル・サミットの季節が・・・」
43周目:「禅を新発見」
44周目:「道教」
45周目:「ゴッズ・オブ・エジプト」
46周目:「タオという宇宙観」
47周目:「ドラゴン・イン台湾」
48周目:「テレサ・テンは菩薩だった!」
49周目:「宮沢賢治の言葉に触発されて」
50周目:「新しい女性美の提案企画スタート!」
51周目:「響」
52周目:「イスラエルに行き感じたこと」
53周目:「不思議な施術体験、すごかった!」
54周目:「次元上昇」
55周目:「呪詛大国日本」
56周目:「遥かなるイスラエルへの旅」
57周目:「伊勢神宮の月次祭を奉拝して」
58周目:「古本屋で昔、買えなかった本に出合う」
59周目:「カバラの衝撃」
60周目:「女神の時代へ」
61周目:「フェニックス=火の鳥=鳳凰」
62周目:「不思議大好き!知られざる日本」
63周目:「今、最も注目される哲学者は何を語るのか?」
64周目:「奇想のクリエイティブ」
65周目:「熱き心の姿勢が多くの人に希望の火を灯す」
66周目:「チベット死者の書」
67周目:「100年以上前にチベットで修業した僧侶の話」
68周目:「世界にはすごい聖地があるもんだ」
69周目:「極限状態から起こる気づきの嵐」
70周目:「ミャンマーに行ってきました」
71周目:「ヴィパッサナー瞑想の聖地へ」
72周目:「魂が喜ぶ瞬間へ」
73周目:「イスラエルを巡る3つの謎」
74周目:「幸運は準備している人に訪れる」
75周目:「ゴーイチプレミア」
76周目:「協力と情報共有」
77周目:「オンライン化の波」
78周目:「魔術的要素があるという古代ルーン文字」
79周目:「数字の持つ神秘な側面」
80周目:「エジプトに注目」
81周目:「女神の知恵を取り入れていく時代へ」
82周目:「エジプトの息吹を感じる」
83周目:「聖書に隠された数の暗号の秘密とは?」
84周目:「カバラって複雑で難しいけど興味深い」
85周目:「紫微斗数(しびとすう)ってご存じですか?」
86周目:「コロナ禍の状況下、絶体絶命下で開かれた叡智の光がヒントになる?」
87周目:「私という謎と数の関係性」
88周目:「ケルト文明の謎に惹かれて」
89周目:「アーサー王伝説について」
90周目:「2つの「死者の書」と死んだらどうなるのか?」
91周目:「ケルト巡り」
92周目:「黒い聖母マリアとケルト」
93周目:「「カバラ」に興味を持った、そのわけは?」
94周目:「「不思議の国のアリス」というキーワードは外せない!」
95周目:「気軽に知的エンターテイメントを楽しむ」
96周目:「ベリーダンスは神々に捧げる踊り? 神託タロットに影響されて・・・」
97周目:「<学魔>と呼ばれる知の巨人からのメッセージ」
98周目:「「フール・オン・ザ・ヒル」、覚醒へ向かえ!」
99周目:「タロット、自由自在!」
100周目:「アーカーシャとゼロ・ポイント・フィールド」
101周目:「「不思議の国のアリス」は、ぶっち切りの逆転ゴール?」
102周目:「不思議な結晶の塩は何をもたらしてくれるのか?」
103周目:「黒い聖母子像の謎」
104周目:「デビルマンという傑作漫画について」
105周目:「善と悪の聖獣の終わりなき戦い」
106周目:「イエス・キリストの深奥のコトバに触れて」
107周目:「Belly dance inspired by tarot cards"The universe of Tarot."」
108周目:「古代インドの叡智を日常生活に取り入れる」
109周目:「健康維持のためのホリスティックな全体像を知る」

バックナンバー
バックナンバー
2024年
2024.052024.042024.032024.022024.01
2023年
2023.122023.11 ・2023.10 ・2023.092023.082023.072023.062023.052023.042023.032023.022023.01
2022年
2022.122022.112022.102022.092022.082022.072022.062022.052022.042022.032022.022022.01
2021年
2021.122021.112021.102021.092021.082021.072021.062021.052021.042021.032021.022021.01
2020年
2020.122020.112020.102020.092020.082020.072020.062020.052020.042020.032020.022020.01
2019年
2019.122019.112019.102019.092019.082019.072019.062019.052019.042019.032019.022019.01
2018年
2018.122018.112018.102018.092018.082018.072018.062018.052018.042018.032018.022018.01
2017年
2017.122017.112017.102017.092017.082017.072017.062017.052017.042017.032017.022017.01
2016年
2016.122016.112016.102016.092016.082016.072016.062016.052016.042016.032016.022016.01
2015年
2015.122015.112015.102015.092015.082015.072015.062015.052015.042015.032015.022015.01
2014年
2014.122014.112014.102014.092014.082014.072014.062014.052014.042014.032014.022014.01
2013年
2013.122013.112013.102013.092013.082013.072013.062013.052013.042013.032013.022013.01
2012年
2012.122012.112012.102012.092012.082012.072012.062012.052012.042012.032012.022012.01
2011年
2011.122011.112011.102011.092011.082011.072011.062011.052011.042011.032011.022011.01

数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note